カテゴリ:LEGAL(General)( 45 )

誰がやってもいいんだけれど…。
随分前にtoshiさんが内部統制監査に産業界が反発?(2)というエントリの中で
公務員になった経験がありませんので、どう言ったらいいのかわかりませんが、同じ日に金融庁と経済産業省から、似たような報告書が出てきたとき、その両者の関連性などについて、説明とかあったらいいのになあ・・・と思ってしまいます。2週間ほど前、東京のACFEの委員会で、企業会計審議会内部統制部会長の八田進二教授に直接お聞きしたところでは「まったく別々に作ったもので、全然関係ありませんよ」ということで、驚いた次第です。縦割り行政とはいえ、規制されるのは同じ企業なんですから、敵対的買収への防衛指針のときの「経済産業省と法務省」のように、合同で報告書を作成する、ということがあってもいいのではないかなあと思ったりもします。かたや証券取引法による行為規制目的、かたや新会社法による関係者の利害調整目的という、別々の目的を指向していることは理解できるのですが、もう少し交通整理があってもいいのではないでしょうかね。
と書いておられましたが、今日両者を比較して同じことを感じました。

金融庁の方は企業会計審議会ということで会計監査の一部としての内部統制監査という位置づけは理解できるのですが、経済産業省の方は随分と会社法・証券取引法の分野まで出っ張っておられるようで…。経済産業省がでていくと、単なる縄張り争いにとどまらず、指針の法的性格まで変わってくると思うんですよね。金融庁の場合は会計基準に取り込まれることになるのでしょうが、経済産業省の場合は会社法・法務省令・証券取引法との関係はどうなるのかということをいちいち考えないといけなくなります。こんなことを書くと怒られちゃいそうですが、企業価値研究会といい、先日の情報開示ガイドラインといい、随分他人の領域にまで侵入しておられるような気がしまして。。。いえ、誰がやってもいいんですが、法的な性格付けはきちんと整理してもらいたいです。はい。
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by neon98 | 2005-12-14 09:21 | LEGAL(General)

風営法中間試験講評
(過激な内容は含まれていないはずですが、書く自由もあれば読まない自由も認めているブロガーとしてしつこく注意喚起です。)出題の前提となっている論文は日本における社会道徳と法規制との関係等をラブホテルを題材に論じるものです。著者自身も真面目に研究され、私も真面目にご紹介するに値するものだと思います。可能な限り不適切な表現は避けたつもりですが、テーマに鑑み、気分を害される可能性がある方は読まないでください。

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by neon98 | 2005-11-16 07:43 | LEGAL(General)

これはすごい論文だ(完結編)-ああ疲れた
さて、前々回前回に続いて、論文をご紹介していきます。条文の引用などもあり、やや長くなりますが今日終わらせないと来週あまりきちんと時間をとれそうにないので、頑張っていきます。この分野については全く知識がなく、風営法などほとんど見たことがなかったもので何もかもが新鮮です。回転ベッドって実際には見たことないよなあ、という私の長年の疑問がこの論文により解決されました。これで私も風営法専門ロイヤーに一歩近づいたかと思います。以下、著者の主張は引用スタイル(但し、本来の引用のように逐語的な翻訳ではありません。)にして、論文の骨子をご紹介していくことにします。

(ご注意)この論文は日本における社会道徳と法規制との関係等をラブホテルを題材に論じるものです。著者自身も真面目に研究され、私も真面目にご紹介するに値するものだと思います。可能な限り不適切な表現は避けたつもりですが、文脈を失わないために説明を欠かせない場所については気分を害される方がいらっしゃるかもしれません。気にされない方のみお読みください。

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by neon98 | 2005-11-12 06:29 | LEGAL(General)

否認権の不可分性ー備忘メモ
最高裁、抜け駆け回収に待った ゴルフ場めぐる訴訟で(Asahi.com)とのニュースを見てなんだろうと思い、裁判所のHPをチェックする。判決文はこちら

最高裁の判決のみでは検討に不十分だが、物上保証による債務超過の認定をどのように行ったのか、物上保証提供のための対価関係をめぐる事実関係がどうだったのかの検討が必要と思われる。担保提供時に物上保証額全額を消極財産として認定するやり方が正しいのか(物上保証にすぎず、現実化するかどうかは別問題)、200億円ではなく、それより少ない金額であれば否認の対象とならなかったのか、など検討しないといけない。ということで備忘用にメモ。

それにしても、この記事を書いた記者のレベルを考えると情けない。
いわゆる「ハゲタカファンド」などと呼ばれる投資会社などが、経営難の企業に対する債権を安く買い、回収することでうまみを得ようとする行為を封じる有効な手段にもなりそうだ。
不良債権売買は売り手がいて、買い手がいて債権市場として成立しているのだから、「ハゲタカファンド」のみを悪者にする理由がない。開かれた市場にルールに基づき参加している投資家を意味もなく、「ハゲタカ」呼ばわりするのはもうそろそろやめにしたらどうだろう。いつもこの手の記事を読むたびになんだかとても情けなくなる。

また、実際担保権設定を受けているのはC銀行であり、「ハゲタカファンド」ではない。どこだか知らないが、債権の買手たる外資系金融機関は担保権が否認されたとして売手たるC銀行に対して、表明保証違反による損害賠償を追及すべき立場にあるはずだ(但し、期限が切れていることも十分予想されるが…。)。
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by neon98 | 2005-11-09 03:32 | LEGAL(General)

これはすごい論文だ(その2)-Bunさんよいしょ編
時々Blogにコメントを下さるBunさんが大体どのようなエントリに反応してくださるか概ねわかってきました(^^)。BunさんのBlogやBunさんが他の方のBlogに残されたコメントをみると、どこで拾ってきたのか全く想像もつかない超一流のギャグ映像やら、ケインズ経済学に関するコメントやら、普段何をされている方なのか全く想像もつきませんが、色んな雑学にアンテナを広げられている方のレーダーにひっかかるというのはなかなか光栄なものです。とよいしょをしたところで、一銭にもならないことは承知しておりますので、ぼちぼち前々回紹介した論文の本論に入っていこうと思います。

その前に、なぜこの手の論文に価値を見出すべきなのかというところから少しだけ個人的見解を書いてみようと思います。まず、読もうと思った動機は当然ながら興味本位なのです(^^)が、実際に読んでみた後、私の感想は「Blogネタとしておもろいやん」から「学問的にもおもしろいじゃないですか。」に変わりました。というのは、ある種の法規制がなされたときに社会経済が現実にどのように作用を受けるのかという実証研究というのは、まだまだ日本の法律学の中では研究が進んでいないからです。

当然ながら、立法者は、立法段階で立法目的と規制手段の選択ということは当然考えないといけないわけですが、その時点での最良の手段というのは「合理的推測」に基づかざるを得ないわけで、こういった実証的研究はこのような「合理的推測」を歴史的に検証し、後の「合理的推測」を高めていく作用を持ちます。もちろん、社会科学の分野において、規制と効果との間の因果関係の厳密な立証は不可能なため、実証的研究自体に推論が入らざるを得ないとか、統計・調査方法に限界があるということ自体は自覚して読んでいく必要はありますが、この手の実証的研究というのは蓄積されていくこと自体に意味があるように思うのです。私は、法と経済学という分野については耳学問でかじった程度の素人にすぎませんが、法が何のために存在するのかということを考えると、日本には日本なりの法と経済学の発展の仕方があるのではないかと思うわけです。

さて、前置きはこれくらいにして、実際に論文を紹介していくことにします。まず、規制の歴史をみていきますが、ケーススタディとして面白いと思うのはラブホテル業界が「定義が難しい業種」であるという特色を有するからです。通常のホテルとラブホテルをどのように区別していくのでしょうか。その実際的な困難さを考えると、規制手段に限界があることに気がつくでしょう。以下、著者の主張は引用スタイル(但し、本来の引用のように逐語的な翻訳ではありません。)にして、論文の骨子をご紹介していくことにします。

(ご注意)この論文は日本における社会道徳と法規制との関係等をラブホテルを題材に論じるものです。著者自身も真面目に研究され、私も真面目にご紹介するに値するものだと思います。可能な限り不適切な表現は避けたつもりですが、文脈を失わないために説明を欠かせない場所については「不適切な」表現により気分を害される方がいらっしゃるかもしれません。気にされない方のみお読みください。

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by neon98 | 2005-11-03 02:08 | LEGAL(General)

これはすごい論文だ(その1)
研修先でようやく一つのプロジェクトが終わり、少し時間があいた。日本法について扱った文献を検索していたところ、コロンビア大学のMilhaupt教授による有名な敵対的買収に関する論文、In the Shadow of Delaware? The Rise of Hostile Takeovers in Japanをおしのけて目にとまったのが、これである。著者はMark.D.Westというミシガン大学の日本法の教授である。この人は、他にLegal Determinants of World Cup Successなんていう巷では密かに有名なパロディ論文を書いている(パロディである点についての解説はこちら

仕事との関連性からいうと本当はMilhaupt教授の論文を読まないといけないのだが、研究テーマの斬新さに思わず、魅了されてしまい、この論文を先に読むことにした。

(ご注意)この論文は日本における社会道徳と法規制との関係等をラブホテルを題材に論じるものです。著者自身も真面目に研究され、私も真面目にご紹介するに値するものだと思います。不適切な表現は避けたつもりですが、テーマがテーマだけに不快に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、気にされない方のみお読みください。

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by neon98 | 2005-10-29 06:28 | LEGAL(General)

Conflicts of interest in financial institutions
TBSの企業価値評価特別委員会が「敵対的買収」とみなすかどうかが注目を集めているとして、諸井委員長の発言が色々と世間を騒がせていたわけですが、「敵対的買収」だとしたらどうなの?という疑問がとけませんでした。TBSという企業体、株主、従業員にとって良い買収なのかどうなのかを判断するのがその職責であって、「敵対的」かどうかはそれには関係ないんじゃないのと思っていたわけです。「敵対的」という言葉を表面的にとらえる報道姿勢はやめてほしいものですが、どうやら「敵対的」かどうかはディールに影響がありそうです
記事はこちら)。
特別委の議論は、楽天に融資する大手銀行などが注目する。敵対的買収に資金を提供することによるイメージの悪化を懸念し、特別委が敵対的買収とみなせば追加融資は断る方針だ。楽天がさらにTBS株取得に動く資金が必要になれば、外資系金融機関や投資ファンドなどから資金を調達しなければならなくなる可能性が高い(Asahi.com)。
現在は楽天のTBSに対する持株数からして特別委員会の正式諮問を受ける段階には至っていないようですが、特別委員会の勧告をTBS経営陣が重視して対応を決定することになりますので、特別委員会の意見によって「敵対的買収」または「友好的買収」のいずれに該当するのかが左右されることになります。そうした場合、既存の顧客との関係で、または銀行のレピュテーションとの関係で、金融機関の融資姿勢に影響を与えるというわけです。

1. 金融機関におけるコンプライアンスの問題

金融機関の利益相反の問題として、(1)法令上遵守することが要求される利益相反、(2)法令上遵守は要求されないが、経営判断上利益相反を避けるというの2つのレベルがあると思います。前者として、例えば投資銀行がディールの当事者に対してアドバイザリー業務を行う場合、顧客に対して善管注意義務を負い、利益が相反する相手方に対してアドバイザリー業務を行うことはできません。法令上の根拠としては、準委任契約における民法644条・656条でしょうか。後者としては、「あそこに貸すんだったらおたくからの借り入れを別のところから借り替えるよ」と言われちゃうと困るねという話がわかりやすいですかね。

2. ルールって整備されているの?

実は(1)と(2)の境界って非常に微妙だと思うのは私だけでしょうか。弁護士業務だと弁護士倫理上ある程度ルールが明確なのですが(米国ほどではありませんけど)、金融機関に対してこの手のルールが明確に存在するという話は私は知りません(ご存知の方、教えてください。)。それにも関わらず、金融機関の利益相反が生じて問題になってきたケースは実はたくさんあるような気がします。

3. 利益相反が生じるケース

 古典的なものは、メインバンクによる顧客に対する不動産、金融商品の売り込みです。金融機関特に顧客のメインバンクは自らが顧客に対して持っている圧力を推して知るべきで、優越的地位の濫用に近いケースも幾つか見聞きしたことがあります。その多くは「社長、判子押したんはあなたでしょ。」という一言で片付けられ、不良不動産を抱えて銀行に対する愚痴を言う中小企業経営者がたくさんうまれてきたわけです。某巨大都市銀行による融資先に対する増資協力依頼も優越的地位の濫用という観点から問題にされたことがありました。これは銀行あるいは銀行の関連会社の利益と顧客との利益の相反が生じるケースです。

顧客同士の利益相反が生じるケースもたくさんあります。昔ながらの企業に対する運転資金、設備投資資金の融資だと、通常の商取引を超えた利益相反は生じていないし、銀行側の情報へのアクセスはたかがしれています。しかし、融資契約が複雑になるにつれ、銀行側は事業計画、M&Aのデューディリジェンス報告書とありとあらゆる情報にアクセスすることを要求し、対象となるディールから離れた一当事者ではありえなくなってきたわけです。一つのディールに対して複数の買い手が存在し、双方から融資の申出を受けた場合を考えてみると、銀行側は複数の買い手の考えている事業計画、買収スキーム、提示価格とありとあらゆる情報にアクセスすることができます。秘密保持契約書で目的外使用が禁止されているし、チームを分けて「情報の壁」を作っているからいいんだという話なのかもしれないですが、顧客サイドからは検証のしようがありません。従来は、金融機関同士の利益相反という問題はあまりシビアに考えられていなかったように思うのですが、段々経営判断として金融機関にまかせられている範囲は狭くなっていくように思います。

4. 今回のケースはどうなの?

楽天に対して融資枠を設定している大手都銀各行とTBSとの関係は調べていないので、わかりません。仮にTBSがA行から事業資金を借りているとした場合に、法令上A行は楽天に貸すことができないのかというとそんなことはないでしょう。ただ、楽天が買収資金を調達するとなるとA行は楽天の事業プランに対する情報を当然に入手するでしょうから、その場合は利益相反を考えるのが難しくなります。銀行が情報へのアクセスを要求すればするほど、利益相反の問題は顕在化していくわけです。
次に経営判断として、敵対的買収資金は融資しないという問題はどうでしょうか。例えば、ほとんどの証券会社は敵対的買収における公開買付けの事務取り扱いを行いません。彼らの既存の顧客層は上場会社であることを考えると、業界の仲間外れにされるリスクはとれないというわけで、これは妥当な判断だと思います。仮にA行のTBSに対する貸付が相当程度あった場合に、TBSとの関係を重視して楽天に対する買収資金の供与は拒否するという姿勢もまあ理解できます。
ただ、個別の顧客との利害相反がない場合に一般論として敵対的買収資金は供与しないという経営判断だとすればどうなのでしょう。おそらく楽天は外資系の金融機関に融資を求めるでしょうし、彼らにとってもディールにかめる絶好のチャンスですから色んな金融技術を駆使して参加してくるにちがいありません。大手都銀という性格上、日本企業に優良な顧客をたくさん抱えていることは事実ですが、それを維持するだけでは収益拡大はできないという判断をしたのではなかったのでしょうか。投資銀行業務での収入拡大を目指すという方針はどこにいってしまったのかという感じがします。彼らが従前の融資を中心とした業務を継続していくだけで終わるのか、エクィティも絡めて投資銀行としての評判とノウハウを蓄積していくのか、将来の方向性が問われているように思います。まとまりのない文章を、日系のプレーヤーにも是非頑張ってほしいなあ、なんていう個人的希望で終えておくことにします。
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by neon98 | 2005-10-26 03:48 | LEGAL(General)

VTRとの違いは何か?
マンションのサーバーでTV録画、著作隣接権侵害を認定(nikkei.co.jp)との記事を読みました。ここで問題とされているのは被告による直接の著作権侵害行為ではなく、第三者の著作権侵害を招く、被告による機器の販売行為なわけです。
ソニーのベータマックスは米国で訴訟を経験して著作権法上はセーフだったわけですが、その根拠たるところは個々の利用者が実際にTV番組を視聴するためにTV番組を録画しており、それが私的利用に該当するという点が根拠となっていました。番組を観たいときに観るというタイムシフティングが主な利用目的であり、それは私的利用として正当なものだから、ビデオデッキの販売が違法とされるわけではないというわけです。ばくっといえば正当な利用目的が主要な目的を占める場合には、仮に機器の販売により著作権侵害の可能性が助長されたとしても機器の販売が違法ではないということになります(そうでなければ、今頃I-PODは存在していません。)。グロックスターの判決は、ソニー判決の枠組みを維持したうえで、被告側の意図が侵害行為を助長する場合の例外を認めたものと理解されています。

もちろんここでの判決は日本法の話なので米国の裁判例を持ってくることは直接的には関係ないのですが、必要なのは機器の有効な用途とのバランス論であって、機器の販売によって必然的に権利侵害が生じるのであれば、ビデオカメラも録画可能なDVDもパソコンもあらゆるものが対象になるといえるわけです。本件がどうであったのかは、判決を読んでみないとわかりません(大阪地裁のHPには未掲載でした。)が、考えてみると面白いかもしれません。
共用サーバーへの録画が著作権法で複製を認められた「私的使用」の範囲内かどうかも争点だったが、機器の設置者(マンション管理組合など)と使用者(住人)が異なることなどを理由に、「私的使用とはいえない」とした。
というところは、住民の私的使用であるビデオ機器とは明らかに異なる点なのでしょうが、これだけで十分かどうかでしょうね。 個々の利用者宛に録画機器を販売し、個々の利用者がレンタルサーバ上にデータを保管していったらどうなるか、レンタルサーバ業者が録画機器の販売とは無関係だったりしたらなかなか難しい限界事例かもしれません(実際はそんなことはないでしょうけど)。
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by neon98 | 2005-10-25 07:56 | LEGAL(General)

本人確認と弁護士の注意義務
なりすましについて指宿教授のBlog経由で記事を見つけた。

教授が指摘するように実は本人確認というのは非常に難しい。曖昧な記憶だが、刑事訴訟法の教科書にも本人間違いの事例をどうするのかについて記載があったように思う。民事訴訟においても原告を名乗る人が実は別人だったという事例があった。どこでもIDを要求される米国と異なり、今まで日本では本人確認では比較的緩やかだったように思う。それでは、本人確認を徹底するために、免許証やパスポートの提示を要求すればいいのかというと、それだけでは確実とはいえない。

パスポートの本人確認は戸籍抄本以外に保険証等の本人確認資料を要求しているのだが、運転免許の本人確認資料は住民票写しのみである。犯罪を助長するわけにはいかないのでこれ以上は書かないが、これだけでは本人確認資料として十分とはいえない。行政による手続きの見直しが必要だと思う。

他方、本人確認を100%可能にする手段は存在しないのは事実で、あまりにも事務コストの大きい制度設計をするわけにはいかない。米国も州によっては事実上一部の外国人によるID取得を不可能にする本人確認制度をとっているところもある。わりきってしまえば、公文書偽造、公正証書原本不実記載罪などによる刑事罰で身元詐称を防止しつつ、本人確認による申請者、事務取扱者のコストとの兼ね合いで決めないといけない問題だとは思う。

依頼者が他人名義で訴訟を提起することを依頼してきた場合に、弁護士が相応の注意を払わないと、身元を詐称した「依頼者」との関係はともかく、他人名義訴訟により被害を受けた「本人」あるいは被告から過失による不法行為による損害賠償請求または懲戒請求を受けないとも限らないだろう。少し疲れが蓄積しているので、ああ怖いね、気をつけようということで、本日はこれまで。
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by neon98 | 2005-10-15 04:51 | LEGAL(General)

経営者の報酬開示がもたらしたもの
アメリカ企業のCEOの高額報酬についてやや批判的なことを書いたものの、例えばマイクロソフトのビル・ゲイツや、ソニーの盛田さんがとる報酬についてどうこういうつもりはない。創業者として優れたアイデアと実践力により一大企業を形成した人と、そうでない人は区別されるべきだろうと考えている。要するに付加価値の問題で、水準としてアメリカの報酬は高すぎるんじゃないのという感覚的なものにすぎないので、たいした議論じゃありません。

今回の主題は、情報開示が常に株主によい影響を与えるとは限らないという話。面倒なので、ソースは示さないでいきます。役員の報酬はIN RE THE WALT DISNEY COMPANY DERIVATIVE LITIGATION (PDF)において代表訴訟として争われているけど、基本的にFiduciary Duty違反とまでいえる事例はほとんどないといっていい。実は報酬が高額化してきたのはここ数年の話で、役員の報酬が開示されてから以降の話だそうだ。他の上場企業の経営者の報酬が開示されるにあたって、「なんだ、あいつがあんなにもらっているなら俺ももっとよこせ。」と言うやつが増えてきたのが原因らしい。

まあこのあたりは人材のマーケットの需給の問題であって、だからといって開示をしないでいいという理屈にはならないんですが、開示が株主以外にどのように影響を与えるのかという一例として面白い。「俺がナンバーワンだ。」という世界では報酬の開示が高額報酬への競争みたいな原理として働いたのだろうか。アメリカの株式市場がここ数年好況だったというのも大きな原因だろうけど。

総額報酬の限度額を開示しているから、個別に誰がいくらもらったかは開示しないというのが日本の株主総会実務。法律に反するかどうかということじゃなくて、本当にこれでいいのかは考えないといけない。上場企業の役員が会社から受領する金銭にプライバシーなんてないんじゃないのという気もする。周囲も本当に優れた人が高い報酬をもらうことに対して批判する必要はない。

ステレオタイプな議論として、日本社会を「横並び社会」と仮定し、さらに高額報酬に対して世論の非難がすごいと仮定した場合に、個別報酬開示をすればどういう影響があるんでしょうね。

よい悪いじゃなく、資本の垣根がなくなっていくことにより、必然的にアメリカを中心とした「発言力の強い」カルチャーが浸透していくのは必然だろうけど、「カネ、カネ」というのは美しくないとする日本人のカルチャーってなかなか変わりそうにない。でも、それでもいいかとも思う。
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by neon98 | 2005-07-12 03:32 | LEGAL(General)

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