2005年 10月 07日 ( 1 )

決定版 ハーバード流“NO”と言わせない交渉術
僕はビジネスのハウツー本をほとんど読まない。馬鹿な上司の扱い方とか、若い部下の扱い方とか、成功する方法とか、キャッチーなタイトルだけで馬鹿馬鹿しくなって手に取る気もしない。日本に居たときからこの本の存在は知っていたが、「ハーバード流ってつければ何でも売れると思っているのか」くらいにしか思っていなかった。

決定版 ハーバード流“NO”と言わせない交渉術をふと手にとってみた。読み始めると意外と面白く、一気に読みきってしまった。訳者がビジネスのハウツー本と一緒にしないでほしいと言うとおり、十分内容のある本だと思う。

職業柄、交渉ごとは日常的に行うし、交渉のスタイルは色んな人から吸収してきたつもりだ。書面でするのか、電話でするのか、直接会うのか、相手のカルチャーはどうか、最初にどういう言い方をするか、相手の怒り具合はどうか、それぞれのニーズは何か、などと考えて行動する癖は当然ついている。他人の交渉スタイルのうち、いいものは吸収しようと努力してきたつもりだ。

ある時、ある尊敬する人に言われたことは、「やりすぎるな。完全勝利は必ずしも交渉ごとにおいて成功ではない。相手の社内での立場も考え、自尊心も考えて行動しろ。人間は感情の生き物だからメンツも立ててあげなきゃ物事は前に進まない。」ということ。もちろん、クライアントの最大の利益のために交渉をするのが仕事なのでタフに交渉はしないといけないが、物事を前に進めるための工夫をしろ、ということをよく言われた。弁護士の仕事として、交渉ごとを有利に押し切ることも大切だけど、交渉がデットロックに陥ったときにお互いのニーズを考えて、前に進むための代替案を考えてあげることはもっと大切だと思う。

自分が交渉力のある立場にいればあらゆることはやりたい放題で代理人としても気持ちがいいものだが、反対側にたって言いたい放題言われるのは実に悔しいものだ。言うことをほとんどのまざるをえない力関係で仕事をしないといけない場合も実に多い。この本は交渉力のない側にたった場合に、交渉を決裂させずに前に進めるのかというノウハウを整理している。特に交渉ごとを職業にしない人であっても、上司・部下・家族との人間関係をいかにスムーズに進めるのかという意味でも有益な本だと思う。
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by neon98 | 2005-10-07 03:21 | 読書・映画等

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