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NETFLIXというビジネスモデル
NETFLIXというDVDレンタルに加入した。既にご存知の方も多いと思うが、一言でいえばオンラインでのDVDレンタル業者である。ただ、そのサービスがすごい。DVDを同時に3本借りられるプランだと月額17.99ドルで何本でも借りられる。顧客はWEBにアクセスして借りたいDVDを登録し、優先順位付けするだけでよい。すぐにDVDが送付されてきて、いつ返すかは顧客の自由である。送付されてきた封筒が返信用封筒を兼ねているので、DVDを入れて封をして郵便ポストに放り込むだけでよい。DVDを返却すれば次の優先順位のDVDが送付されてくる。月曜日にポストに投函したら、翌日には次の作品を発送してくれ、水曜日には到着した。米国にあるまじきサービスの迅速さで、ネット上で顧客満足度NO.1をうたうだけのことはある。

簡単な仕組みで一見誰でも思いつきそうだけど、この仕組みを考えた奴はすごい。この方式のミソは月額固定料金制度、無期限利用可能という点にある。ブロックバスターなど従来のレンタル業者は店舗を構え、在庫を各店舗に備え、顧客は店舗でレンタル商品を選択し、見終わったら商品を返却する。料金の設定は一日いくらというように長く借りられれば借りられるだけ高くなる。

これに対し、月額固定料金制度、無期限利用可能という制度のもとでは、一定の在庫数(例えば、顧客数*3本)は必ず顧客の手元に保管されているのがポイントだろう。何も借りずに固定料金を支払いつづける顧客はあまりいないはずだから、NETFLIXの手元で保管している在庫はさほど多くはならないはずだ。また、オンラインでやる必然的結果として、店舗コストはかからないし、在庫の一元管理の結果、店頭にある不要な在庫(めったに借りられないレンタル商品でも各店舗ごとに最低ひとつは在庫として保管することにより発生する在庫)および人件費が少なくなる。実際のオペレーションで行われているのは(たぶん)顧客から返却されたDVDをバーコードで読み取り、仕分けして棚に戻し、次のDVDを棚から出し、バーコードでチェックして封筒に入れ、機械から出てきた宛名ラベルを貼り付けるというだけの作業だろう。顧客との連絡はコンピューターにより自動的に管理され、バーコードの読み取りと同時に顧客にメールが到着する。

オンラインでやるということまでは誰でも思いつくけど、料金制度の変更みたいな発想の転換というのは簡単そうで意外と難しい。頭のいい奴は違うなあと正直に感心してしまった。
by neon98 | 2005-10-06 06:00 | よしなしごと
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