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World Baseball Classic 事情
日本チームが準決勝進出できたのはとにかくラッキーだったというほかない。メキシコチームのプライドをかけた戦いに感謝するだけだ。メキシコの打者のファウルポール直撃ホームランが2塁打と誤審されるケースが日本戦での誤審を起こした審判によりまた行われたようである(WBCサイト内の記事でも誤審であると指摘がされています)。米国戦に米国の審判を起用すること自体がおかしいわけで、WBCを野球のワールドカップと位置づけようとするにはあまりにも不公平な運営である。まあ、今となっては、誤審がメキシコの奮起を促したのかもしれないともいえるのだが。

既に韓国に2度も敗れたのに準決勝でもう一度闘えることは運以外の何者でもないと思う。3度目の正直となるのか、2度あることは・・・となるのか、乞うご期待。韓国チームが日本チームに勝利したのちに国旗をマウンドに掲揚したことを特に強調するメディアがあるだが、日本国旗を燃やすとかならともかくとして国際試合なのでその程度は当然のような気もする。それを悔しいと思うのであれば、是非与えられた3度目のチャンスをものにしてもらいたい。

さてさて、このWorld Baseball Classicだがあまり商業ベースで成功しているとは思えない。さすがに準決勝のチケットはもう入手できないが、それ以前の予選レベルだとチケットが当日でもNetで入手できていた。アメリカ人も国際試合よりもメジャーリーグの方が大切であり、アメリカが最強であることは明らかなのになぜこんな大会をしないといけないのかと思っているような気がする(アメリカが主導的にはじめたんだけど)。それとも負けたから話題にしたくないだけなのだろうか。とにかくNBAがあることもあって、全然盛り上がりを見せていないのだ。

この盛りあがりのなさは、
1. 一部メジャーリーグ球団の非協力的な態度
2. ほとんどネットでしか生放送していないこと
3. アメリカ人によるアメリカ人のための大会として運営しているのにアメリカ人の興味はNBAにしか向いていないこと
が原因ではないだろうか。

一応TV放送もあるのだが、Deportes/ESPNというスポーツ専門局の一チャンネル(スペイン語放送と思われる)でしかやっておらず、あとはネットでの有料放送のみである。しかもこのチャンネルはNYでは放送していない(特に注文すれば見る手段があるのかもしれないが)(注:数時間遅れで録画放送はやっているけれど結果がわかったのちに深夜から放送を見る気になれない。)。Liveで10ドル弱で全試合見られるので安いとはいえ、アメリカのネット環境はさほど快適でもない。途切れそうになったり、チマチマとして画像しか流れなかったりする環境で、誰がラップトップの画面で野球を見たいものか。皆でビール片手に大画面で見られる環境がないのに誰が試合を見ようと思うだろうか。ネット配信の限界を感じた大会でもあった。

アメリカで行うWBCをアメリカにいながら見ていないという不自然な状況にストレスを感じつつある今日この頃でした。
# by neon98 | 2006-03-18 00:53 | 日常・海外生活

Interview and Orientation
昨日は、NYBAR登録に際して、僕のCharacter and Fitnessを調査するためのインタビューがあったので、Committee on Character and Fitnessへ。Madison Square Gardenのすぐ側にある。昼食をShake Shackで食べようと少しうきうきしながら出かけたのだが、行って見ると
We are closed for this season. Reason? It's freeeeeeeezing!
と書いてある。むー、やられた。来週にはOPENするらしい。もう全然寒くないんだけどね。

インタビューに行くんだとオフィスの弁護士にいうと、「あれは無駄だ。僕が聞かれたのは今どこに住んでいて、どんな仕事をしているか、だけ。既に退職した弁護士をインタビュー用に雇用するためだけに存在する制度だよ。」などどいう。でも、僕の質問者はわりと丁寧に書類を読んでいて、質問が細かかった。ロースクールのApplication書類までチマチマと読んでいて、出願用に誇張された僕の経歴を確認しながら、僕の「研究成果」やら「著書」についてガンガンに質問をしてくる。
What is your opinion about Sarbanes Oxley Act?
Do you think that something should be changed after Enron?
なんて数秒では答えられない質問に真面目に答えていたら、Internal Controlについてどう思うとか、議論が深みに入っていく。危うく弁護士と会計士が儲かっただけかもしれないなんて本音を漏らしそうになりつつあるのを自粛し、わからないけれどコストパフォーマンスの点において改善の余地があるんじゃないのかなあなんてぼかして答えておいた。一体僕は何のInterviewに来ているんだろう。皆さん、ロースクールの出願書類はロースクールからCommitteeに直送されちゃうので、ご注意くださいね。

そして、今日はオリエンテーション。倫理やら、アルコール中毒やらの話があって一時間半ほど我慢していれば終わります。出願者にわりと綺麗な女性が多かったこと(何の報告だ?)付け加えておきましょう^^。
# by neon98 | 2006-03-15 02:51 | NYBar・BarBri

証券取引所の戦略
“NYSE Group is well positioned to compete and address the challenges of a rapidly changing and evolving global financial marketplace.” – John A. Thain, Chief Executive Officer of NYSE Group, Inc. プレスリリースより)

New York Stock Exchange (NYSE) とArchipelago Exchangeとが統合し、NYSE Group Inc.としてNYSEに株式上場を果たしました。まず、導入として、証券取引所の株式会社化・株式上場に伴う利害相反の問題点について関連する過去のエントリをあげておきます。

取引所の組織改革ー規則制定権と利害関係
Competition among Securities Exchanges – Redux
証券取引所がガバナンスを決める時代?
証券取引所規則の正当性?

利害相反の問題に関係して、Flecknerは(1)他市場への重複上場と、(2)自主規制機能の独立性強化という政策論を展開していたのですが、NYSE Group IncはNYSEのみで株式を取り扱っているようで、Flecknerが主張したダブル上場はしていません。また、NYSE Regulationという独立の非営利の子会社が自主規制権限を有することとされ、売買に関する法や規則の執行や、上場審査・上場管理を行うこととされています。

NYSE Group Head Opposes Separate Regulator (NYTimes)によると、NASDAQは別組織であるNational Association of Securities Dealers (NASD) に監督されているのに対して、NYSEは子会社を通じて行うこととされている点が議論を呼び起こしているようです。このあたりは自主規制のためには証券取引所と一体となって専門的知識を駆使する必要があるという立場と、営利団体である証券取引所との利益相反を解決するためには独立性が不可欠であるという立場とのおなじみの論争です。NASD側はNYSEとのJoint Ventureを設立して自主規制部門を統合するとの案を提示しているようですが、そのような立場だとAntitrustからの考察も必要とされるように思います。

もう一つのニュースといえば、オーストラリアのMacquarie Bank Ltdからの買収提案を拒絶したロンドン証券取引所がNASDAQからのより高い買収提案をも拒絶したとのニュースです(LSE Rejects $4.2 Billion Nasdaq Bid Approach:NYTimes)。公的な機能を有した営利団体である証券取引所に対して外国企業ないし外国証券取引所の買収提案がなされるということが普通に行われる時代になってきたということでしょうか。村上ファンドが大証の株式を買い進めたように、東証も上場すれば同じようなことがありうることは容易に予測されます。公的な存在であることと、買収防衛策を講じないといけない場合があることとの関係をどう考えるのか、論理必然の関係にはないので少し整理していく必要があると思います。

さて、東証といえば上場を遅らせるという報道も先日なされたところであり、今のところ動きはみえません。東証は「自主規制機能は市場運営と密接不可分な市場開設者としての機能の根幹であり、市場開設者自身が自主規制機能を発揮するのが最も効率的である」として、自主規制機能の一体運営を主張する立場で、金融庁と対立しているところです。

東証の資金需要がさほどないことを指摘する見解(見解の存在を指摘するものとして、小池拓自「証券取引所と自主規制機能―東京証券取引所の上場を巡って」)もあるようです。ただ、先日の東証のシステム障害などをみているとそもそも設備投資に対する考え方が根本的に間違っているのではないかと思われる(参考記事として読売ニュースのリンクを貼り付けておきます。)わけで、通常の数倍程度の処理能力を有する設計にするためには現在の設備投資計画ではおそらく不十分なのでしょう。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060216mh11.htm
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060120mh06.htm

証券取引所が規模の利益を享受する産業であること、流通性を高めることが上場企業の資金調達を容易にすることなどを考慮し、東証が優越的なマーケットであることは東京での雇用市場にも直結することなどをあわせて考えると、のんびりとしている状況ではないように思います。システム投資が金銭の問題だけではないことは承知していますが、金をかけないシステム投資というものもありえないわけで、処理能力なんかは現行の5倍を目指したところでおかしくないでしょう。そのために株式上場という手段をとるべきと思うのであれば、もうそろそろ時期は来ているわけで「自粛」めいた沈黙を守ることに意味はないと思います。

証券取引所の公の機能を維持しつつ、マーケットメカニズムを利用して顧客の集まる取引所を形成するという、ある意味矛盾したような話ではありますが、NYSEの上場は何かを考えるいい機会となりました。
# by neon98 | 2006-03-11 04:51 | Securities

インハウスロイヤーの憂鬱?
某所からパクってきたようなこのタイトルですが、ここでのインハウスロイヤーというのは資格の有無を問いませんので「企業内の法務担当者」くらいの意味合いです。

ろじゃあさんのところの企業法務マンの生きる道?というエントリを拝見して、常々思っていることを少し書いてみます。Popoluさんの企業法務マンの生きる道というエントリにある
法務部勤務になって丸3年が過ぎようとしていますが、最近私は自分のキャリアに危機感を抱いています。今後日本が訴訟社会化し、法曹改革で弁護士が増えれば、企業内の法務部の存在意義がなくなるのではという危機感です。
というコメントを契機にしてろじゃあさんが企業法務マン(企業法務パーソンといった方がcorrectでしょうけど、このままいきます。)としての重要性なり、資格に甘んじる「弁護士」への叱責なりを含んだ興味深いエントリをされています。

まず、ろじゃあさんは通訳としての企業法務マンの役割として、案件を弁護士に理解させる能力と、所見を担当部署に理解させる能力をあげておられますが、これは当該企業のことを本当に熟知していないとできません。ビジネスのニーズなんてわかっちゃいない弁護士に教えてあげる姿勢と、リーガルのことなんてわかっちゃいない現場なり、役員なりに教えてあげる姿勢はまさに企業内にいないとできない職務でしょう。

弁護士との法律相談のときの人選はとても大切だと思います。事実を適格に把握している現場の方を相談に連れていき、事実をきちんと伝える。重要な事実が少し違うと「あてはめ」の部分が全然違う場合が多い仕事ですから、弁護士の判断を間違えさせないとともに、弁護士に「知らなかった」という言い訳を与えないことは大切と思います。

私は通訳以上に大切だと思っている役割は、「問題発掘者」としての役割です。弁護士なんて監査をしないといけないわけではないし、聞かれた問題だけ答えるという側面がないではないです。頼まれてもいないのに、「あ、それ、法的には問題ありますよ。」なんて弁護士は言ってくれないわけですから、まず初期対応をするのは「問題発掘者」としての企業法務マンです。外部の弁護士は「僕は知らない」という言い訳を常にかかえている中で、企業法務マンはある程度内部のことを知っているわけですから、大変です。外部の弁護士が顧客を通じて業界のプラクティスなり、契約書のスタンダードを知っているとすれば、内部の企業法務マンは業界のプラクティスにもっと詳しくて、部署横断的なチェックポイントの役割を負っているんじゃないでしょうか。企業の法務部門に必要な知識って圧倒的に広いですし、「僕M&Aしかしないからヨロシク」なんてわけにはいきません。事実と法律と両方について「僕知らない」の抗弁がたたないのはすごいプレッシャーだと思います。問題を発掘した後は、しかるべき弁護士なり、会計士なり、その手の専門家を選び、社内での報告なり方向性を出し、営業・IR・経理といった部署との間もつなぎ・・・なんてことも要求されるすごい仕事ですよね。

これだけ重要な職責を負った法務担当者の職責が重くなることはあっても、それが軽くなることはないんじゃないでしょうか。

それとは別に、弁護士資格保持者が企業内弁護士として入ってくると資格のない人はどうなるのだろうという危機感をお持ちの方と話をしたことがあります。私は弁護士資格を持っていて、それが自分の人生に多少なりとも有利な面が多いことを知っているので、資格が関係ないなんて嘘は述べられません。資格の有無が転職に有利とか、給与に響くとかいう要素はあると想像されますし、知らない人にこいつは法務のプロだという推定を働かせる役割としてあった方がいいに決まっています。でも、そういう短期的な利益は、社内での実績を積むにつれ、メリットがなくなりますから、最後は所詮実力勝負です。

弁護士資格を持っていないと困る場面って実は企業内法務担当者としてはそんなに多くないんじゃないかと思います。訴訟代理業務(支配人登記すれば別)とか、DiscoveryでAttorney-Client Privilegeが認められるとか、あるにはあって、特に後者なんかは米国で訴訟に巻き込まれるおそれのある日本企業にとっても重要でしょう日本企業だとそうでもないですよね(ご指摘のとおり、かなり言いすぎなので訂正)。有資格者の採用にこだわる企業もさほど多くないでしょうし、日本の法曹人口の少なさをカバーされてこられたのは資格なしで法務担当者が重要な役割を担ってこられたからではないかと思うのです。

プレッシャーのある大変な仕事ですし、競争も激しいし、新しいことをどんどん勉強していかないといけないわけですから、危機感を持つことは必要不可欠なんでしょうが、企業内法務部はますます繁栄の時代を迎え、わかっちゃいない弁護士は淘汰されていくんじゃないかと思う今日この頃でした。さて、生き残りをかけ、頑張りますか。
# by neon98 | 2006-03-09 12:37 | LEGAL(General)

インセンティブの「功罪」(ヨタ話)
インセンティブと利害からの独立性みたいな話について想いをめぐらしていていると、司法修習生になる前にちょっくらインドに行ってきたときのことを思い出した。

デリー空港でのトラブルが多いことはかなり有名である。今はどうか知らないが、インド旅行中にあった人だけでもかなりの割合でトラブルに遭遇していた。タクシーに乗ったら助手席にも変な奴が乗りこんできて走り出し、旅行業者のところに連れていかれて監禁状態に置かれ、数100ドルのツアーチケットを買わされた奴。バスに乗ろうとして案内係につれていくと白タクみたいなバンに乗せられて土産物屋に連れて行かれた奴。タクシーを変なところで止められ、数人に囲まれ、法外な料金を要求された奴。オートリクシャーに山の中に連れていかれて財布を奪われた奴。そんな素敵なデリー空港に到着したのは夜中の1時すぎ。デリー空港を脱出するにあたってかなり警戒心を抱いていた僕はとにかくインド政府が運行しているバスに乗ろうと決心した(注:政府系でも多分に信用できないことが多いので注意してください。)。両替を済ませ、Transportationの案内に従って進み、二度と空港建物内に戻って来れない自動ドアを超えると・・・・。
インセンティブの「功罪」(ヨタ話)_d0042715_351711.jpg
どれが政府運行のバスチケットを販売しているブースかがわからない。何の案内もない。普通は誰かに聞けば解決するのだが・・・。隣にいる男に政府バスのブースはどこか聞くと、Aブースに行けという。隣から違う奴が声をかけてきて、Bブースだという。さらに違う奴がきて今日は国民の祝日だからそんなバスはないので、タクシーに乗れという。お前専用にリムジンを予約しておいたというとっても親切な奴もいた。他の奴らはとにかく大声で叫びつつウヨウヨと囲んできて何を言っているのか全くわからない。

僕は何が何だかわからなく、しばし立ち止まっていたが、周囲の客引きたちから荷物を防衛するのにも限界を感じてきた。空港建物内の安全地帯には一方通行でもう戻れない。僕はその場で考えていることに限界を感じ、意を決した。僕は、政府機関のカウンターと目されるところの前にたち、こう言った。

                     犯人はお前だ。

続きはコマーシャルの後30秒後・・・チャンネルはそのままで!
# by neon98 | 2006-03-08 04:33 | よしなしごと

法律Blogよりも奥深いよしなしごとを目指して

by neon98
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