消費者団体訴訟制度のパブリックコメント
今日はもう一つエントリ。消費者契約法の一部を改正する法律案(仮称)の骨子
(「消費者団体訴訟制度」の導入について)に対する御意見募集
ということで、内閣府からパブリックコメントのお知らせ。大規模の消費者を対象とした消費者被害が多発していることを受け、適格消費者団体による訴訟提起制度を制定し、消費者保護法規の実効性を高めようとする試みである。大きな論点としては、(1)適格消費者団体の範囲、(2)団体に差止請求権のみを認めるのか、損害賠償も認めるのか、(3)消費者保護法規として消費者契約法違反にとどめるのか、それ以外の消費者保護法規も含めるのか、(4)重複訴訟などをどう防止していくのかなどである。

国民生活審議会の報告書(PDF)日本経団連の立場日弁連の立場(PDF)を比較してもらえれば論点がわかるようになっている。

恥ずかしいがこれまでの議論の過程をよく知らないので詳細なコメントは控える。一つだけコメントするとすれば、適切なインセンティブが与えられない制度はうまく機能しないということ。善意や奉仕、超人的な努力といった類のものに支えられているものがたくさんあることは自覚しているけれども、制度全体としてみたときにこういったものは特殊なものであり、個人を抽象化した制度論としてはうまくいかない。

差止め制度については既に被害を受けた個人が適切なインセンティブを有しないことから個人以外の誰かが行うことは適切なのだろうが、消費者団体というかたちが適切なのだろうか。政府は市場原理という理由により政府ではなく、第三者機関が責任を有するものとしているが、どういう市場原理を想定しているのだろうか。運営者、財源等により団体に与えられるインセンティブが異なってくるけれど、差止めのみを行う団体が持つインセンティブとして何があるのか、聞いてみたい。

損害賠償請求権を当事者とは別個の団体に強制的に付与となると制度設計としてはゆきすぎで、最低限被害者の意思選択が認められたうえで、誰がどのように訴訟遂行していくのかという問題になる。この団体に損害賠償請求を認めないことは一つの合理的な考えではあると思うが、零細な被害者が実効的に訴訟提起できる制度は整備されてもいいんじゃないだろうか。

一歩前進とも評価できるけど、政府の役割放棄?ともとれますが…。市場万能主義と言われるアメリカの連邦政府の方が消費者保護の動きは活発そうにみえます。
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by neon98 | 2005-12-17 06:17 | LEGAL(General)
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