2005年 07月 11日 ( 1 )

地図を燃やす
いつ頃からか、沢木耕太郎の本をあさるように読むようになった。旅の途中、知り合った人に勧められて「深夜特急」を読み始め、「一瞬の夏」「バーボンストリート」「壇」など20作品以上は読んだだろうか。

最近彼の作品の中の「地図を燃やす」という表現が特に気にかかってきた。
著者は20代の頃「30までは何でもできると思っている。ところが30すぎると自分に可能なことが地図のようにはっきり見えてくる」との小沢征爾の言葉に強い印象を受けた。30を過ぎた今、その言葉がある生々しさを伴って明確になっていく。脳裏に浮ぶ地図をどうしたら燃やし尽くせるのだろうか。異国と自身を語る(Amazon.co.jpより)。路上の視野〈3〉地図を燃やす
当時読んだときになるほどと思ったことが実はそのときは理解できていなかった。昔は本当に何でもできると思っていた。馬鹿だったといえばそうだけど、そう思わなければいけない何かの力が湧いてくるような感じだった。僕は当時からこれを「根拠のない自信」と呼んでいた。その頃は年をとれば限界がみえてくるんだろうなあということを漠然と考えていたにすぎない。

自分の能力・性格・趣向あらゆるものはさほど変わらないと気づいてきたのは本当に30歳を目前にした頃だった。「己を知る」ということでもあり、端的に自分の限界を知るということでもある。

正直このこと自体はさほど悪いことだとは思わなくなってきた。自分の限られた能力、時間を知り、できること、できないことを知り、またやりたいこと、やりたくないことを知ることを人生設計において必要なことだからだ。でも、「地図を燃やさないでいい」と言い切るには躊躇がある。己を知ることで自己満足に陥りはしないか、努力を怠るようにならないかとの懸念があるからだ。

最近はこう思う。僕は己を知りつつも、地図を燃やさないといけないのだ。地図はみえてくるものじゃない、自分で書いていくものだ。青臭いですか?でも、男はそれでいいんです。男は馬鹿だからいいんです。自分に酔えなくなったとき、それは人生が終わるとき。
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by neon98 | 2005-07-11 03:54 | よしなしごと

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