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本は買って読め、家は借りて住め
「本は買って読め、家は借りて住め」と確か灰谷健次郎が「太陽の子」で書いていた(随分前に読んだきりなのでちがっていたらごめんなさい。)。彼がどういう理由でこの言葉を書いたのかは全く記憶にないのだが、少なくとも本についてはその通りだと思う。

家についてはあまり強いポリシーはなく、安くていい家があるなら別に買ったっていいと思う。引っ越してほかに住みたくなったら人に貸すか、売ってしまえばいい。まあ、家はあまり興味がないというか、金がないというか、ここでの話には全く関係がないので、無視しておく。

上手に図書館などを利用できる人を僕は尊敬しているけど、この点僕は全く駄目だ。自分の金を投資しないことにはまじめに読まない。また借りればいいやと思い、読まずに返してしまったりする。投資するということは読書のための強制力として働くので、特に勉強のための読書の場合には必ず購入することにしている。貧乏症の僕にとって、自分で買った本を読まないということは敗北に等しい。買ったはいいものの途中で挫折してしまった本が5冊も溜まってくるとどうにも苦しくなって、なんとか読み終えてしまうまでがんばることになる。うちの嫁さんなどは苦しいくらいの本なら読まなきゃいいのにと合理的なことを仰せられるが、そういうことではないのだ。金を投資した以上は最後までやり切るというスタンスの問題だと言い張るのだが、どうも嫁さんのいうことに合理性があるような気がしないでもない。

いい本が本棚に並ぶということは僕の所有欲を充足させる。もう一度読みたい本はずっと本棚に並べられるし、読んで面白かったけどもう読まないだろうという本は他人にあげてしまう。全く面白くなかった本はこれまた他人にあげるか、古本屋にいくか、リサイクルにまわされることになる。

専門書については、有用な本はたとえ事務所にあっても個人用に購入しておく。個人用書物だと色々と書き込みができるし、手元にあるということで安心できる。色をつけたり、線をひいたりしないとなかなか頭に入らないのは悪い癖だけど、まあ実際そうなのだからしょうがない。

仕事なんてどこに情報があるかを常に頭の中で整理しておけば半分終わったも同然というのが僕の持論で、継続購入している法律雑誌の記事のうち必要なものをどんどんコピーして資料ファイルにとじこんでしまう(僕が買った本のコピーを僕が一部保管するだけなのだから、著作権法第30条(私的使用のための複製)で許された行為です。念のため。)。その時点でじっくり読んだとしてもどうせ忘れるんだからその場では斜め読みしておく程度だ。専門書は高いから本の選択には時間をかけるけど、各法律分野について必ずひとつは自分の周辺に保管し、何がどこに書いてあるか程度は把握しておくことが必要だと思っている。アソシエイトであろうが最終的には自分の実力だけで食べていかないといけない世界なのだからどんどん自腹を切って自分に投資をしていくべきだ。

インターネットやCD/DVDでの検索はもはや業務にはかかせないのだけど、いかにインターネットやCD/DVDでの法律・判例・文献調査システムが進化しても、関係のある情報を同時に引き出せて漏れがないという点では書物に勝るものはない。検索ワードを少し変えただけで欲しい情報が出てきたり、出てこなかったりというのではやはり不安で、判例を次から次へたどっていくことも必要だと思っている。

僕たちの仕事は、書籍、インターネット、人脈や過去の経験、あらゆるものを総合した情報を売っているに等しいのだから、常に必要な情報にアクセスできるだけの体制はいつも整えておくべきだ。と偉そうなことを書きつつ、留学期間中日本での情報を仕入れることを何もしてこなかったせいで、日本での情報についてはすっかり浦島太郎状態だから、これは何とかしないといけない。
by neon98 | 2005-09-23 06:06 | 読書・映画等
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