VTRとの違いは何か?
マンションのサーバーでTV録画、著作隣接権侵害を認定(nikkei.co.jp)との記事を読みました。ここで問題とされているのは被告による直接の著作権侵害行為ではなく、第三者の著作権侵害を招く、被告による機器の販売行為なわけです。
ソニーのベータマックスは米国で訴訟を経験して著作権法上はセーフだったわけですが、その根拠たるところは個々の利用者が実際にTV番組を視聴するためにTV番組を録画しており、それが私的利用に該当するという点が根拠となっていました。番組を観たいときに観るというタイムシフティングが主な利用目的であり、それは私的利用として正当なものだから、ビデオデッキの販売が違法とされるわけではないというわけです。ばくっといえば正当な利用目的が主要な目的を占める場合には、仮に機器の販売により著作権侵害の可能性が助長されたとしても機器の販売が違法ではないということになります(そうでなければ、今頃I-PODは存在していません。)。グロックスターの判決は、ソニー判決の枠組みを維持したうえで、被告側の意図が侵害行為を助長する場合の例外を認めたものと理解されています。

もちろんここでの判決は日本法の話なので米国の裁判例を持ってくることは直接的には関係ないのですが、必要なのは機器の有効な用途とのバランス論であって、機器の販売によって必然的に権利侵害が生じるのであれば、ビデオカメラも録画可能なDVDもパソコンもあらゆるものが対象になるといえるわけです。本件がどうであったのかは、判決を読んでみないとわかりません(大阪地裁のHPには未掲載でした。)が、考えてみると面白いかもしれません。
共用サーバーへの録画が著作権法で複製を認められた「私的使用」の範囲内かどうかも争点だったが、機器の設置者(マンション管理組合など)と使用者(住人)が異なることなどを理由に、「私的使用とはいえない」とした。
というところは、住民の私的使用であるビデオ機器とは明らかに異なる点なのでしょうが、これだけで十分かどうかでしょうね。 個々の利用者宛に録画機器を販売し、個々の利用者がレンタルサーバ上にデータを保管していったらどうなるか、レンタルサーバ業者が録画機器の販売とは無関係だったりしたらなかなか難しい限界事例かもしれません(実際はそんなことはないでしょうけど)。
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by neon98 | 2005-10-25 07:56 | LEGAL(General)
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