2005年 12月 06日 ( 3 )

Blogにサブタイトル追加
LLM留学日誌と題しながら、LLMネタがあまりない現状を踏まえ、サブタイトルを追加。LLM中はとてもBlogなど書いている余裕も見ている余裕もなかったので、LLM関係のネタは回想記になってしまっている。日誌とするのもどうかと思ったけど、もう慣れてきたので変更するのにも抵抗を覚え、こんな感じでお茶を濁す。

新日本無線の取締役会意見がミスリーディングだと批判しつつ、一番ミスリーディングなのはお前のBlogのタイトルやろと言われると反論の余地がない。。。2年目NYと追加することである程度理解してもらえるやろか。。。
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by neon98 | 2005-12-06 14:41 | よしなしごと

最近見た映画など
このお気楽2年目研修生活をどう過ごすか。借金をしてでも旅行をし、遊べという人。せっかくだから実務に役立つ勉強をし、論文を書けという人。英語のスキルをとにかく磨けという人。二度とない家族とゆっくり過ごす機会だからゆっくりしろという人。無駄な時間だから早く日本へ帰国して実務をしろという人。色んな意見があり、どれももっともだけど、僕は少し違う過ごし方をしようと思っている。実務に役に立とうが立つまいがそんなことは関係なく、自分の人生の足腰強化プログラムを実行すること。あまり短期的な視点では正当化できないことも、人生を豊かにするのであればそれでいいのではないか。そう考え、法思想史、アメリカ選挙制度、マクロ・ミクロ経済学、歴史小説、料理本、映画評論などありとあらゆる本を貪るように読んでいっている。論文をのぞき、いずれも日本語である。予算の都合上、ほとんどが古本屋での入手であるのが難点。仕事をはじめてからほとんど見られなかった映画もDVDを借りて見るようになった。

昨日見たのは、Hotel Rwanda。これは英語で見た。アマゾンで検索したが、日本語でのDVDはまだ見当たらないようだ。説明は割愛するが、日本語が出てからでいいのでまだ見られていない方は是非見て欲しい。久しぶりに涙がとまらなかった。レビューで全員が5つ星をつけている映画もさほど多くないだろう。

先週末見たのが、ハッシュ!。邦画なので当然日本語でみた。ゲイの男性2人と子供がほしい女性1人の生活を描く。沢木耕太郎による評価を引用する。
男二人に女ひとり。多くの映画で採用されたこの関係は、一方の男と女の間に恋愛感情が生まれることで崩壊する。だが、『ハッシュ!』の三人には、男女間に性的な緊張が走ることはないという前提によって、稀に見る優しい関係が築かれている。あるいは、見ているうちに、この三人の緩やかな共同体が、不思議な理想郷のように思えてきて、人は驚くかもしれない。
『シネマと書店とスタジアム』沢木耕太郎(新潮文庫)より。この本も、紹介されている映画がマニアックすぎず、はずれが少ないという意味でお薦めしたい。
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by neon98 | 2005-12-06 14:27 | 読書・映画等

公開買付のIR戦略ーどう考えよう?
先週末に公開買付のIR戦略ーケーススタディというエントリをしました。回答なんてものは存在しないわけですが、問題意識めいたものを少し書いておこうと思います。

1. そもそも新日本無線取締役会は意見表明をする必要があるのか?

取締役はその株主に対して忠実義務・善管注意義務を負い、取締役が有している情報と株主の有している情報の非対称性の問題を考慮すると取締役会の意見というものは株主が賛否を決するにあたって気になるところではあるのは間違いありません。しかし、そもそも取締役会が意見を表明する義務を負うのでしょうか。

現行法上の答えはNOです。現行制度上、対象者による意見表明は任意に行われており、対象者が意見表明を行った場合に限り、意思表明報告書の提出が要求されているにすぎません。金融審議会金融分科会第一部会公開買付制度等ワーキング・グループで現在意見表明の義務化が検討されていますが、その場合であっても意見留保の余地は認められるべきとの議論がなされているようです(論点整理・PDF)。余談ですが、意見を判断するにあたって判断材料・時間が限定されており判断しきれない場合や、微妙なケースにおいてまで必ず取締役会が賛否を判断しなければならないとするのはあまりにも酷で、義務化をするにしても留保の余地は必要不可欠と思われます。

2. 本件での意見表明の是非

個人株主は自ら公開買付の是非を判断する材料を有しないのに対し、大株主は役員派遣または議決権行使にあたっての情報提供を通じてより対象会社の情報を把握しているのが通常でしょうから、一般論としては個人株主が多い会社の方が取締役会の意見に左右される可能性が大きいように思われます(感覚的な議論にすぎません。)。今回のケースはというと、日本無線の意向のみによって、TOBの成立は決定してしまいますから、新日本無線の取締役会による意見表明は効果としては乏しいように思います。取引の成立という観点からいえば、日本無線がTOBに応募する以上は新日本無線の取締役会の意見など全く関係がないわけです。意見表明をすることは取締役らにリスクが伴いますから、必要のない意見表明などすべきではないというプラクティカルな法的助言も十分説得力を有するところだと思います。

3. なぜ新日本無線の取締役会は意見表明したのか

とはいえ、企業買収の第一線におられる先生方が考えたスキームですから、何か合理的な理由があるはずです。これを少し想像してみることにします。

(1) 少数株主に対する忠実義務・善管注意義務を果たすため?

本件の実質は既にみたように相対取引であり、売りたい日本無線と買いたい日清紡との間の株式譲渡契約が強制公開買付制度により公開買付の方法によることを余儀なくされたというのが一般的な見方だと思います。なるべく多くの株式を売却したい日本無線からすれば、他の株主はできる限り応募しないでほしいという希望を持つのがもっともだと思います。日清紡によるTOBは過去のマイナスプレミアムのTOBとは異なり、少なくとも公表時点の株価を上回る価格で提案がなされていますから、取締役会として「日本無線を含む全ての株主にとって本件TOBが満足のいく取引である」と判断したとしても不思議ではありません。取締役会として合理的にいい取引であると判断した場合、全ての株主に対して意見を公表することが一番良い方法であることは間違いなく、意見留保よりも望ましいとはいえそうです。

(2) 日本無線による応募を正当化するため?

新日本無線の株価を一番良く算定しうる新日本無線の取締役会がTOB価格に賛成したという事実は当該価格で株式を売却する日本無線の判断の合理性を担保する一材料になるはずです。

ただ、上記2点のメリットは法的リスクとの兼ね合いで検討すべきものであることは言うまでもありません。

4. MACによる対抗的TOBの後の意見表明

MACによる対抗的TOBがなされた後の新日本無線による意見表明は色々と突っ込みどころがありそうです。

(1) タイミングの問題

MACに情報収集を怠ったまま、反対意見を表明したと批判されているように新日本無線による取締役会はせめてMACからの回答書の到着を待ったうえで意見表明すべきではなかったという問題がまずあると思います。少なくともMACの方が高く、購入株式数の多い提案を出してきているわけですから、迅速な対応がよかったのかどうか。11月21日にMACがTOBを公表し、新日本無線取締役会が意見を公表したのが11月24日ですし、十分な判断材料があったといえるのかどうかは問題にされてもやむを得ないでしょう。

日清紡による(延長前)TOB期間が11月29日であり、早く意見表明をしてほしいと要請があったのかもしれませんが、そもそも意見表明をする義務がなく、意見表明によっては結果が左右されない(結果を左右するのは日本無線の決断のみ)時点での判断として妥当だったのかどうか、考えてみる必要がありそうです。

(2) 日清紡TOBへの賛成・MACTOBへの反対意見の意味するもの(ミスリーディングではないか?)

日清紡TOBの提示価格は840円、MACTOBは900円(いずれも意見表明時)で、MAC提案の方が購入株式総数が多いという事実にもかかわらず、日清紡TOBを支持するということは何を示唆するのでしょうか。

新日本無線取締役会の意見は、(1)MAC提案における上場廃止のリスク、(2)MACは短期的な投資家であり、経営の不安定要因になる、(3)日清紡TOBのメリットを考慮し、「当社の長期的・継続的な企業価値・株主共同の利益確保・向上に資する」ことをその理由にあげています。これは株主に日清紡TOBに応募することを勧めているのでしょうか。私はそのようには読めませんでした。

言うまでもなく長期的・継続的な企業価値を享受するのは売却に応じなかった株主です。TOBに応じようとする株主にとって重要なのは株価のみであり、その後の長期的利益や上場廃止など関係がありません。日本無線が商取引やビジネス戦略上の付き合いを通じて日清紡TOBに応じる選択肢をとることは合理性があるかもしれません。しかし、そのような付き合いがないその他の株主にとってより安いTOBに応じるよう勧告することは適切ではないはずです。従って、新日本無線取締役会としては、日本無線が日清紡に保有株式を売却し、その他の株主はTOBに応じないという取引を支持しているとみるのが適切ではないかと思います。日本無線は短期的利益を犠牲にできる状況にある(と主張する余地がある)のに対し、多くの少数株主はそうではないでしょうから、このように考えざるを得ないように思います。

当事者間が相対取引を想定しているとしても、法形式上は公開買付であり、公開買付に対する賛否表明である以上は、全ての株主がこれに応募するかどうかを決する判断材料であるべきでしょう。例えば、日清紡との合併議案を提案していた新日本無線がMACから対抗的TOBをかけられた事例を想定してみましょう。この場合は、新日本無線取締役会は単純にMACによる対抗的TOBに反対意見を表明し、合併議案を推薦すれば足ります。しかし、長期的価値と短期的価値とが交錯する本件で、単純に日清紡TOBを支持したことは少なくともミスリーディングであると言われてもやむを得ないように思います。新日本無線取締役会としては、日清紡TOBに対する賛成意見を撤回し、双方のTOBに意見留保するというやり方(もしくはもっと率直に日本無線以外の株主はいずれのTOBにも応じずに長期的利益を維持することを望むとか。)が望ましかったような気がします。

議論のあるところだと思いますが、長期的に見た企業価値の問題と、それが誰に帰属することになるのか、その両者を考えて意見表明をすべきといえるのではないか、こういう問題提起としてとらえていただきたいと思います。強制的公開買付制度自体に改善の必要はあると思うんですけどね。コントロールプレミアムを有している大株主が株式譲渡する場合に、そのプレミアムを全体に希釈化させる必要性は乏しいと思うんですけど。
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by neon98 | 2005-12-06 07:33 | M&A

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