コーポレートガバナンスと人的資本
実はまた大量に本を購入しちゃいまして、帰国までに読みきらないとなんて考えているとBlog用に法律ネタを書いている時間がないんですよね。

今は小佐野広『コーポレートガバナンスと人的資本ー雇用関係からみた企業戦略』を読んでいるのですが、経済学者のわりには経済学っぽくない、もっといえば科学っぽくない本で、主張だけがわりと淡々と書いてあるという感じなので、穏当な主張にある程度納得しつつも斬新さを感じることなく読み進めています。

株式持合いの減少や敵対的買収の増加により従業員が人的資本を投下するインセンティブが乏しくなっていることを背景としつつ、従業員の定着を促すにはどうしたらいいのか、みたいな話を淡々と書いておられるのですが、法律家でも可能なレベルの分析にとどまっていて、「へえー!」というボタンを押す機会がありません。

あっさりと「定着的な労働システムがコーポレート・ガバナンス改革を妨げる可能性がある」という実証結果なんか紹介されているのですが、何をもって「ガバナンス改革」と主張されているのかがわからない以上、どういう主張なのかがわからないんですよね。これくらい多義的な言葉を使用されるのであればもう少し丁寧に実証結果を紹介されないと、意味がないような気がします。テーマとしてはとても重要なことを扱っておられるので理解をしたいのですが、この本だけを読めば概ね理解できるという程度の記述量がないのが残念なところです。

面白そうな議論があればご紹介しますが、やや期待外れの感が否めないのは、法律家として自らの考えをボコボコに打ち砕いてくれるような斬新なものを期待しているからなのでしょうか。値段と分量からして専門書ではないのでやむを得ないといえばやむを得ないのですが、ビジネスマンを対象とするほど実践的な理論ではないし、少し読者層を読み違えたような感じがしました。

まあ社外取締役の議論やらインセンティブとしての株式保有制度などは比較的丁寧に書いてありそうなので、もう少し読めば評価が変わると信じたいものです。
[PR]
by neon98 | 2006-03-01 01:08 | 読書・映画等
<< 子供が若いうちに留学させる? 久米島マラソン参加計画ーこの一... >>

法律Blogよりも奥深いよしなしごとを目指して
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
検索
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
お気に入りBlog
最新のトラックバック
法律の英訳
from 明日は明日のホラを吹く-To..
今さらなんですが・・・
from はらほろとまひれ ~ 米国ロ..
英会話と留学
from 英語がしゃべれるようになる学習法
シンドラー社:労働組合と..
from 今出川通信
エリート法学部生は官僚よ..
from wrong, rogue a..
中央青山
from 1万人のための投資業
今頃危惧しても・・・制度..
from 法務の国のろじゃあ
PwCが日本で監査法人を..
from 法務の国のろじゃあ
[USA]こんだけ旅した..
from BBRの雑記帳
中央青山に一部業務停止命..
from 法務の国のろじゃあ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧