小売業の日本進出
ウォルマート、西友を子会社化(日経NET)

西友は決定事実じゃないよ、とのプレスリリースを出しているので、実際にどうなるかはともかくとして、仮に実現したとすればウォルマートは新株予約権の行使に引き続き、さらに投資を拡大することになるが、これが西友の業績からみて妥当な判断か、今後評価が分かれることになろう(あくまでも仮の話です。)。

幾つか成功例はあるのかもしれないが、衣料品などの分野を除き、小売業態の日本進出はとても難しいと思う。自分なりに理由を考えてみた。ウォルマートは流通革命でよく知られる企業だが、その優位性を日本で活かせるかどうかは甚だ疑問であるということに尽きるんだけど、具体的には以下のとおり。

1. 頻繁な補充の必要性(立地面)
アメリカの大型スーパーって、週に一度しか補充しないところがわりと多いのです。棚と通路が広く、大量にものがおけることが大前提。

2. 頻繁な補充の必要性(食生活)
たまにしか補充しないシステムは、日持ちのする(少なくとも表示されている賞味期限が長いという点においては日持ちのする)食品に支えられているといってよいでしょう。アメリカのスーパーだと、「ええっ、そんなにチーズとパンばかり買ってどないするの?」というくらい、大量に同じものを買いこんでいらっしゃる。最大限のほめ言葉を使って「シンプルな」食生活なせるわざ。ビタミンはビタミン剤で補給なんて人もめずらしくない。日本だと、比較的(あくまでも比較的)、豊富な食材を利用して調理なさいます。新鮮な野菜、魚なんかを求めて毎日スーパーにお出かけの方も多いと思います。「今日の夕食は何にしようかな。」などとスーパーで考えの主婦の姿、美しいですね。日本で賞味期限60日の牛乳(特殊製品除く。)なんて販売しようものなら、やばいですよね。

3. 多品目
2と重なるのですが、生鮮食品の種類と売り場の大きさ(比率)が圧倒的に違います。これも流通コストを高める原因になるでしょう。

4. 人件費
アメリカの方が人件費が安いのです。時給5ドル前後で働いてますよ、店員さん。求められるサービスレベルの差異もありますね。

日本のスーパーとの競争関係に立つわけですから4の人件費などは特に不利な項目ではないわけですが、まったく異なる市場に新規参入するにあたってはスケールメリットを享受できるわけではない(生鮮食品で海外輸送という手もありますが、西友の業態で現実的かどうか。)ですから、例えばイトーヨーカドーやイオンと勝負できるだけのノウハウがあるのかというと?マークがついてしまいますね。まあ、個人的にはウォルマートに行っても楽しくないので、違うスーパーにもっとがんばってほしいです。

都心に最高級スーパーとして参入し、デパートよりも若干安めの値段設定でワイン、外国ビール、チーズ、その他フレンチやイタリアンなどの特殊素材を提供した方が絶対儲かると思うんだけどなあ。個人的には、アメリカ式の安かろう、悪かろうは絶対に日本市場では成功しないという法則があると思う。
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by neon98 | 2005-07-06 07:40 | よしなしごと
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