英語ができるということ
しばらく法律関係のエントリが続いて少しうんざりしてきたので、ブログのメインテーマであるよしなしごとを少しばかり。こちらNew Yorkでは、皆気分はすっかりクリスマスでかなりの人は休暇をとり、出勤していてもディールはさすがに動いていないし、子供にあげるプレゼントを勤務時間中に買いにいく人やらで何だか仕事をする気分ではない(そもそもこんな日には仕事がない。)。受付のおばちゃんも暇そうで、通りかかる人とずっとおしゃべりをしている。僕はこの受付のおばちゃんと話すのがとても好きで、通りがかる度にくだらない話をしている。

とりとめのない話になるけど、この下らない話が実はとてもいい英語のレッスンになっている。ロースクールで講義を必死に聞いて教授の話すようなFormalな英語はさすがに聞こえるようになり、職場での案件に関する会話にはあまり困らなくなったのだが、日常会話になるとなかなかついていけない状況には変わりがない。d0042715_2311617.gif

一つの問題はやはり発音だと思う。英語といっても世界各国から色んな人が集まってきているのがアメリカであり、イタリア人の英語はイタリア語に聞こえるし、フランス人の英語はフランス語に聞こえるし、NYのAfrican Americanの英語はラップに聞こえてしまう。むろん僕の話す英語は日本語なのだろう。政治家や弁護士の英語はとてもきれいで、わかりやすいのだがそれだけに慣れていては日常会話についていけない。

二つめの問題はFormalなものとInformalなものとの違いであり、例えローの教授であってもスラングを連発するある教授の英語は僕だけじゃなく、留学生全員がほとんど理解できずにいた。講義とはEntertainmentだという感覚が多くの学生に受け入れられていて、はしゃぎすぎだと思うような授業もたくさんあったのだけど、毎年同じノートを使い、下を向いてぼそぼそと小さな声で話す人の講義よりは圧倒的に楽しい(時々やりすぎだと思う人はいて、NYBARを受験する方はBARBRIの講義でそれを実感されることになるだろうと思う。)。映画をみていてFahrenheit 911はニュースや政治家の演説をつなぎあわせたものだけに容易に理解できるけど、Sex and the Cityはなかなか理解できない。後者のようなリラックスして楽しむようなものを英語の勉強のためにヘッドホンをして夜中に一人で集中して見ているのは本当は馬鹿らしいのだが、私のような手合いはそういう羽目になってしまう。

d0042715_2361821.jpg三つめはジョークなど文化的背景を知らないと理解できないものである。こんなにペラペラにしゃべっている人でも理解できないの?と思う場面は当然ある。映画俳優、歌手、コメディアンなどの例えを出されても知らないものは知らないわけで、これを追いかけるというのは単なる留学生には不可能というほかない。あるMBAの知り合いはくだらないと思いながらも皆がみているTVのコメディは欠かさずチェックしていた。彼の努力には本当に頭が下がるけれど、正直そこまでしようとは思わない。ちなみに、Attitude T-shirtは面白いStatementが満載らしいが、私にはさっぱりわからないものがほとんどで、文脈もわからずに着用して殴られるのは嫌だから手を出すことができない。

四つめは誰かが隣で違うことを言い出すと脳みそがついていかない。音楽のかかっているバーでの会話は思いっきり近づかないと聞き取れない。四人くらいでTVの話題をしだすと、何もついていけずに、にっこり笑うだけの馬鹿な人になってしまう。楽しむべきDVDを見ていても、ヘッドフォンをつけて周囲の騒音を回避しないと話の筋がわからない。

どなたかのBlogだったか忘れてしまったが、「本当に英語ができる奴は、ローの予習は適当にこなし、授業中はメールを書いて、チャットで冗談を言い合いながら、手をあげて質問し、ノートはとっている」みたいなことを書いておられたが、本当にそのとおりである。私なんかは、予習を必死にこなし、ノートも事前にまとめておいて、一番前に座り込んで教授の目だけみて必死こいてついていこうとしてもノートはとれなかった。第一、タイピングが間に合わない。

でも、そんな人でも英語がわからないとぼやいていたのには本当にびっくりした。考えてみれば、すごく英語ができると私が思う人でもわからないことは永遠にある(日本語で考えると当然のことなのだが)わけで、英語ができるということはすごく相対的なものだなと思う。英語に限らず、言語なるものは国、人種、性別、年齢、文化、職業などあらゆる背景を含むわけだから、ちょっと勉強したからできるようになったなどと思わない方がいい。

逆にいえば皆それぞれの難点を抱えて会話が成立しているわけだから、控えめな日本人的にいうと「自分は英語ができない」と思うよりも「皆この程度のものなんだと思ってJapanese Englishを炸裂させておけばいいのだと思う。結局、習うより慣れろ、なんだなあと思って今日も暇そうな受付のおばちゃんと話しこんでしまった。日本人的にみるとClientに対してとても大雑把な対応をしているような気がするけど、アメリカ人的にはそうでもないんだろうなあ。大雑把だけどとてもいい人である。
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by neon98 | 2005-12-24 02:33 | よしなしごと
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