国際化と人種差別
私は、「国際化」という言葉の持つ浅はかさにどこか拒否感をいつも感じてしまう。日本でいう国際化という言葉の使われかたとして、英語を学ぼう、留学をしようといった、なにやら楽しげな響き(特に欧米のみを向いている)しか感じとれなかったからかもしれない。

米国に住んでいるとよく見かける光景だが、バスの運転手などの現場労働者、給与水準の低い職業はAfrican Americanなど伝統的に差別を受けてきた人種が大半を占めることは常々実感する。伝統的な差別は、所得水準の格差の拡大、公共教育の水準の低さとあいまって、次の世代に再生産されていく。Brown v. Board of Education判決以降、人種により学校を分けることは禁止されてきたが、実際には居住地域に一定の人種が固まってすむことにより、特定の学校に特定の人種が固まる傾向にあるようである。人種による居住制限を定める法律も同様に違憲とされたが、現在でも黒人(少なくとも英語の文脈では"Politically Collect"な表現ではないが、日本語の文脈でわかりやすく伝えるためにこうしてある。)が引越しをしてきた地域の周辺からは白人がでていき、地価が下がり、税収が減少し、教育水準が下がるということがあるということをアメリカ人から聞いた。

私は米国では所詮外国人であり、歴史的、政治的に正確な知識をもって、この問題を論じることはできない。また、人種差別はいけないと皆が頭では理解していることを簡単に口にするだけのことに特に意味を見出せない。日本で人種差別がすくないかというと決してそんなこともない。
国際化というのは、人種も、言葉も、生活習慣も全く異なる人間が隣人となり、摩擦の中で生活をしていくことではないのだろうか。最近でこそ国際化という言葉を耳にすることが少なくなったが、かつては言葉が違うことからくるミスコミュニケーションとか、生活習慣やルールの違いから来る摩擦だとか、負の面を無視したイメージを植えつける使い方をする人が少なくなかったように思う。治安の悪化とまで至らなかったとしても、小さなことからいえばゴミだしのルールを守らないとか、パーティーをして騒がしい(日本人同士でもよくありうる話だが)とか、日常生活の中でもありうる色々な不都合を具体的に想定した言葉とは思えなかったのだ。

差別は現に存在することを実感するとともに、それを克服しようとする力も強く働いているというのもまたアメリカの真実であるように思う。次回はAffirmative Actionの話をとりあげようと思う。
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by neon98 | 2005-05-07 13:55 | LEGAL(General)
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