カテゴリ:LEGAL(General)( 45 )

取材源の秘密
Time Inc. Reporter's Testimony Still Needed, Prosecutor Says (NY Times)

NYTIMESからの記事が続くのは、あちこちチェックする時間がないからです、はい。

日本の憲法判例でもあったけれど、記者が取材源を秘匿するのは米国でも簡単ではないようだ。連邦大陪審での証言を拒否した記者が、Jailに入れられるという話。連邦最高裁は記者からのAppealを既に却下している。

In October, Judge Hogan held the reporters in civil contempt, sentencing them to up to 18 months in jail. He suspended the sentences while the reporters appealed and last week said that the maximum time the reporters now face is 120 days, as the term of the grand jury will expire in October.

Civil contempt is meant to be coercive rather than punitive. In today's filing, though, Mr. Fitzgerald suggested that criminal prosecution is also a possibility.
First Amendmentで認められた表現の自由をサポートするものとして、記者が記事の取材源について拒否することは認められてもよいと思うのだが、これがなかなか通らないようだ。証言拒否を認めたときにそれがどこまで拡大されるのかという懸念(NYTIMESの記者に認めたら、Blogの運営者にも認めないといけない?)があるのだろうか。

ちなみに、ほとんど使われたことのない民事訴訟法の以下の条文は改正でも生き残っている(本件は大陪審なので刑事事件です。念のため。)。存在するけど、ほとんどEnforceされない条文って、お客さん(特に外国の)に説明しにくいよね。
(不出頭に対する過料等)
第百九十二条  証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、十万円以下の過料に処する。
2  前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(不出頭に対する罰金等)
第百九十三条  証人が正当な理由なく出頭しないときは、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
2  前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。

(勾引)
第百九十四条  裁判所は、正当な理由なく出頭しない証人の勾引を命ずることができる。
2  刑事訴訟法 中勾引に関する規定は、前項の勾引について準用する。
ニュースを引用するだけで、まともにケースを調べないのは読む時間と気力(能力?)がないからです。はい。
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by neon98 | 2005-07-06 05:25 | LEGAL(General)

O'Connor, First Woman on High Court, Resigns After 24 Years
O'Connor, First Woman on High Court, Resigns After 24 Years (NY Times)とのニュース。
WASHINGTON, July 1 - Justice Sandra Day O'Connor, the first woman to serve on the United States Supreme Court and a crucial swing vote on abortion and a host of other divisive social issues, announced today that she was resigning, setting up what is sure to be a tumultuous fight over confirming her successor.
不思議と裁判の決定的な役割を果たすことが多く、圧倒的な影響力も持った存在として、米国はもちろん、日本においても至極著名な彼女の辞任がアメリカにもたらすものは何なのだろうか。

共和党大統領の任命に基づきながら、Abortionなどの重要な局面では女性の決定権を守るためのバランスを保ってきた彼女の辞任が連邦最高裁の意見に及ぼす影響は大きい。後任者次第では、ブッシュ政権の下での「宗教右翼」的な動きが増すことになりはしまいか。Rehnquist長官の病状もあまりよろしくないようだし、大きな動きにつながるのかもしれない。ただ、最高裁判事に選ばれる人が選任した大統領ないしその所属政党の意見に左右されるということは歴史的には実証されていないのだとか(Bush v. Goreは除く。)。

日本の最高裁判事だと、小さく記事になる程度で、業界の人以外はほとんど感心を示さないし、最高裁長官の名前を言える人などほとんどいないだろうなあと思うと、この国の司法のポジションを知り、うらやましくもあったりする。
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by neon98 | 2005-07-02 11:23 | LEGAL(General)

無罪判決とEvidence
マイケル・ジャクソン無罪(NYTIMESより)との記事が配信される。4ヶ月で140人の証人を調べたというのだから、陪審にかかる負担も相当なものだ。さて、事件とは直接関係がないが、気になることが2つ。

証拠法上、職業裁判官が裁く場合と、陪審や参審の場合とで差異を設けるべきじゃないだろうかというのが一つ。
Prosecutors also made use of a California law that permits the introduction in sex cases of evidence of "prior bad acts" or a propensity to commit sex crimes, even if the offenses were never reported or prosecuted. Several former Neverland employees testified that they had seen Mr. Jackson molest young boys, but the defense showed that those witnesses were a mixed group with grudges against Mr. Jackson and financial motives to smear him.

過去のBad Actsを訴追されていなくても証拠として採用できるという規定を利用して証人尋問がなされたとのことであるが、悪性格の立証は偏見を生じさせ、誤審を招くおそれが高いために通常は証拠法上制限がなされている。例えば、日本では、悪性格の立証は、①常習性、②情状事実の立証の場合を除き、許されないということになっている(と記憶している…自信がなくて申し訳ない。)。
職業裁判官と一般人とで過去の悪行に惑わされる可能性が違うかどうか、もちろん統計的なデータがあるわけじゃないだろう。ただ、陪審制の場合の大きな問題点は判決に理由がいらないということ。事実認定に理由がいらない以上、本当に証拠を排除して考えたかどうかなんて誰にもわからない。職業裁判官が実際にどのように心証を形成したかが必ずしも判決文に正確に反映されているわけじゃないのはその通りかもしれないけれど、彼らは少なくとも説明責任を負っている。

もう一つは、この裁判なんぼかかったんやろかという下世話な興味。この記事ではわからないけれど、金がなかったら彼は果たして無罪になれただろうかなどと考えてしまうのだ。金がない無名の人なら訴追されなかったのかもしれないけれど。
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by neon98 | 2005-06-14 07:18 | LEGAL(General)

Affirmative Action
Affirmative Actionは、差別解消積極措置などと訳される。「英米法辞典」田中英夫(東京大学出版会・1991)。以前述べたような教育機会の格差の存在から、入学時の人種差別を禁止するというだけでは、少数民族に対する教育機会の確保を実現できないことから、一部の大学では少数民族を一部優遇して入学を認める措置を採用している。但し、このような措置が憲法上許されるかどうかは問題である。Grutter v. Bollinger, 539 U.S. 306は、ミシガン大学ロースクールにおけるAffirmative Actionを扱ったケースで、Diversityを実現する一要素として人種を考慮することを合憲とした。

但し、Affirmative Actionが自動的に合憲とされるわけではない。Affirmative Actionも他の人種差別と同様に厳格な司法審査の対象となり、Minorityであることを理由として自動的にポイントを与える制度や、一定の人種に一定の合格人数を割り当てる方式は違憲とされている。要は、フットボールで好成績を収めたとか、特殊なBackgroundの一環として人種を考慮することも許されるということである。

オコーナー判事による判決文の最後には以下のような記載がある。
We take the Law School at its word that it would "like nothing better than to find a race-neutral admissions formula" and will terminate its race-conscious admissions program as soon as practicable. See Brief for Respondents Bollinger et al. 34; Bakke, supra, at 317-318 (opinion of Powell, J.) (presuming good faith of university officials in the absence of a showing to the contrary). It has been 25 years since Justice Powell first approved the use of race to further an interest in student body diversity in the context of public higher education. Since that time, the number of minority applicants with high grades and test scores has indeed increased. See Tr. of Oral Arg. 43. We expect that 25 years from now, the use of racial preferences will no longer be necessary to further the interest approved today.
私は、このような問題に対して良い悪いを判断する立場にない。必要性も理解できるが、他方でいずれのロースクールに入るかがその人の将来を決める大きな要素となる現行制度でどこまでAffirmative Actionが許されるのだろうか。25年後には、Affirmative Actionが必要でない世界になればいいとのオコーナーの意見に深く同意する。
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by neon98 | 2005-05-22 00:54 | LEGAL(General)

国際化と人種差別
私は、「国際化」という言葉の持つ浅はかさにどこか拒否感をいつも感じてしまう。日本でいう国際化という言葉の使われかたとして、英語を学ぼう、留学をしようといった、なにやら楽しげな響き(特に欧米のみを向いている)しか感じとれなかったからかもしれない。

米国に住んでいるとよく見かける光景だが、バスの運転手などの現場労働者、給与水準の低い職業はAfrican Americanなど伝統的に差別を受けてきた人種が大半を占めることは常々実感する。伝統的な差別は、所得水準の格差の拡大、公共教育の水準の低さとあいまって、次の世代に再生産されていく。Brown v. Board of Education判決以降、人種により学校を分けることは禁止されてきたが、実際には居住地域に一定の人種が固まってすむことにより、特定の学校に特定の人種が固まる傾向にあるようである。人種による居住制限を定める法律も同様に違憲とされたが、現在でも黒人(少なくとも英語の文脈では"Politically Collect"な表現ではないが、日本語の文脈でわかりやすく伝えるためにこうしてある。)が引越しをしてきた地域の周辺からは白人がでていき、地価が下がり、税収が減少し、教育水準が下がるということがあるということをアメリカ人から聞いた。

私は米国では所詮外国人であり、歴史的、政治的に正確な知識をもって、この問題を論じることはできない。また、人種差別はいけないと皆が頭では理解していることを簡単に口にするだけのことに特に意味を見出せない。日本で人種差別がすくないかというと決してそんなこともない。
国際化というのは、人種も、言葉も、生活習慣も全く異なる人間が隣人となり、摩擦の中で生活をしていくことではないのだろうか。最近でこそ国際化という言葉を耳にすることが少なくなったが、かつては言葉が違うことからくるミスコミュニケーションとか、生活習慣やルールの違いから来る摩擦だとか、負の面を無視したイメージを植えつける使い方をする人が少なくなかったように思う。治安の悪化とまで至らなかったとしても、小さなことからいえばゴミだしのルールを守らないとか、パーティーをして騒がしい(日本人同士でもよくありうる話だが)とか、日常生活の中でもありうる色々な不都合を具体的に想定した言葉とは思えなかったのだ。

差別は現に存在することを実感するとともに、それを克服しようとする力も強く働いているというのもまたアメリカの真実であるように思う。次回はAffirmative Actionの話をとりあげようと思う。
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by neon98 | 2005-05-07 13:55 | LEGAL(General)

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