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浦島太郎脱却計画(2)-投資サービス法(仮称)
浦島太郎脱却計画もいよいよ具体化。マツケンサンバが第一弾(クリアできてないけれど…)として、第二弾は投資サービス法(仮称)ということで報告(案)程度はながめておくことにします。むろん英米法の学習なり、米国法律実務の研修も続けます。なお、報告(案)は金融庁HPから入手できます。

過去の議論の経緯を見ていないので全体像がまず把握できていないのですが、縦割りを廃し、機能別・横断的法制を目指すため、証券取引法を改組し、投資サービス法(仮称)を制定するということなので、失礼ながら金融商品販売法のような小手先の規制とは異なるようです。コーポレートロイヤーにも必須の法律になるように思いますので、概要をさらっとメモしておきましょう。

続きーClickすると課金されます(嘘)
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by neon98 | 2005-12-23 04:38 | Securities

地下鉄スト収束へーオフ会に支障なし
エントリした直後ですが、地下鉄ストは収束に向かうという論調ですね。NY Timesはまだ断言していませんが。
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by neon98 | 2005-12-23 02:36 | 日常・海外生活

振り上げた拳を下ろすにはーThe 3rd Day of Strike
本日で地下鉄・バスのストライキが3日目に突入しました。これらの交通機関がストップするとNew Yorkerの市民生活に著しい支障をきたすのですが、それにも関わらず、人々はこの状況を克服し、乗用車やタクシーに乗り合い、別の交通機関を利用し、なんとか職場までたどりついているように見えます。皆が市民生活に支障をきたす一方で労働組合側にも様々な圧力がかかっており、ストライキを維持するのは容易ではないように思います。なぜこのような異常な状況に陥ったのか、New York Timesの記事をもう少し丁寧に追いかけて考えてみたいと思います。

1. ストライキの経緯

まず、主要な争点は、新規雇用者の年金の満額受給開始年齢を55歳から62歳に引き上げるなどの年金改革にあります。当局側は先週16日金曜日のストライキ期限までに一部譲歩し、組合側に譲歩を迫ったものの、組合側は当局に1Billionドルの剰余金があることを理由として譲歩を拒否し、ストライキの期限を20日火曜日に設定しました。

公共機関の労働者のストライキは州法で禁止されており、既に13日の段階で、裁判所から労働者に対してストライキを禁止し、地下鉄・バスを運営するようにPreliminary Injunctionが発せられています。

当局側は、16日までの段階で、年金の満額受給開始年齢を62歳まで引き上げる一方で、受給資格を30年勤務から25年勤務に引き下げるなどの「最終提案」を行いました。年金改革は州立法府の法改正が必要な事項であり、当局が交渉により決定することができる事項ではないため、当局は労働組合側と協議のうえ当局・組合双方による法改正の請願を行うことを要求しています。これに対して組合側は法改正への請願は最終提案などというかたちで強制できるものではないと反発を強め、第一弾のストライキとして、19日月曜日、NY州の管轄にない(州法でストが禁止されていない)Queensのバスでストライキを開始しました。

当局は、スト開始直前に受給開始年齢を現状維持にすることを合意し、その代わり労働者の年金負担率を現行の2%から6%に増加させることを提案しています。また、今後3年間の賃上げについても一部譲歩を行いましたが、組合をこれを拒否し、20日火曜日には州法で禁止されたNYCityの地下鉄・バスにおいてもストライキを開始しました。

このストライキは親組合からは支持されず、組合内部でも全員一致で決議がされたわけではありません。組合は一日につき1Millionドルの罰金を科せられ、NY州知事、NY市長からも批判が相次ぎ、一時は組合指導者の収監を裁判所が示唆するほどでした(これにはNY市長からの反対があり、実行されていません。)。
組合側は罰金が支払能力を超えていることを理由に平然とした構えを見せていますが、組合員も一枚岩ではない中で持ちこたえるのは苦しいでしょう。

2. 振り上げた拳を下ろすには

労働組合との交渉も、労働組合側での交渉も代理人として行ったことがあるのですが、組合指導者の面子を考慮してあげないと組合としての意思決定ができないという側面が多分にあります。

当局側からは既に年金満額支給開始年齢の引き上げという提案は撤回されており、これ以上大きな提案は望みにくいのではないかと推察します。違法なストに対して譲歩をする枠組みをつくると今後に懸念を残すことになりますから、ストを契機として当局から譲歩をするというのは難しいのではないでしょうか。

他方、労働組合としても一度開始したストを成果なく終わらせることは困難です。既に個々の労働者は賃金を、組合は罰金ならびに世論の批判を受け、多くのものを犠牲にしています。違法なストであることは非難されるべきでしょうけど、立法でしか変更できない年金制度を組合に押し付けるという交渉スタイルに反発を覚える理屈はよく理解できるところです。成果なきストとなれば、指導者の組合での立場がたたないことから拳を振り下ろすのが難しいのでしょう。

米国の文化に「振り上げた拳を下ろすだけの理由」というものがあてはまるのかどうかはわかりませんが、このまま進んでもお互いにデッドロックのままで交渉に勝者は存在しません。拳を下ろすだけの理由として、ここは仲介者に頑張っていただき、「当局の提案には依然反対であり、協議を継続していくが、NY市民の皆様に迷惑をかけることは組合としても本位ではない。仲介者に労をとってもらったことや、当局が一部提案を撤回したことをも考慮して、ストライキは一時停止する。」と言わせるための大義名分を与えることが必要ではないかと思います。

本日22日木曜日、州の仲介者は労働者がストライキを停止し、職に戻る枠組みを暫定的に提案したそうです。組合の最終意思決定がどうなるかわかりませんが、これを逃してしまうと降り時を失うことになるように思います。仲介者と組合幹部の英断に期待したいものです。

<参考記事>
No Timetable Is Announced on Resumption of Service
Tough Stance, Tougher Fines: Union Leader Is in a Corner
Transit Union Calls for Strike in Divided Vote
Leaders of Both Sides at the Table in Marathon N.Y. Transit Talks
Changing Transit Workers' Pension Plan Might Pose Dilemma for Legislature
Transit Union Tries New Tack on Pensions
New Transit Talks Set; Strike Is Put Off to Tuesday
Preliminary Injunction
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by neon98 | 2005-12-23 02:13 | LEGAL(General)

PrivilegeとInternal Investigation
Practising Law Instituteで、The Attorney Client Privilege and Internal Investigationsというセミナーがあったので参加してきました。不祥事発見の際の内部調査に関しては以前からずっと興味があったので、企業側の弁護士として(1)企業の刑事罰・行政罰を回避・軽減するためにどう行動すべきか、(2)Inhouse/Outside Counselそれぞれの立場で誰に対して報告すべきか、(3)民事訴訟でのPrivilegeの確保と捜査協力、(4)Conflictと弁護士倫理などの問題について楽しくきかせていただきました。Hypoは概ねこんな感じです。

1. PはA社のCEO兼議長である。ライバルのB社の社長であるQから、A社従業員がB社のWEBサイトにハッキングし、企業秘密を盗み出していると通告され、刑事告発および民事訴訟を提起することを示唆された。PはすぐさまInhouseのIに相談し、PとIは内部調査を行うことを決定した。誰が内部調査を行うべきか。

2. PとIは最終的にOutside CounselであるOに内部調査を依頼することにした。Oは「私の調査範囲はどこまでで、予算や調査対象資料などはどうなるのか」と聞いてきた。また、報告は誰に対してするのか、書面によるべきか口頭によるべきか。

3. Oは第一次調査の結果、従業員Bが不祥事を働いている可能性が高いと判断した。また、従業員Bの部署の部長Cもまた不正を知りつつ、何もしなかったという疑いを抱いていた。OがまずCにインタビューをしようとした際、「あなたは私の弁護士ですか?私自身に弁護士が必要ですか?必要だとしたら有能な人を紹介してもらえませんか?」と聞いてきた。

4. OはさらにBに対してインタビューを試みたが、Bは弁護士を雇いたいというので後日にインタビューを延期することにした。Bは弁護士と相談した結果、インタビューに協力しないと通告してきた。A社はBを解雇できるか?〔設問を一部変更〕

5. OはA社に詳細な報告書と簡易な報告書を提出した。A社は捜査機関に簡易な報告書を提出したが、検察官からは詳細なものを見せるように言われた。どうするか。Privilegeの放棄との関係を考慮せよ。

面白かったのは、内部調査を行う法律事務所自体がAdversed Partyにあたり、開示がWaiver of Privilegeにあたると解釈する余地があるとして、不祥事の内部調査を行う際に、(1)特別委員会を設置し、(2)委員会がPrivileged書面を読む法律事務所とPrivileged書面以外の内部調査を行う法律事務所を分けて内部調査を依頼(調査事務所にはPrivileged書面を開示しない)し、(3)委員会が両方の調査報告書の大筋に齟齬がないか確認(齟齬がなければPrivileged書面は結論を左右しないから、調査事務所の調査に問題はないという理屈)し、(4)さらに、事件全体を扱う法律事務所は別に雇うということが実際行われたと聞いたこと。これにはさすがのアメリカ人弁護士も皆そこまでやるか?と思ったらしい。
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by neon98 | 2005-12-22 07:34 | LEGAL(General)

水戸黄門 and Pills
最近時々Business Law Prof Blogというのをチェックしていて、今日面白いなと思うエントリがあったのでご紹介を。

Hedge Funds and Poison Pillsというエントリでなされているのは、Wall Street Journalコラムへの批判ないし指摘です。コラム自体は読んでいないのでBlogで紹介されているエッセンスを引用します。
Hedge funds buy 9.9% each so as to not trigger a firm's poison pill plan and then work together (in "wolf packs") to influence target firm behavior.
この文脈から推測するに、そもそものコラムの内容は複数のヘッジファンドがPoison Pillを発動させない程度の株式(9.9%)を保有しようとして偶然株式を買い進めていったらどうしましょう、彼らが対象会社に対する支配権を有するんじゃないだろうかということでしょうか(別にヘッジファンドに他意はありませんが、記事がヘッジファンドなのでそのままいきます。)。個人的には、磯崎さんと47thさんの3匹のドムの方が愛嬌があって好きなのですが、ここではWolf Packsとか名づけられています。

複数のWolvesがそれぞれ投資目的で割安の企業の株式を購入することは十分ありうると思うのですが、Blog著者は大量保有報告書がお互いを発見させる役割を果たすことをまず指摘しています。
「おお、助さん、なんだ、またあんたかい。」
「蛇の道は蛇よのう。角さん、匂うんだよ、この株は。」
「助さん、おれっちの儲けを邪魔しないでくれよな。頼むぜ。」
というわけです(どういうわけだ?)。

このような場合、対象会社はどのように行動するのでしょうか。公開買付で正々堂々と攻めて来たら「この城はお前らみたいな外道には渡せねえ。」とかいって戦いやすいんですが、助さんと角さんが協力関係にあるかどうかは明らかにはわかりません。むろんそれぞれのヘッジファンドはトリガーを超えてはきません。対象会社として「おい、こいつらグルだぜ。」と言ってしまえば、Poison Pillを発動することはできるわけですが、果たして発動するだけの動機があるのでしょうか。仮に対象会社がPillを発動したとしたとしても得をするのは助さん、角さん以外の株主であって、対象会社に経済的利得はありません。Blogの著者はグループと認定しても、グループ外のヘッジファンドが喜ぶだけだと指摘しています。助さん、角さんに加えて、風車の弥七、かげろうお銀が遠巻きに見ていて、誰も本気で攻めては来ないという状況ですね。

誰もそれ以上株式の買い増しはしないんですが、それぞれ9.9%なりの株式を保有して黙ってみているという状況、あるいは助さんだけがProxy Fightを仕掛けてきた場合(他の3人は黙っているが、議決権をどう行使してくるかわからない)、どうするんでしょうね。あまり証拠なしに「お前らみんなグルだろ」って言い切れるかどうかというと相当微妙な気がします。

3人のドムがガンダムを取り囲む状況と違うのは、皆もう少し消極的で「僕は君を傷つけたりしないよ。」という顔をしていることだと思うのですが、遠巻きににやにや笑っている姿を想像しただけでもおぞましく思います。もっとも、助さんたちじゃなくてWolvesであれば仲間内でだましあいがあって、いきなり売り抜けている奴がいるかもしれないからあまり機能しませんかね?
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by neon98 | 2005-12-22 07:06 | M&A

判決の短さと裁判官の独立
Toshiさんが会見予定についてお知らせくださったのはこれだったようで、井上薫判事が再任拒否の撤回を要求(Asahi.com)されたようです。この方とは面識もなく、判決文を直接読んだ経験も(記憶の限りでは)なく、裁判官としての資格うんぬんを議論するつもりはありません。
会見で井上判事は「所長の指図は裁判干渉だ。憲法が定める裁判官の独立を侵害する。再任拒否のまま終われば、裁判干渉が公認されたという前例が裁判史上に残る」とし、「裁判官の独立も、国民の基本的人権も、絵に描いた餅になる」と話した。
かつての寺西判事補のように政治活動の自由を理由とした場合に裁判官の独立が議論になることはよくあったのですが、判決の短さというとどうなのでしょうか。

憲法上の裁判官の独立が三権分立の重要な要素として機能しなければならないことは当然としても、裁判官としての基本的能力まで再任拒否事由に当たらないという意見は少ないと思います。当事者の納得を得るために判決理由を当事者に対してわかりやすく説明すること、判決の法形成機能や上訴での反論機会を与えるために裁判官の思考過程を少なくとも専門家にわかるように説明することまでは裁判官に必要不可欠な能力であると思います。私も弁護士として裁判官の資質に対するアンケートに答えたことがありますが、おそらくは弁護士による裁判官の評価も再任の判断に利用されているはずです(弁護士による評価がすごく重視されているとは思いませんが。)。所長が裁判に介入しているとはいえると思いますが、どんな裁判を行っても干渉されるべきではないとまでは思いません。

問題は再任拒否の過程が透明性を欠いたり、ご本人に争う手段が残されているかどうかというプロセスの問題であるように思います。実際はこのあたりに批判があるのかもしれませんが。
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by neon98 | 2005-12-22 05:31 | LEGAL(General)

Plagiarismの扱い
ニュース記事をみて書きたくなったのでもう一つだけエントリ。京大教授が助手論文から盗作(Asahi.com)したということなので、関連エントリをしておく。

米国においては、Plagiarismは大学のみならず、実務家にとっても重大なルール違反として受け止められていてCitationは非常に厳格に運営されている。単なる著作権法の問題にとどまらず、著作権の切れた文献についても同様に引用しなければならない。誰かの貢献を自らの貢献として発表すること自体がルール違反なのであって、元の貢献が著作権法の保護に値するかどうかは関係がない。

ロースクールにおいてもThe Bluebookという引用ルールの本を買わされ、論文を書く際には引用ルールを細かく指導される。年度の最初にクラス全員を強制的に集め、Plagiarismについての警告が行われたくらいだ。ロースクールでのペーパーでPlagiarismの批判を受け、過去に退学になった生徒もいるようた。彼・彼女は、少しばかりの誘惑にかられたばかりに、将来を失うという高い代償を支払うこととなった。法律事務所のアソシエイトのメモでもCitationが正確になされていない文章は、内容以前の問題として評価されない。Law Journalの編集委員はこのCitationをひたすらチェックするのが主な仕事となっていることは以前書いた。

この教授の問題は、著作権法違反、盗作というルール違反にとどまらず、密室内で発生しがちな「暴力」的慣行を如実に物語っている。セクハラに続き、こういう問題が表に出てきて、これが氷山の一角だとすると、教授陣からして研究者の卵が人間として扱われているのか、疑問に思わざるを得ない。3ヶ月の停職処分というのはいささかぬるい気がする。多くの大学関係者がこのような問題に無関係であることは承知のうえで書かせていただいたので、どうぞ気を悪くしないでいただきたい。
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by neon98 | 2005-12-21 05:33 | Law School

外国税額控除についての最高裁判決
外国税額控除についての最高裁判決が注目を集めている。Tax Lawyerではないのでやや抽象論のコメントに終わってしまうけれど、この判決の射程をどのようにとらえるのがいいのか、困惑してしまう。
本件取引は,全体としてみれば,本来は外国法人が負担すべき外国法人税について我が国の銀行である被上告人が対価を得て引き受け,その負担を自己の外国税額控除の余裕枠を利用して国内で納付すべき法人税額を減らすことによって免れ,最終的に利益を得ようとするものであるということができる。これは,我が国の外国税額控除制度をその本来の趣旨目的から著しく逸脱する態様で利用して納税を免れ,我が国において納付されるべき法人税額を減少させた上,この免れた税額を原資とする利益を取引関係者が享受するために,取引自体によっては外国法人税を負担すれば損失が生ずるだけであるという本件取引をあえて行うというものであって,我が国ひいては我が国の納税者の負担の下に取引関係者の利益を図るものというほかない。そうすると,本件取引に基づいて生じた所得に対する外国法人税を法人税法69条の定める外国税額控除の対象とすることは,外国税額控除制度を濫用するものであり,さらには,税負担の公平を著しく害するものとして許されないというべきである。
企業がコストとして租税を軽減するための工夫をすること自体は正当な目的というべきで、問題は租税法の文言・立法趣旨からして「著しく逸脱」するものかどうかという点にあるはずだ。外国税額控除という制度が最高裁のいうように、「同一の所得に対する国際的二重課税を排斥し,かつ,事業活動に対する税制の中立性を確保しようとする政策目的に基づく制度」と位置づけるのであれば、もっとも租税が安くなる手法を選択し、法形式と実態が合致した取引を実行し、現実に外国において租税を負担している以上は容易にその法形式を否定すべきではないのではあるまいか。私には高裁での以下の要旨の方が説得的なように思われる。
(1) 本件取引の経済的目的は,C社及びB社にとっては,C社からB社へより低いコストで資金を移動させるため,被上告人を介することにより,その外国税額控除の余裕枠を利用してクック諸島における源泉税の負担を軽減することにあり,被上告人にとっては,外国税額控除の余裕枠を提供し,利得を得ることにあるのである。このような経済的目的に基づいて当事者の選択した法律関係が真実の法律関係ではないとして,本件取引を仮装行為であるということはできない。
 (2) 被上告人は,金融機関の業務の一環として,B社への投資の総合的コストを低下させたいというC社の意図を認識した上で,自らの外国税額控除の余裕枠を利用して,よりコストの低い金融を提供し,その対価を得る取引を行ったものと解することができ,これが事業目的のない不自然な取引であると断ずることはできない。したがって,本件取引が外国税額控除の制度を濫用したものであるということはできない。
租税という分野においては比較的容易に実質論が重視されやすいのだろうが、国益という観点からみて税収のみを考慮すれば足りるという問題ではないように思う。節税以外に重要な取引上の目的がみあたらない場合に法形式が無視されやすいということはよく言われるけれども、そのことのみをもって法形式が無視されるとした場合に法の予見可能性という部分は著しく損なわれることになる。

本件においては、手数料<外国税額という構図にあり、不自然な取引であるという認定がなされたのだろうか。この判決の射程は広く解釈されるべきではないと思う。金融の世界におけるコストには当然租税も含むと考えるべきであり、「租税回避目的」というキーワードのみで判断がなされないように慎重な対応をしていただきたい。
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by neon98 | 2005-12-21 04:33 | LEGAL(General)

Cyndellera Man
ずっと観たかった映画Cyndellera ManがようやくDVDでNetflixに入荷され、手元に届いたので早速昨夜みた。

d0042715_1133630.jpg極めて単純なストーリーで評論家には受けないだろうし、マニア受けもしないだろう。感動的なストーリーという以上に何もアピールすることはないのかもしれない。僕は、映画に高度な文化を求めないし、ストーリーは単純でいいと思っている。心に何か前向きなものや暖かいものを残してくれるか、それだけが好き嫌いの基準なので、本当に単純なヒューマンドラマに弱いのだ。

この映画、Long Island時代のMadison Squareがボクシングの会場として何度も出てくる。1929年~の大恐慌を時代背景とした一人のボクサーが家族の生活をかけてカムバックしていき、アメリカに希望を与えていくというストーリー。New Jerseyでの彼らの生活、Central Parkでのデモの様子などが描かれている。実話である。

いかにもアメリカ的なストーリーと人は言うかもしれない。その裏にはアメリカ的な単純さ、わかりやすさを馬鹿にした発想があるように思うのだが、単純だけど感動的な話に素直に感動できる子供じみた部分があってもいいと僕は思う。僕はダイハードを見て大泣きし、隣にいた当時の彼女を困惑させた人間なので、少しばかり「感動回路」が壊れているらしいが・・・。

一つだけ違和感のある点。
家族のために、これほど闘えるだろうか。
というキャッチフレーズは違うだろう。彼は家族のために闘ったのではない。父親としての彼のプライドのために闘ったのだと僕は思いたい。
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by neon98 | 2005-12-21 01:12 | 読書・映画等

司法のしゃべりすぎ?
タクシー全面禁煙望ましいと裁判所が指摘(Asahi.com)したという記事。タクシーの全面禁煙には賛成なのですが、裁判所が言うべきことはどうかは議論になりそうだ。

判決文が短いとして再任拒否が問題になった井上薫裁判官(町村教授のBlog参照)の著作に司法のしゃべりすぎという有名な本がある。判決文が短いのがどうかという部分は当事者に理由を理解させるに足りないほど短いのかどうか具体的に考えないとコメントのしようがないのだが、結論に影響しない部分で蛇足的に意見を述べるのは必要ではないという意見には基本的には賛成している。もっとも法の予測可能性を高めるという意味合いで裁判所の適用する法的思考過程を説明することは非常に有益と思っているので、結論に直結しない部分であっても説明をすべきだとは思うので、完全に同意しているわけではないのだが。

他方で、ケースブックに出てくるアメリカの判決文を読んでいると、皆好き放題書いていてびっくりするわけで、それと比較すれば多少の個人意見を入れることくらいいいじゃないかと思わなくもない。
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by neon98 | 2005-12-21 00:34 | LEGAL(General)

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