謝罪をされてもチャンスは二度とない
耐震強度偽装問題に関する14日の証人喚問を衆議院TVのWEBサイトで一応さらっと聞いてみた。とはいえ、自民党の渡辺議員の最初の10分でもういいやという気分になり、途中でやめた。自民の武部幹事長が謝罪(Asahi.com)しておられるけれど、覆水盆に帰らずである。40分の持ち時間で33分、自分が話すというのは尋問技術として論外であり、コメントの余地がない。

政治家である以上パフォーマンスの必要性までは否定はしないが、重要な事項を聞き出せないでいてら何のパフォーマンスにもならない。国会の証人喚問が法廷での証人尋問と全く同一であるとは言わないけれど、国政調査権を与えられた国会として行う調査の手段なわけで、意見を押し付け、国民に頑張っていると見せかける場面ではない。きちんとした質問をし、ほんの少しだけパフォーマンス的要素を混ぜれば自然に国民に頑張っているように見えるわけで、今回の質問者は国民にパフォーマンスすらできていない点が問題なのである。

Toshiさんのエントリで、パフォーマンスを批判されており、それ自体はもっともなご意見なのだが、私の印象としては素人目に見てもパフォーマンスにすらなっていないような質問であることが問題なような気がする。90%の事実調査と10%のパフォーマンスという割合なら、政治家の質問としてはいいんじゃないだろうか。いずれにせよ、本当に聞くに堪えないという意味では100%同意する。

具体的にいうと、(1)国政調査の場面で証人の反省を問うことは意味がない(刑事事件の弁護人からの質問ではない)、(2)質問者の意見を聞いてもしょうがない、(3)事実を聞いていない質問が多すぎる、(4)意味のない質問の前段(「ただいまの・・・発言は重大な発言だと思うのですが・・・・」)が多すぎて何が聞きたいのかわからない、などなど聞くに堪えない点は幾らでも列挙できる。聞いていると睡魔がおそってくる。

皮肉でも何でもなく、悪い尋問技術の実践としてロースクールや司法研修所でとりあげたらどうだろうか。まずは何が気になったかを考えさせ、自分ならどう聞くか尋問事項を考えさせる。いい実践教育になるに違いない。こんな感じの講評がかえってくるんだろう。
事実について聞きたいのか、事実に対する評価を聞きたいのか、区別せよ。
事実に対する評価を当該証人から聞くことに意味があるのか、考えよ。
質問の前提を明らかにするために多少の導入を入れることは許されるが、導入部分が単なる自分の意見の押し付けになっていないか、考えよ。
証人喚問の場面で相手を責めることに何の意味もない、刑事事件で反省の弁を引き出す場面とは違うということを自覚せよ。
時間は無限にあるわけではないことを自覚し、事実を中心とした質問の流れを組みたてよ。
何よりも尋問に割り当てられた時間の少なくとも5倍以上の時間をかけて準備せよ。
今度、裁判所で言ってみましょうか。前回の証人尋問少しミスったのでもう一度チャンスをくださいって。
[PR]
by neon98 | 2005-12-17 03:25 | よしなしごと
<< 強制的公開買付制度の導入?ー追記有 Competition amo... >>

法律Blogよりも奥深いよしなしごとを目指して
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
検索
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
お気に入りBlog
最新のトラックバック
法律の英訳
from 明日は明日のホラを吹く-To..
今さらなんですが・・・
from はらほろとまひれ ~ 米国ロ..
英会話と留学
from 英語がしゃべれるようになる学習法
シンドラー社:労働組合と..
from 今出川通信
エリート法学部生は官僚よ..
from wrong, rogue a..
中央青山
from 1万人のための投資業
今頃危惧しても・・・制度..
from 法務の国のろじゃあ
PwCが日本で監査法人を..
from 法務の国のろじゃあ
[USA]こんだけ旅した..
from BBRの雑記帳
中央青山に一部業務停止命..
from 法務の国のろじゃあ
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧