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これはすごい論文だ(その1)
研修先でようやく一つのプロジェクトが終わり、少し時間があいた。日本法について扱った文献を検索していたところ、コロンビア大学のMilhaupt教授による有名な敵対的買収に関する論文、In the Shadow of Delaware? The Rise of Hostile Takeovers in Japanをおしのけて目にとまったのが、これである。著者はMark.D.Westというミシガン大学の日本法の教授である。この人は、他にLegal Determinants of World Cup Successなんていう巷では密かに有名なパロディ論文を書いている(パロディである点についての解説はこちら

仕事との関連性からいうと本当はMilhaupt教授の論文を読まないといけないのだが、研究テーマの斬新さに思わず、魅了されてしまい、この論文を先に読むことにした。

(ご注意)この論文は日本における社会道徳と法規制との関係等をラブホテルを題材に論じるものです。著者自身も真面目に研究され、私も真面目にご紹介するに値するものだと思います。不適切な表現は避けたつもりですが、テーマがテーマだけに不快に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、気にされない方のみお読みください。

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by neon98 | 2005-10-29 06:28 | LEGAL(General)

マイヤーズ最高裁判事候補が辞退
連邦最高裁判事の候補であるマイヤーズさんが指名を辞退したそうです(NY Times)。マイヤーズさんの経歴等についてはaustin_texanさんの連邦最高裁判事の後任ーマイヤーズ氏を指名を参照してください。

共和党サイドからは妊娠中絶などの問題に関してnot conservative enoughということで支持を受けられず、民主党サイドからは彼女の判事としての経験のなさから支持を受けられませんでした。また、彼女が法律顧問として働いていたときにブッシュ大統領に対してなされたアドバイスの資料の開示を民主党から求められ、それを提出することは執行部門の独立性を損なうと判断して辞退したということです。

Abortionは永遠に議論される話題なのですね。極端な意見を持つ人の中には、母体に危険がある場合にでも中絶は許されないという言い方をする人がいて、理由を聞いたら「生命だから」と大抵極めてシンプルな回答をされます。そういう方に対しては議論の余地がないので黙って聞くことにしています。もちろん中絶が幸せなことだとは思いませんが、個々人の事情があるわけで基本的には他人がとやかく言うことじゃないのになあと思ってしまいます。中絶が許されるかどうかという問題は裁判所が決めるべきことなのでしょうかねえ。
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by neon98 | 2005-10-27 23:55 | 日常・海外生活

早速きました!ボビーの部下操縦術
ロッテ優勝おめでとうございます。阪神は本当に残念でしたけど、また来年頑張ろう!!!終わったことは忘れて、またあしたあした。

当然くるだろうなと思っていたら、早速きましたあなたの会社でも使える…ボビーの部下操縦マジック
どちらかといえば、締め付けはゆるい。選手とは笑顔でコミュニケーションを取り、失敗しても怒らず「次だ」と鼓舞する。打撃練習でもあれこれ言わず遠くから見ているだけ。短所を指摘するのではなく、長所をほめて乗せる。「門限を破っても構わないから、野球だけはしっかりやってくれ」と話すなど、プロとしての選手を信頼し、尊敬する言動が多い。
元ロッテの投手でテレビ解説者の倉持明氏によると、バレンタイン監督は、アメリカから連れてきた専属の統計アナリストに自軍と相手の戦力データを分析させ、その日のオーダーを決める。分析方法は門外不出だが、その日先発メンバーから外れたり、打順が降格したりした選手には納得いくまで説明する。
技術的なデータ分析もそうだけど、納得いくまで説明するという姿勢なんでしょうね、大切なのは。名監督であるのは成績が物語っているわけですが、彼の笑顔をみているだけでコミュニケーション技術に長けた人のように思えるから不思議です。秘訣は緻密なデータ分析と人間力なのでしょう。
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(写真はモントリオール。記事とは関係ありません。)
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by neon98 | 2005-10-27 11:17 | よしなしごと

Conflicts of interest in financial institutions
TBSの企業価値評価特別委員会が「敵対的買収」とみなすかどうかが注目を集めているとして、諸井委員長の発言が色々と世間を騒がせていたわけですが、「敵対的買収」だとしたらどうなの?という疑問がとけませんでした。TBSという企業体、株主、従業員にとって良い買収なのかどうなのかを判断するのがその職責であって、「敵対的」かどうかはそれには関係ないんじゃないのと思っていたわけです。「敵対的」という言葉を表面的にとらえる報道姿勢はやめてほしいものですが、どうやら「敵対的」かどうかはディールに影響がありそうです
記事はこちら)。
特別委の議論は、楽天に融資する大手銀行などが注目する。敵対的買収に資金を提供することによるイメージの悪化を懸念し、特別委が敵対的買収とみなせば追加融資は断る方針だ。楽天がさらにTBS株取得に動く資金が必要になれば、外資系金融機関や投資ファンドなどから資金を調達しなければならなくなる可能性が高い(Asahi.com)。
現在は楽天のTBSに対する持株数からして特別委員会の正式諮問を受ける段階には至っていないようですが、特別委員会の勧告をTBS経営陣が重視して対応を決定することになりますので、特別委員会の意見によって「敵対的買収」または「友好的買収」のいずれに該当するのかが左右されることになります。そうした場合、既存の顧客との関係で、または銀行のレピュテーションとの関係で、金融機関の融資姿勢に影響を与えるというわけです。

1. 金融機関におけるコンプライアンスの問題

金融機関の利益相反の問題として、(1)法令上遵守することが要求される利益相反、(2)法令上遵守は要求されないが、経営判断上利益相反を避けるというの2つのレベルがあると思います。前者として、例えば投資銀行がディールの当事者に対してアドバイザリー業務を行う場合、顧客に対して善管注意義務を負い、利益が相反する相手方に対してアドバイザリー業務を行うことはできません。法令上の根拠としては、準委任契約における民法644条・656条でしょうか。後者としては、「あそこに貸すんだったらおたくからの借り入れを別のところから借り替えるよ」と言われちゃうと困るねという話がわかりやすいですかね。

2. ルールって整備されているの?

実は(1)と(2)の境界って非常に微妙だと思うのは私だけでしょうか。弁護士業務だと弁護士倫理上ある程度ルールが明確なのですが(米国ほどではありませんけど)、金融機関に対してこの手のルールが明確に存在するという話は私は知りません(ご存知の方、教えてください。)。それにも関わらず、金融機関の利益相反が生じて問題になってきたケースは実はたくさんあるような気がします。

3. 利益相反が生じるケース

 古典的なものは、メインバンクによる顧客に対する不動産、金融商品の売り込みです。金融機関特に顧客のメインバンクは自らが顧客に対して持っている圧力を推して知るべきで、優越的地位の濫用に近いケースも幾つか見聞きしたことがあります。その多くは「社長、判子押したんはあなたでしょ。」という一言で片付けられ、不良不動産を抱えて銀行に対する愚痴を言う中小企業経営者がたくさんうまれてきたわけです。某巨大都市銀行による融資先に対する増資協力依頼も優越的地位の濫用という観点から問題にされたことがありました。これは銀行あるいは銀行の関連会社の利益と顧客との利益の相反が生じるケースです。

顧客同士の利益相反が生じるケースもたくさんあります。昔ながらの企業に対する運転資金、設備投資資金の融資だと、通常の商取引を超えた利益相反は生じていないし、銀行側の情報へのアクセスはたかがしれています。しかし、融資契約が複雑になるにつれ、銀行側は事業計画、M&Aのデューディリジェンス報告書とありとあらゆる情報にアクセスすることを要求し、対象となるディールから離れた一当事者ではありえなくなってきたわけです。一つのディールに対して複数の買い手が存在し、双方から融資の申出を受けた場合を考えてみると、銀行側は複数の買い手の考えている事業計画、買収スキーム、提示価格とありとあらゆる情報にアクセスすることができます。秘密保持契約書で目的外使用が禁止されているし、チームを分けて「情報の壁」を作っているからいいんだという話なのかもしれないですが、顧客サイドからは検証のしようがありません。従来は、金融機関同士の利益相反という問題はあまりシビアに考えられていなかったように思うのですが、段々経営判断として金融機関にまかせられている範囲は狭くなっていくように思います。

4. 今回のケースはどうなの?

楽天に対して融資枠を設定している大手都銀各行とTBSとの関係は調べていないので、わかりません。仮にTBSがA行から事業資金を借りているとした場合に、法令上A行は楽天に貸すことができないのかというとそんなことはないでしょう。ただ、楽天が買収資金を調達するとなるとA行は楽天の事業プランに対する情報を当然に入手するでしょうから、その場合は利益相反を考えるのが難しくなります。銀行が情報へのアクセスを要求すればするほど、利益相反の問題は顕在化していくわけです。
次に経営判断として、敵対的買収資金は融資しないという問題はどうでしょうか。例えば、ほとんどの証券会社は敵対的買収における公開買付けの事務取り扱いを行いません。彼らの既存の顧客層は上場会社であることを考えると、業界の仲間外れにされるリスクはとれないというわけで、これは妥当な判断だと思います。仮にA行のTBSに対する貸付が相当程度あった場合に、TBSとの関係を重視して楽天に対する買収資金の供与は拒否するという姿勢もまあ理解できます。
ただ、個別の顧客との利害相反がない場合に一般論として敵対的買収資金は供与しないという経営判断だとすればどうなのでしょう。おそらく楽天は外資系の金融機関に融資を求めるでしょうし、彼らにとってもディールにかめる絶好のチャンスですから色んな金融技術を駆使して参加してくるにちがいありません。大手都銀という性格上、日本企業に優良な顧客をたくさん抱えていることは事実ですが、それを維持するだけでは収益拡大はできないという判断をしたのではなかったのでしょうか。投資銀行業務での収入拡大を目指すという方針はどこにいってしまったのかという感じがします。彼らが従前の融資を中心とした業務を継続していくだけで終わるのか、エクィティも絡めて投資銀行としての評判とノウハウを蓄積していくのか、将来の方向性が問われているように思います。まとまりのない文章を、日系のプレーヤーにも是非頑張ってほしいなあ、なんていう個人的希望で終えておくことにします。
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by neon98 | 2005-10-26 03:48 | LEGAL(General)

VTRとの違いは何か?
マンションのサーバーでTV録画、著作隣接権侵害を認定(nikkei.co.jp)との記事を読みました。ここで問題とされているのは被告による直接の著作権侵害行為ではなく、第三者の著作権侵害を招く、被告による機器の販売行為なわけです。
ソニーのベータマックスは米国で訴訟を経験して著作権法上はセーフだったわけですが、その根拠たるところは個々の利用者が実際にTV番組を視聴するためにTV番組を録画しており、それが私的利用に該当するという点が根拠となっていました。番組を観たいときに観るというタイムシフティングが主な利用目的であり、それは私的利用として正当なものだから、ビデオデッキの販売が違法とされるわけではないというわけです。ばくっといえば正当な利用目的が主要な目的を占める場合には、仮に機器の販売により著作権侵害の可能性が助長されたとしても機器の販売が違法ではないということになります(そうでなければ、今頃I-PODは存在していません。)。グロックスターの判決は、ソニー判決の枠組みを維持したうえで、被告側の意図が侵害行為を助長する場合の例外を認めたものと理解されています。

もちろんここでの判決は日本法の話なので米国の裁判例を持ってくることは直接的には関係ないのですが、必要なのは機器の有効な用途とのバランス論であって、機器の販売によって必然的に権利侵害が生じるのであれば、ビデオカメラも録画可能なDVDもパソコンもあらゆるものが対象になるといえるわけです。本件がどうであったのかは、判決を読んでみないとわかりません(大阪地裁のHPには未掲載でした。)が、考えてみると面白いかもしれません。
共用サーバーへの録画が著作権法で複製を認められた「私的使用」の範囲内かどうかも争点だったが、機器の設置者(マンション管理組合など)と使用者(住人)が異なることなどを理由に、「私的使用とはいえない」とした。
というところは、住民の私的使用であるビデオ機器とは明らかに異なる点なのでしょうが、これだけで十分かどうかでしょうね。 個々の利用者宛に録画機器を販売し、個々の利用者がレンタルサーバ上にデータを保管していったらどうなるか、レンタルサーバ業者が録画機器の販売とは無関係だったりしたらなかなか難しい限界事例かもしれません(実際はそんなことはないでしょうけど)。
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by neon98 | 2005-10-25 07:56 | LEGAL(General)

これでいいのか?METIの情報開示ガイドライン
今日の気分は「です、ます」調。

経済産業省が、上場企業に対して、「顧客満足度」、「従業員の転出比率」などを開示するよう求める指針を正式に公表したとの報道(nikkei.co.jp)がされています。METIのWEBサイトをみましたが、それらしき指針はみあたりません。報道のタイミングからして知的財産経営の開示ガイドラインとは異なるのでしょうから、いずれWEB上に掲載されるのでしょうか。

(追記)と思いましたが、ガイドラインの中に「顧客満足度」なる表示があるので、たぶん記事はこのガイドラインを指しているのでしょう。とすれば、日経さん時期はずれの記事ですね。(追記終わり)

投資家保護を主眼とした証券取引法制以外に経済産業省が開示の強化は会社のためになりますよと薦めるのは余計なおせっかいなような気がしないでもないですが、まあそれはおいといて少しこのガイドラインなるものについて考えてみようと思います。

経済産業省のガイドラインなので直接の目的は投資家保護とは違うのでしょう。政府が進める開示制度ですから、投資家をだまして株価を高くしよう!というはずもなく、投資家に有益な情報を提供して、企業価値を市場に適正に評価してもらうということにあるはずで、投資家保護を抜きにしては制度が成り立ちえません。

1. 自主的な制度でいいのか

企業の情報開示を促進しようという試みは理解するとして、まずは自主的な開示制度でいいのかという問題です。自主的な情報開示という意味では既にやる気のある会社さんは色々と取り組まれていますし、そうでない会社さんはやっていません。言うまでもなく、開示した情報を競合他社に利用されるなど、情報開示が当該開示企業にとって不利益に働く場合があり、自主的な制度設計にする以上は企業は自分が開示したいと思う情報しか開示しないことになります。企業としての当然の自己防衛です。自分に有利な情報はなるべく出していこうねというガイドラインにどれだけ意味があるのか、というのがまず一点目のコメントです。日本の企業の皆さんガイドラインには弱いんですよねー、役所がだしたからには従わないとーという声に期待しているんでしょうかね。

2. 開示した情報の評価の問題

財務情報など評価しやすい情報と比較して、「顧客満足度」などの概念は極めて抽象的で、他企業との比較が極めて困難です。マーケティングリサーチの方法によりいくらでも変わります。証券取引法制での情報開示は開示情報を他社と比較して分析・検討しやすくするための工夫がなされており、それなしのソフトな情報はあまり意味を持たないはずです。当社の顧客のうち70%が満足していると回答した、などという情報を比較するんでしょうか。具体的に比較可能にするためには幾つかの前提事実をおかないといけないはずで、対象製品やサービスはどれなのか、いつからいつまでに、誰にたいして、どういう方法でアンケートをとったのかなどの情報なしには比較すること自体に意味があるとは思えません。他方、詳細な顧客満足度のデータなどというものは企業秘密そのもので、それを企業が開示することに合理性はないはずです。

自主的にソフトな情報も出していきましょうねという制度は、かえって投資家を混乱させないでしょうかね?ソフトな情報も投資家に適正に評価してもらうために開示していきましょうね、というのならばどうして開示を促進させる具体的な制度をとらないのでしょうか。例えば、企業が開示によって誤解を受けた投資家による損害賠償を心配しているのなら免責されるためのセーフハーバーをもうけるとか、比較検討可能な情報開示の方法・雛形を定めるとか、やるべきことはたくさんあるのじゃないでしょうか。「●●リサーチ社の市場調査で当社が顧客満足度No.1に選ばれました!」という情報であれば、お役所に言われなくても開示すると思うんだけどなあ。

政府の役割は開示に際して企業が懸念する障害があるのならそれを取り除き、投資家保護のために必要な情報があるのなら企業秘密との兼ね合いを考えて開示義務を定めることであって、なるべく情報開示を進めましょうねという中途半端なガイドラインを作ることじゃないと思いますけど。
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by neon98 | 2005-10-22 06:49 | Securities

Day and Night
時間は思索のかなた。無限の広がりを見せる。
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昼と夜、あなたは違う顔を見せる。浅はかな僕をあざわらうように、時間とともにうつろいゆく。
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日常と非日常が波のように押し寄せる。大都会で自分を見失わないように、無力さに流されないように。僕は何かにしがみつく。
〔友人のApartmentの屋上より。All right reserved - Neon98〕
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by neon98 | 2005-10-19 14:28 | Photo

Fahrenheit 911
Fahrenheit 911をようやく観た。色々と批判されている通り、ドキュメンタリーとしての深さはないが、マイケル・ムーアのウィットに富んだ突撃取材は笑える。ブッシュ親子の軍事産業、石油産業、カーライルグループ、マスメディアに対する関与は様々な本で明らかにされており、新味がないということもできるが、映画という媒体を通すことにより、幅広い反響を得たというのも事実だ。必要以上に持ち上げる必要もないが、批判されるほどのことはない。彼の批判の仕方がウィットに富んでいて思わず噴出しそうになった場面が幾つかあったし、僕は素直に楽しんでみたらいい作品だと思う。英語も当然恋愛映画よりずっとわかりやすいし、特に前提知識なしでも十分楽しめる作品だと思う。マイケル・ムーアについての解説はこちらをどうぞ。

日頃付き合いのあるアメリカ人は、大学関係者、法曹などほぼ教育のある人に限定されている。知識層、金持ち層と言い換えてもいい。私と話をするアメリカ人はほとんど民主党支持者ばかりだった。前回の選挙の際の地図の色分けを思い出してもらえればいい。東海岸、西海岸のほとんどの大都市はケリー支持だったので、ほとんどの留学生はケリー支持者の多い州で生活をし、比較的ケリー支持者の多い大学関係者と付き合っているのだろうと思う。選挙期間中はブッシュをこき下ろす話題ばかりだったので、アメリカがブッシュを選択したことに違和感があった。日本の直近の選挙で小泉自民党が歴史的大勝をかざり、やりたい放題の議席状況になった方が違和感があるといわれればそれまでであるけど。

アメリカは「強い大統領」を求めてきたし、これからもそうだろう。ケリー候補では役不足といえばそうなのかもしれない(ケリー候補については肯定的な意見はなく、ブッシュか反ブッシュかという意見の違いばかりだった。)。「テロとの戦争」という言葉をキーワードにして、強い大統領を演出することに成功したブッシュ陣営の勝利というのが僕の評価である。先日のNYのテロ警告も選挙戦略じゃないのという声もあり、テロの恐怖をいたずらに誇張し続けるのもどうなのだろうかと思ってしまう。ブッシュを評価する材料を何も持たない僕としては、クリントンのように経済政策と社会政策のバランスのとれた天才政治家が戻ってくるといいなあと思っている。
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by neon98 | 2005-10-19 05:35 | 読書・映画等

弁護士にとっての付加価値とは
法曹人口が日本と圧倒的に違う米国では数年法律事務所で経験を積んだ後、企業のLegal Departmentに転職する人口が多い。もちろんLegal Departmentに限定されず、彼らの経験はビジネスの世界でも多く生かされている。研修先のとある事務所のAllumniと昼食をする機会があった。この機会を活かさない手はないと思って、依頼者側にたって感じることは何か、具体的には法律事務所に対するニーズとそれが充たされないとはどんな場合かということを聞いてみた。当然のことも多く含まれるけれど、僕が常々考えていることを概ね一致していた。これからの話の対象はビジネスロイヤーに限定された話と思っていただいた方が違和感がないと思う。

議論をした中で印象的だったのは、Valueという言葉がしきりに使われること。弁護士業にとっての付加価値とは何なのか、もちろんそれぞれの弁護士によって、取り扱う事件によって違う。訴訟を扱う弁護士にとっては端的にいうと勝訴であり、企業のビジネスにとって一番利益の大きい、または損害の少ない和解であろう。予防法務の場合は万が一の場合のリスクの大きさを把握し、リスクに対するコストパフォーマンスを考えたうえで対策を考えることだろう。訴訟の場合は極めて結果がわかりやすいが、予防法務の場合は「何かが起こるかもしれない」リスクを軽減することに対する対価が弁護士報酬であり、付加価値というものは認識しにくい。

最先端の分野を研究して自らの付加価値をつける専門的な弁護士がいてもいいし、ジェネラリストとして活躍する弁護士がいてもいい。人脈を通じて総合的なコンサルティングができる弁護士がいてもいいし、優れた法律調査ができる弁護士がいてもいい。尋問技術が優れた弁護士、いやらしく交渉をして和解に持ち込む弁護士、書面作成に優れた弁護士、色んなタイプがいるだろう。それぞれがもちろん付加価値を持っている。

依頼者のニーズという話から付加価値という話に転じたのは、話題のニーズの中で自分がもっとも意識してきたことが述べられていたからだ。ニーズという中には、迅速な対応、合理的な報酬、専門的な知識など当然のことが当然に含まれるけれど、僕が一番気になっていた部分もあった。
私たちは、弁護士に対して、YESかNOという答えは求めていない。それだけでは不十分なのにそれだけで終わる人が意外と多い。
つまりこういうことだ。企業のビジネスとしてAという目的が達成したいとする。Aという目的を達成する手段としてBという手段を考え、その合法性についてリーガルチェックを依頼された。X弁護士は、依頼を受け、迅速にあらゆる法律調査をやってのけ、関係政府機関に裏をとり、法律調査の結果としては非の打ち所のない意見書を作成して提出した。さて、これは依頼者のニーズを充たしているのか。依頼者の依頼内容によるが、多くの場合はそのニーズを充たしていない。X弁護士はこう聞くべきなのだ。
貴社の考慮されたBという手段をとった場合、C、Dというリーガルリスクが考えられ、これはお薦めできません。もし貴社がA´と目的で満足されるなら、Cという方法がありえますが、これは貴社のニーズに合致されますか。
依頼者のビジネスを理解し、ニーズを探り、最良の選択肢を提供する。これが僕の信じるビジネスロイヤーの付加価値だと思う。簡単なように見えて簡単なことではない。色んな弁護士の特色があっていいけれど、僕が目指すものは「提案型リーガルコンサルティング」だ。果たしてどこまで勝負できるだろうか。
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(写真はGeorge Washington Bridge。記事とは関係ありません。)
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by neon98 | 2005-10-18 11:56 | LAW FIRM

ロッテの優勝とコミュニケーション技術
ロッテがソフトバンクを破り、優勝を決めました。玄人好みのいいチームになったものです。最優秀選手は渡辺俊介投手でしょう。投手では杉内、斉藤、打者では松中、ズレータ、城島とずば抜けた選手が並んだソフトバンクが2年連続でプレーオフで敗れたのは意外でした。短期決戦の難しさというものを感じます。小学生の頃に命をかけて「ありえない」と言い切った阪神対ロッテの日本シリーズが実現しましたが、まあ20年以上も前の話ですし、時効ということで…。

日本にいるときのようにTVで試合をフォローすることはできないので、個々の試合での用兵術を評価することはできませんが、バレンタイン監督の能力はすばらしいものですね。前回の就任の際のロッテの成績といい、今回の優勝といい、監督が変わればチームが変わるものだということを日本中に示してくれました。野村元監督の本が一時たくさん出回ったようにバレンタイン監督が本を書けばジャンジャン売れるに違いありません。

監督に必要な能力というのは色々とあるのでしょうが、個人的に一番大切なものはコミュニケーション能力ではないかと思うのです。日々個人の実績を問われ、成績が年俸に結びつく野球選手であっても、長年勝利の喜びから遠ざかり、トレーニングへのモチベーションを保てないとか、自信不足から肝心な場面で能力をだせないことは多々あるのでしょう。金のために頑張るというのももちろんあるはずですが、人間のモチベーションは金だけでは沸いてきません。選手は勝利の喜びと自己実現のために戦うものだと思います。そうした意味では、選手がこの人のためなら戦えると思える環境をつくりあげる、そうしたコミュニケーション能力が監督にとって一番必要なのじゃないかと思うのです。

最近職場での英語を通じて、職場でのコミュニケーションというのをよく考えています。顧客に対するマナーだとか、上司からの仕事のもらいかただとか、英語で話すときの方が日本にいるときよりもはるかに相手に気を配っている自分に時々気がつきます。相手のプライドを傷つけないように、物事を円滑に進められるように、相手の発言を否定しないようにという配慮について、英語で考えているとある種のコミュニケーション技術というものが浮かんできて、なんとなくバレンタイン監督と重なってきたわけです。英語を使えば使うほど、英語は日本人が思っているほど直接的な言語ではなく、婉曲的な言い方をたくさん持っていることに気がついてきました。

決定版 ハーバード流“NO”と言わせない交渉術でも、物事を前に進めるために本当に色んな言い方を工夫しています。アメリカ人ははっきり物事をいうといった一面的な見方のみで、長期的な人間関係を築きあげていくのはやはり難しいと思います。アメリカは学歴社会だし、上下関係が厳しいし、上司を批判する場合には十分言い方を考えないと自分自身に不利に働くことになります。日米の文化的な違いを一面的にとりあげるのではなく、人間は感情の生き物だという普遍的な部分を認識して、進んだ交渉技術やコミュニケーション技術というものを学んでいくのは悪いことじゃないなあと思うのでした。

大分、話がロッテ優勝からずれてきましたが、言いたいのはロッテ優勝おめでとう、バレンタイン監督はやっぱりすごいね!ということです。
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by neon98 | 2005-10-18 03:11 | よしなしごと

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