カテゴリ:M&A( 25 )

News Co事件は和解へ
47thさんが以前書いておられたライツ・プランの廃止に関する株主との合意の効力?というエントリ絡みですが、この件は和解してしまったようです(News Co. Settels Suit Over Poison Pill (Dealbook NY Times))。

ライツ・プランの期限延長をする際には株主による投票を経るという合意の効力が争われた案件として注目を集めたのですが、結果としてはNews Co側がおり、株主投票を認めるというかたちになったようです。事案すら正確には掴んでいないので、コメントは控えますが、とりあえず速報ベースで。
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by neon98 | 2006-04-07 05:45 | M&A

Financing Structure in Vodafone:推測含む
ソフトバンクによるボーダフォンJP買収報道では、買収総額1.7兆円に対してソフトバンク出資はたったの2,000億円とされていたので、幾らなんでもレバレッジがききすぎていると思っていたのですが、ちゃんとクッションが入ってました。
方法: ソフトバンク全額出資子会社によりボーダフォン発行済普通株式の約97.7%を取得
株式価値: 約1.75兆円の予定
資金調達(予定): ソフトバンク出資 2,000億円
ヤフー株式会社出資 1,200億円
LBOによるノンリコースローン 1.1兆円~1.2兆円

ボーダフォンインターナショナルホールディングスB.V.は、ソフトバンク全額出資子会社に対し、3,000億円相当の優先株式 新株予約権(発行価額は無償)、1,000億円相当の劣後債の投資を行う予定であり、当該投資総額4,000億円は上記買収の支払いに充当される見込みです。Pressリリース
R30::マーケティング社会時評さんのソフトバンク孫正義社長 会見質疑応答ソフトバンク孫正義社長 会見速記録(注:ご本人による注意事項もご覧のうえご利用ください)もあわせて拝見すると劣後債部分はVF英からVFJへの既存融資を劣後債にスライドし、3000億円の優先株式相当部分とあわせて買収代金に充当ということのようだ。価格調整条項代わりに劣後債と優先株式(の新株予約権?)が利用されたということか(推測)。1.7兆円を額面どおりに受け取る必要はないと思われるが、それでもビッグディールにほかならない。ブリッジローン後のパーマネントローンはシンジケーション、流動化とリース等により調達される予定のようだ。
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by neon98 | 2006-03-18 05:19 | M&A

Poison Pillの実証研究
(03/03/06に書きぶりを調整し、引用を整理しました。)

NYlawyerさんがInteractiveで素敵な日々という面白いエントリを書いていて、John C. Coates, Takeover Defenses in the Shadow of the Pill: A Critique of the Scientific Evidence, 79 Tex. L. Rev. 271という論文をちょうど読み返していたところだったので、関連エントリをする。YermackというB-school教授の主張としてNYlawyerさんが引用しておられる箇所が
そもそもライツ・プラン(Shareholder's Rights Plan)という名前はミスリーディングである、(ピルがあればプレミアムが上昇することを示すデータは認めつつも)そのようなデータは防衛策が存在することで買収が実施されなかったという機会喪失を見逃している
というもの。前から同様の疑問をおぼえていたので、なるほどと思った。

ポイズンピルの実証研究についてよくとりあげられるのが(1)Poison Pill発行時のイベントスタディと(2)Poison Pillによる買収プレミアムスタディである。Yermackの主張はプレミアムスタディに関係する。

1. Poison Pill発行のイベントスタディ

Poison Pillが発行されたのちの株価変動については有意のデータは見られていない。買収防衛策はエージェンシーコストを高め、それを嫌う投資家による売り圧力になりうるとする仮説については実証結果からは示されていない。買収防衛策を導入した場合に、経営陣が敵対的買収にあう可能性の高い企業であるという認識を持っていると投資家が認識し、逆に株価が上昇するという仮説についても実証結果からは示されていない。イベントスタディからは何も読み取ることができない。Shadow Pillという理論付けをする彼の立場からは有意のイベントスタディは得られないはずなのだろう。

2. 買収防衛策の株主防衛策

防衛策がとられていた場合の買収の方がプレミアムが高かったという実証結果は、ポイズンピル推進派からよく利用される。John Coatesはいかなる企業でも取締役会限りですぐにPoison Pillを発行しうる(Shadow Pill)のだから、買収者も株式市場もShadow Pillの存在を織り込んでいると主張し、プレミアムスタディは相関関係は示しても因果関係を示さないとしている。

ロースクール時代に読んで思ったのが、プレミアムスタディがどこまでの事例を拾っているのだろうかという疑問である。私はプレミアムスタディの原文にあたっていないので批判があたっているのかどうかはわからない。

まず、防衛策が採用されている企業に対しての買収防衛開始をあきらめた場合は当然ながらプレミアムスタディに登場しない。世間に認識されないのだから当然である。この場合の機会損失をどう考えるのか。

それから、買収がかけられ、プレミアムが提示されたとして、高いプレミアムによる買収が実現されなかった場合をどうプレミアムスタディがとらえているのだろうか。防衛策をとることにより高いハードルがあるのであるから、高いプレミアムが存在することはむしろ当然であり、高いプレミアムが実現する確率というものを適切にプレミアムスタディに取り込むことができなければ、なんともいえないのではないかという疑問をおぼえている。

稀にしか買収が成功しない防衛策を経ているとしたら成功した(または提案された)買収のプレミアムが高いのは当然であり、失敗した(または提案すらされなかった)買収により株主が得ていたであろう利益はどこにいったのかという問題は残る。

イベントスタディとプレミアムスタディとの両方をもってしても防衛策がとられるべきだとも、とるべきではないともいえないのではないか。こういう実証的アプローチなり、仮説提示なりで政策論争がなされているあたりがアメリカの論文の面白いところだ。
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by neon98 | 2006-03-03 14:36 | M&A

TOB失敗後の市場での買い増し(追記有)
Nikkei Net
ディスカウントストア大手のドン・キホーテは15日、持ち帰り弁当チェーン、オリジン東秀の株式を46.21%まで買い増したと発表した。オリジンに対する敵対的TOB(株式公開買い付け)が失敗に終わった9日以降、市場で15%強の株式を取得した。オリジン東秀は「公開買い付け規制の趣旨に反している」と主張しており、TOBの情報開示のあり方をめぐる議論にも影響を与えそうだ。
イオンによるTOB実施、ドンキによるTOB失敗により、すっかりドンキはイオンのTOBに応じて終了するかのように考えていたのですが、そうは甘くないようですね。ドンキは市場買付で51%超まで買うと宣言しており、イオンによるTOBの成否が怪しくなってきました。9日以降の値動きからするとドンキはイオンの提示価格である3,100円をわずかながら上回る金額で購入していたのではないかと思われ、利鞘狙いでの買い増しとは考えにくいです(証取法164条の短期売買差益の問題はスキームによっては逃れられるので可能性はゼロではないのですが)。

公開買付期間中は証取法27条の5で別途買付けが原則として禁止されているのですが、終了後には規制がありませんので、この点は問題ないのですが、オリジン東秀は質問書(PDF)をドンキに対して送付し、証券取引法違反の疑いを指摘しています。オリジンが問題にしているのは、(1)市場買付と市場外買付との一連の取引により3分の1を超える取得を行う場合は現行法のもとでも公開買付規制に服するのではないか、(2)第三者が公開買付を実施している期間中にその他の者が対抗的に株券を買付ける場合には公開買付を義務付ける方向で公開買付制度WG報告がなされており、株主に対して十分な情報提供および平等な売却機会を提供していない不適切かつ不平等な行為であるという点です。

(2)に関しては「不適切」とはいえるかもしれませんが「違法」と評価することは難しいと思います。(1)に関しては、ずっと昔から34%を保有している支配株主が市場で株式を買いますことまで公開買付規制に服するとは思えない(WG報告書でも市場内取引は公開買付規制の対象外とする立場が維持されています。)ので、仮にオリジンの解釈が正しいとした場合でも今回の市場内取引と一体と主張される過去の株式取得行為がいつの時点のどのような取引だったのかを調べてみる必要がありそうです。すなわち、WG報告書は
例えば一定の期間に行われる一連の取引について取引所市場外での取引と、それと同時に又は引き続いて行われる取引所内での取引あるいは第三者割当等とを合計すると株券等所有割合が3分の1を超えるような場合に、公開買付規制の対象となることが明確なものとなるよう、所要の手当てを講じることが適当
としており、たしかに現行法のもとでも一連の取引という法律構成をとる余地を認めているのですが、何をもって「一定の期間に行われる一連の取引」とするのか不明確であるのも事実であり、事実関係によっては評価が相当困難なところだと思われます。

(追記)
辰のお年ごさんに教えていただきましたが、ドンキの法律顧問であるあさひ・狛法律事務所から本件市場買付けは違法でもなく、不適切でもないという意見が出されています(PDF)。公開買付開始前の平成18年1月13日に市場外の相対取引により株式を取得したが、この時点で公開買付を実施する意図があったのは明白であり、その当時に公開買付の失敗後の市場取引まで予想できたわけではないから、前の市場外の相対取引と今回の市場取引は一連の取引ではないという意見です。
(追記終)

また、ドンキが公開買付失敗後に
市場の混乱をさけるため、公開買付価格の引き上げや期間の延長を行いませんでした。また、今後オリジン東秀株式に対する公開買付けを再度実施することも考えておりません。
と公表している点も個人的には相当気になります。たしかに公開買付けを再度実施してはいないわけですが、これを読むとドンキは撤退したと感じるのが通常の感覚であって、市場買付けをするのであればわざわざ「やりません」なんて宣言する必要はないんじゃないでしょうか。発行者である会社以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第6号様式の公開買付報告書の記載事項でもありませんし、公表する必要がないのに誤解を受ける表現で開示することはやはり問題(違法かどうかはともなくとして)といわざるをえないように思います。

いずれにせよ、公開買付制度の改正に影響を及ぼすことは間違いなさそうですね。
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by neon98 | 2006-02-16 02:43 | M&A

住友信託v. UFJは請求棄却ですか・・・
読売ニュースより。
判決は、「旧UFJ側が住友信託側と誠実に交渉する義務や独占的に交渉する義務に違反した」と認定しながらも、「最終契約の成立が確実だったとは言えない」とし、統合実現で得られたはずの利益を賠償する義務はないと指摘した。
オーソドックスに考えると、最終的に経営統合が履行される約束は存在しなかったのであるから履行利益を賠償する義務はないという考えはまあ予想はできたところではありますが、信頼利益がどう主張・立証されていたのかを読んでみないとわかりませんね。さすがに請求棄却判決を受け、以前金額的に折り合わなかった和解交渉がここで決着がつくとは考えにくいので、舞台は高裁へ進むことになりそうです。

今までわりとルーズに独占交渉権設定なども行われてきたわけですが、独占交渉権を前提にデューディリジェンスや交渉の費用と手間をかけていく当事者としてはBreak UP Feeというものを本当に考えていかない状況にはあるわけで、また取締役の善管注意義務のあり方として自由な相手選択をどこまで制約することが許されるのかDeal Protectionなども日本法のもとで研究されていかないといけないのでしょう(もう、とっくに対応されている皆さんもいらっしゃるとは思いますが。)。備忘代わりに速報めいたエントリでした。
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by neon98 | 2006-02-14 01:08 | M&A

小糸製作所の「幸運」
後藤光男『「小糸」・「ブーン・ピケンズ」事件―国境を超えた企業防衛』をブックオフで発見。小糸製作所事件の貴重な記録であり、早速読んでみる。

防衛成功には、関係者と優秀な専門家の努力と、ブーン・ピケンズ氏に対しても誠意をもって対応したことで世論が味方についたということが理由としてあげられると思うが、それ以外に幾つかの幸運があったように思う。
(1)ブーン・ピケンズ氏が著名なグリーンメイラーであり、米国の判決でもその旨認定されていること
(2)彼の悪評価により日米の政治問題に発展しなかったこと
(3)内部者取引の利益返還により軍資金が飛び込んできたこと
(4)日米の経済情勢により貿易問題として扱われずにすんだこと
などは幸運な事情としてあげられると思う。買収防衛で弁護士の仕事なんてほんの一部なんだな(むろん重要な一部なのだが)と思えるほど、法廷外闘争が繰り広げられており、それが面白い。別冊商事法務289号『企業買収をめぐる諸相とニッポン放送事件鑑定意見』も事件記録が掲載されており、非常に有益なのだが、この本も有益な記録を残してくださっている。
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by neon98 | 2006-01-27 08:10 | M&A

「平時」「有事」の区別は絶対か?
ライブドア事件を追いかけるのは少し疲れてきたので、今日は買収防衛策の不思議に迫ってみようと思います。
企業価値研究会の報告は「平時導入型」を前提にして作成されていますが、そもそもなぜ「平時」と「有事」の区別が必要なのでしょう?
こういうことを言い出すと勉強不足でアホな弁護士だとか、なんでもかんでも反論するのが好きな奴とか思われちゃうかもしれませんけど、私にはこれが世間で言われるほど絶対的な区別だとは思えないのです。

平時導入型が推奨されている理由としては、(1)株主に対する事前開示がなされるため、合理性が担保されやすい、(2)買収をする者に不測の損害を与えるおそれがない、などの理由があげられると思うのですが、だからといって有事導入型が駄目だという理屈は難しいように思うのです。

株主総会の議決を経て導入した買収防衛策は議論の対象から除くとすると、事前開示はあくまでも開示にすぎないのであって取締役会のみの判断でポイズンピルを発行したという事実は変わりがないわけです。購入前に開示がなされていた株主との関係では合理性が担保できたとしても、購入後に防衛策が導入された場合「平時」「有事」の区別は相対的なものにすぎません。

いきなり買収防衛策が導入されると買収予定者に不測の損害を与えるというのはそのとおりですが、取締役会の決議のみで発行できる買収防衛策があることは予測可能です(参考:John C. Coates, Takeover Defenses in the Shadow of the Pill: A Critique of the Scientific Evidence, 79 Tex. L. Rev. 271)。従来から、第三者割当増資により敵対的買収防衛が有事になされてきたところであり、ベルシステム24事件(一応「有事」と評価できると思います)などの判断が覆されているわけではないはずです。また、TOB法制が予定通り改正され、撤回条件が柔軟になればなおさらでしょう。

むろん、何かが発生してから防衛策を検討していて間に合わなければどうにもならないわけですから、買収防衛を導入する企業側にとって平時の方が望ましいのは言うまでもないのですが、なにをもって「買収開始」というのかは微妙な点もあり、「有事」と解釈されかねない場面でも防衛策導入を検討する余地はあるのではないでしょうか。

例えば30%超をとられてしまえば買収防衛といってもある意味「買収完了」といえなくもないのですが、突然10%超とられているようなケースでは(1)有事ではない(従前からの検討の結果である)、(2)有事だとしても問題がないという二段構えで勝負していくことも十分可能なのではないかと思うわけでした。個人的には、むしろ「有事」「平時」の区分よりもどうやって防衛策を解消できるのか、このあたりの手当ての方を重視したいところです。
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by neon98 | 2006-01-26 05:49 | M&A

ドンキホーテによるオリジン東秀に対するTOB
ドンキホーテによるオリジン東秀に対する「敵対的」TOB(Nikkei)が開始されたとのこと。
ディスカウントストア大手のドン・キホーテは15日、持ち帰り弁当・総菜店を展開するオリジン東秀にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。現在、ドン・キのグループ全体で30.92%ある出資比率を51.2%に引き上げ、子会社化を目指す。取得額は約100億円。取締役も派遣しオリジン側への経営関与を強め、小型店の共同開発・出店スピードを速める。
取締役会の賛同を経ておらず、これから検討がなされるとのこと。とりあえず速報ベースで備忘用にUPしておきます。
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by neon98 | 2006-01-16 13:08 | M&A

ロンドン証取に敵対的TOB
ロンドン証取に敵対的TOB(Nikkei)という注目ニュースが入ったのでもうひとつエントリをしておきます。従前から話題にはなっていたのですが、遂に買主サイドのマッコーリー銀行が公開買付に踏み切ったようです。イギリスでは、シティコード(法的な強制力はないが、事実上の拘束力がある)で取締役に中立義務が課せられているため、買収防衛策はとることができません。ロンドン証取の取締役会は既に提案を受け入れないことを公表しているところです。

証券取引所の公的機能と、敵対的TOBによるガバナンス効果というものをどうつりあわせるのかという点が問題になります。例えば、証取の主要株主の投資先を優遇して上場させるとかConflictの問題が生じる可能性についてどう考えるのか、国家政策としてある国の主要取引所を外国資本に委ねることをどう考えるのか、などと考えるべきことがあるように思います。

日本の問題として考えるとどうでしょうか。投資サービス法報告(案)29頁以下で取引所の上場について以下のように述べられています。
取引所について世界的な再編が進む中で、取引所株式が上場される場合(とりわけ自市場への上場の場合)に、特定・少数の株主に支配され、取引所の自主規制機能と特定の株主との利益相反の問題が生ずるおそれがあることや、より営利性を意識した運営が行われる可能性についての関心が高まっている。こうした状況を踏まえ、上場された取引所については前述の制度的枠組みに沿って自主規制機能を担う組織の独立性を高めるよう求めるとともに、最近の会社法制改正により株式会社の機関設計の柔軟化が図られていることなどを踏まえ、主要株主規制などの現行制度を点検し、必要に応じ適切な対応を講ずることが適当と考えられる。
まだまだどういう方向に進むのかはわかりませんが立法の方向性として主要株主規制というものが検討されることが示唆されています。指摘の問題に対する対応として、(1)主要株主規制を法令上おいてしまう(証券取引所株式の取得制限など)、(2)主要株主規制をおくことはせず、現行の監督権限で対応するという2つの方向性があると思われますが、感覚的には(2)の方向性がスマートなやり方なように思います。法令として主要株主規制をおかずとも証券取引所自体が防衛策を配置できるわけですから、自主性に委ねるのが基本ではないでしょうか。
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by neon98 | 2006-01-12 03:57 | M&A

水戸黄門 and Pills
最近時々Business Law Prof Blogというのをチェックしていて、今日面白いなと思うエントリがあったのでご紹介を。

Hedge Funds and Poison Pillsというエントリでなされているのは、Wall Street Journalコラムへの批判ないし指摘です。コラム自体は読んでいないのでBlogで紹介されているエッセンスを引用します。
Hedge funds buy 9.9% each so as to not trigger a firm's poison pill plan and then work together (in "wolf packs") to influence target firm behavior.
この文脈から推測するに、そもそものコラムの内容は複数のヘッジファンドがPoison Pillを発動させない程度の株式(9.9%)を保有しようとして偶然株式を買い進めていったらどうしましょう、彼らが対象会社に対する支配権を有するんじゃないだろうかということでしょうか(別にヘッジファンドに他意はありませんが、記事がヘッジファンドなのでそのままいきます。)。個人的には、磯崎さんと47thさんの3匹のドムの方が愛嬌があって好きなのですが、ここではWolf Packsとか名づけられています。

複数のWolvesがそれぞれ投資目的で割安の企業の株式を購入することは十分ありうると思うのですが、Blog著者は大量保有報告書がお互いを発見させる役割を果たすことをまず指摘しています。
「おお、助さん、なんだ、またあんたかい。」
「蛇の道は蛇よのう。角さん、匂うんだよ、この株は。」
「助さん、おれっちの儲けを邪魔しないでくれよな。頼むぜ。」
というわけです(どういうわけだ?)。

このような場合、対象会社はどのように行動するのでしょうか。公開買付で正々堂々と攻めて来たら「この城はお前らみたいな外道には渡せねえ。」とかいって戦いやすいんですが、助さんと角さんが協力関係にあるかどうかは明らかにはわかりません。むろんそれぞれのヘッジファンドはトリガーを超えてはきません。対象会社として「おい、こいつらグルだぜ。」と言ってしまえば、Poison Pillを発動することはできるわけですが、果たして発動するだけの動機があるのでしょうか。仮に対象会社がPillを発動したとしたとしても得をするのは助さん、角さん以外の株主であって、対象会社に経済的利得はありません。Blogの著者はグループと認定しても、グループ外のヘッジファンドが喜ぶだけだと指摘しています。助さん、角さんに加えて、風車の弥七、かげろうお銀が遠巻きに見ていて、誰も本気で攻めては来ないという状況ですね。

誰もそれ以上株式の買い増しはしないんですが、それぞれ9.9%なりの株式を保有して黙ってみているという状況、あるいは助さんだけがProxy Fightを仕掛けてきた場合(他の3人は黙っているが、議決権をどう行使してくるかわからない)、どうするんでしょうね。あまり証拠なしに「お前らみんなグルだろ」って言い切れるかどうかというと相当微妙な気がします。

3人のドムがガンダムを取り囲む状況と違うのは、皆もう少し消極的で「僕は君を傷つけたりしないよ。」という顔をしていることだと思うのですが、遠巻きににやにや笑っている姿を想像しただけでもおぞましく思います。もっとも、助さんたちじゃなくてWolvesであれば仲間内でだましあいがあって、いきなり売り抜けている奴がいるかもしれないからあまり機能しませんかね?
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by neon98 | 2005-12-22 07:06 | M&A

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