阿川尚之「憲法で読むアメリカ史(上)」「憲法で読むアメリカ史(下)」を読み進める。
合衆国憲法は条約であるということの意味がより実感を伴って理解できるようになる。建国当時のフェデラリストに関する論争もむろんであるが、チェロキー族事件、黒人奴隷、いずれに関しても最高裁が連邦分裂を回避するという目的を達成するために政治的に行動してきた様子が描かれている。現在のアメリカでは見るべくもないが、当時の連邦政府の基盤が如何に脆弱なものであったかということであろう。国際法が法かという命題についての論争があったりしたが、国際法が法としてのEnforcementを持つためには「人類の共通の敵」が登場することが必要なのかもしれない。
Law SchoolによってはIntroduction的な講義を受講しないといけない場合があろう。古典に近い憲法判例を必死に読むのも悪くないが、古すぎる英語はNativeでもわからないといっていたので、日本語の本で手抜きをするのも悪くない。ロースクールではPracticalに講義を取り続けたのだけど、実際Too Practicalな細かい知識はもう忘れてしまっていることを考えるとCriminal Lawとかあまり使えなさそうな科目選択をしても面白かったような気がする。実際法学部で選択して面白かったのは使わない西洋法制史とか東欧法だったりする。もっとも、実際問題としては9ヶ月のプログラムでそんな「無駄」な選択をする勇気はないのだけど。