エレベーター事故:ブレーキ不良放置 保守業者(毎日)事故機は、ブレーキが利きにくくなっていたことが分かっていたが、ブレーキパッドにずれが生じ、モーター軸のドラム(円筒)を十分に締め付けられない状態だったことが、同課の検証で新たに判明した。さらに、ブレーキ部品に付いているナットの締め具合が甘いなどの問題も見つかった。
エス社は今年4月にエレベーターの保守点検を受注した。4月13日に初めて点検をした際、この社員は機械室にある巻き上げ機などを目視でチェックする作業にあたったが、「巻き上げ機のブレーキに付いているナットの位置がおかしいと思った。しかしシンドラーエレベータ社製の機械を扱ったことがなかったので、どうしていいか分からず、そのままにしていた」と話している。
こういう報道があるようで、事実とすれば保守業者の責任は逃れようがないように思いますが、それだけで片付けるにはまだ早すぎます。製造業者として適切な保守管理がなされるようにマニュアルなり製品使用方法の表示なりを適切にしていたのかという問題(表示上の瑕疵)と、一定の保守ミスがありうることを前提に製品設計をすべきではないのかという問題(製品欠陥)とがありえます。
東京都港区のエレベーター死亡事故で、シンドラーエレベータは14日、扉が開いたままかごが動いた同種の故障が事故機以外に国内の4基で6件あったことを明らかにした。いずれも96~97年ごろに設置され、事故機と同タイプの制御盤を使っており、同社は制御盤に問題がなかったか改めて調べている。警視庁もブレーキの故障とともに、制御盤の不具合が事故につながった可能性を含め、捜査している。(Asahi)
という報道もあるように、制御版の不具合の可能性もありますし、そもそも製品設計の際には一定の故障があったとしても人命に影響がないように二重三重の安全装置をつけるべきではないのかという気もします。可能性としては、ブレーキバッドが磨耗した程度で人身事故が起こること自体が欠陥だとされる場合もありえるでしょう。
素人考えですが、自動車だと動かなくする安全装置をとりつけることによって逆に危険になる場合があったり、設計が難しかったりするのに対し、エレベータだと動かなくすることにより追突される危険があるわけではないし、より原始的な装置で安全装置が設計できるように思うのですがこのあたりの専門家意見もきいてみたいところです。シンドラー社の製品欠陥がはっきりしたわけではありませんが、保守業者の責任と限定するにはまだ早いでしょう。