学生による教授評価
米国ロースクールで良いと思えるところは、学生による教授評価がなされ、それが学生に公開されているところだ。周囲の留学生に聞いたところ、このような制度を取り入れている国は少ないようで、教授との距離の近さ(質問のためのオフィスアワーを毎週確保したり、E-mailにも親切に対応してくれる。)や教授の評価制度がその終身雇用(tenure)に影響したりするところはいいところだと留学生の間で評判だった。

学生は、教授が学生の名前を覚えているか(100人を超えるクラスで実際に覚えているのだからびっくりだ。)など非常に細かい評価項目別に5段階評価をつける。もちろん匿名であり、最後の授業の際(試験の前)になされるので良い成績をくれる教授が良い評価をされるという心配もない(課題が多すぎるから嫌だったという評価はありうるだろうけど、それも一つの評価として正当ではあると思う。)。

日本でも導入すべきという議論は以前からあるが、導入されている例はあまり聞かない(というか私は聞いたことがない。)。成績評価が厳しい教授が悪い点をつけられるのでは?との懸念も聞くけど、学生はそんなに馬鹿じゃないと思う。消費者とした高い金を支払って勉強している以上、それに応じたサービスを享受できるようにシステムを考えるべきだし、教育にも(もちろん研究にも)熱心な教授が相応の評価を受けられるようにしないと教授間の不公平間が残るのではないだろうか。教育にも力を入れるシステムを作る一方で、教授陣の待遇をなんとかしろとの声ももっともだけど。
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# by neon98 | 2005-05-27 05:06 | Law School

BarbriとLaw School
米国では司法試験のシーズン。こちらでは、司法試験対策とロースクールの授業は完全に別と考えられていて、ロースクールの授業では法律家としての考え方をDiscussionを通じて身につけさせるのが目的であるのに対し、司法試験は細かいルールを身につけることが必要となる。講演前の話し手が講演の前日に一度話す内容を練習してみるというのに近いんだとか。結局、どちらも大切なんだろうけど、Barbriのテキストの中には、こんなルールも知らずに実務にはたてないよなあという内容もかなりある。

日本の司法試験とロースクール制度の詳細は実は勉強不足で、よく知らなかったりするのだけど、ある知識を整理して、吐き出すための予備校式の勉強だって、決して馬鹿にはできないと思う。基本書だって、全体像がみえてから読まないと、なかなかわからない。皆時間の限られた中で、広い範囲をどのように記憶に残していくのか、悩みつつ、勉強していくのだ。と、自身の受験時代を思い出したりなんかする。

米国ロースクールでは、Case Bookだけで基本書に相当するものすら使わないことが多い。基本的な概念すらわからないまま、CaseのDiscussionをしている学生が多くて、最終的には学生の意見や質問は無視することにしていた。日本のロースクールの方が司法試験の内容との乖離は少ないような気はするけれども、日本でだって、たぶん授業だけで合格する人なんてあまりいなんじゃないのかな。僕は専ら、予備校のテキスト(概して間違い多し。WセミナーのDEVICE民法はよくできていた。)をノート代わりに、重要箇所のみ基本書を読んでいた。ノート代わりというのがミソで、項目の整理とか、知識の体系化、概念の把握に利用する限りにおいては、非常に有益だった。

ということで、しばらく詰め込み勉強モードになります。なにせ、ほとんど知らない科目ばかりなんで、詰め込まざるを得ないんだけど、丸暗記っていったって、ある程度、理解しないと記憶に残らないんだよね。
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# by neon98 | 2005-05-26 00:41 | Law School

Japanese Snowman
d0042715_7483116.jpgなんとアメリカ式のSnowmanは、頭・体・足と球3つで構成されるんだと。「足はどこにあるんだ?」と言われてしまった。もちろんこれも数ヶ月前の写真。
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# by neon98 | 2005-05-25 21:01 | Photo

ブッシュ/世界を壊した権力の真実
ブッシュ/世界を壊した権力の真実を読む。9/11以降行われた初の大統領選挙を身近に体験した者としては、アメリカの変化を叙述(やや根拠に欠けると思われる点もないではないが。)したこの本は面白く読めた。

カレル・ヴァン・ウォルフレンの作品ははまると面白いが、主張に違和感を持つと途中で挫折してしまう(と私は思う)。彼の他の作品(名前は忘れたが。)では、意見に同意できず、乱暴な論理に耐えずに読むのをやめてしまった。紙幅との関係もあろうが、具体的根拠をもっと引用して説得性を持たせるべきとはいえるかもしれない(例えば、マスメディアの性質が合併等により変わったというのなら、もう少し具体的に根拠を引いたほうがいいだろう。)。

まあその点はさしひいて、素直に(批判的に読もうとするとつっこみがいが多いので)読めば理解できる主張も多い。9/11がアメリカ人に与えた影響ということについては、今度直接アメリカ人に聞いてみようと思う。人種・地域等により相当意識差があるかもしれない。
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# by neon98 | 2005-05-25 06:41 | 読書・映画等

Affirmative Action
Affirmative Actionは、差別解消積極措置などと訳される。「英米法辞典」田中英夫(東京大学出版会・1991)。以前述べたような教育機会の格差の存在から、入学時の人種差別を禁止するというだけでは、少数民族に対する教育機会の確保を実現できないことから、一部の大学では少数民族を一部優遇して入学を認める措置を採用している。但し、このような措置が憲法上許されるかどうかは問題である。Grutter v. Bollinger, 539 U.S. 306は、ミシガン大学ロースクールにおけるAffirmative Actionを扱ったケースで、Diversityを実現する一要素として人種を考慮することを合憲とした。

但し、Affirmative Actionが自動的に合憲とされるわけではない。Affirmative Actionも他の人種差別と同様に厳格な司法審査の対象となり、Minorityであることを理由として自動的にポイントを与える制度や、一定の人種に一定の合格人数を割り当てる方式は違憲とされている。要は、フットボールで好成績を収めたとか、特殊なBackgroundの一環として人種を考慮することも許されるということである。

オコーナー判事による判決文の最後には以下のような記載がある。
We take the Law School at its word that it would "like nothing better than to find a race-neutral admissions formula" and will terminate its race-conscious admissions program as soon as practicable. See Brief for Respondents Bollinger et al. 34; Bakke, supra, at 317-318 (opinion of Powell, J.) (presuming good faith of university officials in the absence of a showing to the contrary). It has been 25 years since Justice Powell first approved the use of race to further an interest in student body diversity in the context of public higher education. Since that time, the number of minority applicants with high grades and test scores has indeed increased. See Tr. of Oral Arg. 43. We expect that 25 years from now, the use of racial preferences will no longer be necessary to further the interest approved today.
私は、このような問題に対して良い悪いを判断する立場にない。必要性も理解できるが、他方でいずれのロースクールに入るかがその人の将来を決める大きな要素となる現行制度でどこまでAffirmative Actionが許されるのだろうか。25年後には、Affirmative Actionが必要でない世界になればいいとのオコーナーの意見に深く同意する。
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# by neon98 | 2005-05-22 00:54 | LEGAL(General)

Ice Festival
d0042715_752433.jpg数ヶ月前のIce Festivalの写真。 
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# by neon98 | 2005-05-20 03:11 | Photo

シカゴ
d0042715_7532026.jpg最初に頑張りすぎると日記を継続できない人の典型例が僕だ。今までに1週間以上継続できたためしがない。ということで、お気に入りのシカゴの写真でお茶をにごす。シカゴ大火災の後、全米から建築家が集合し、この街を修復したらしい。シカゴのダウンタウンは美しい。日本にいると街に特色がなく、特に地方都市の中心街はどこも同じ景色。機能的に多少不便でもいいものは残していかないと、日本の文化に対する誇りはうまれてこない。
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# by neon98 | 2005-05-19 05:57 | Photo

Central Park NY
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大都会の憩いの場。
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# by neon98 | 2005-05-17 17:18 | Photo

米国ロースクールってどんなとこ?
米国ロースクールについてお知りになりたい方は、多少古くなるが、現在でも貴重な価値を有する一冊としてアメリカン・ロイヤーの誕生を一読することをお薦めする。ご存知の方が多いと思うが、薄くて安いうえ、阿川尚之氏の経験談を通じて米国ロースクールの実態を楽しく読むことができる。

阿川氏のジョージタウン・ロースクールへの留学期間は、1981年からの3年間であるが、現在読んでも多くの点で共感することができる。留学前に熟読し、終了後の現在再度読み直しても読み応えのある一冊である。阿川氏が留学されたのはJDプログラムなので、多くの日本人が参加するLLMとは異なるが、周囲のJD、特に1Lと呼ばれる1年生の行動をみているとなるほどと理解できるものがあった。

もう一つ、阿川氏が翻訳に参加された本であり、ロースクールとは直接関係がないものの、一読の価値のある名著として、
ユダヤ人の歴史(上)ユダヤ人の歴史(下)を紹介しておきたい。

追記(5/18/2005)
リーガル・エリートたちの挑戦ーコロンビア・ロースクールに学んでを読む。著者は日本弁護士資格を有するダグラス・K・フリーマン氏。体験記として面白く読めるので、お薦めです。
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# by neon98 | 2005-05-08 12:44 | Law School

国際化と人種差別
私は、「国際化」という言葉の持つ浅はかさにどこか拒否感をいつも感じてしまう。日本でいう国際化という言葉の使われかたとして、英語を学ぼう、留学をしようといった、なにやら楽しげな響き(特に欧米のみを向いている)しか感じとれなかったからかもしれない。

米国に住んでいるとよく見かける光景だが、バスの運転手などの現場労働者、給与水準の低い職業はAfrican Americanなど伝統的に差別を受けてきた人種が大半を占めることは常々実感する。伝統的な差別は、所得水準の格差の拡大、公共教育の水準の低さとあいまって、次の世代に再生産されていく。Brown v. Board of Education判決以降、人種により学校を分けることは禁止されてきたが、実際には居住地域に一定の人種が固まってすむことにより、特定の学校に特定の人種が固まる傾向にあるようである。人種による居住制限を定める法律も同様に違憲とされたが、現在でも黒人(少なくとも英語の文脈では"Politically Collect"な表現ではないが、日本語の文脈でわかりやすく伝えるためにこうしてある。)が引越しをしてきた地域の周辺からは白人がでていき、地価が下がり、税収が減少し、教育水準が下がるということがあるということをアメリカ人から聞いた。

私は米国では所詮外国人であり、歴史的、政治的に正確な知識をもって、この問題を論じることはできない。また、人種差別はいけないと皆が頭では理解していることを簡単に口にするだけのことに特に意味を見出せない。日本で人種差別がすくないかというと決してそんなこともない。
国際化というのは、人種も、言葉も、生活習慣も全く異なる人間が隣人となり、摩擦の中で生活をしていくことではないのだろうか。最近でこそ国際化という言葉を耳にすることが少なくなったが、かつては言葉が違うことからくるミスコミュニケーションとか、生活習慣やルールの違いから来る摩擦だとか、負の面を無視したイメージを植えつける使い方をする人が少なくなかったように思う。治安の悪化とまで至らなかったとしても、小さなことからいえばゴミだしのルールを守らないとか、パーティーをして騒がしい(日本人同士でもよくありうる話だが)とか、日常生活の中でもありうる色々な不都合を具体的に想定した言葉とは思えなかったのだ。

差別は現に存在することを実感するとともに、それを克服しようとする力も強く働いているというのもまたアメリカの真実であるように思う。次回はAffirmative Actionの話をとりあげようと思う。
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# by neon98 | 2005-05-07 13:55 | LEGAL(General)

End of Year
Blogの初めのタイトルがEnd of Yearである。某大学ロースクールLLMのAdademic Yearが終了した。留学中に考えたこと、感じたことなどを特に分野を限定せず、書いてみようと思っている。何せ、PC音痴であり、手探りでのBlog開始である。目的はまさに備忘録であり、これが一つの刺激になり自分の向上につながればよし、飽きてしまえばいつでも終わる、まさに自分のためだけのBlogにすぎない。当然不定期更新で、気が向いたときだけ書く。まあ無料の日記にすぎない。別にバレて困ることは書くつもりはないが、あいつは暇だとか言われる(笑)のも癪なので、とりあえず匿名で運用してみよう。
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# by neon98 | 2005-05-06 12:48 | Law School

Day 10-11 Rocky Mountain: 旅の終わりはいつもハプニング
いよいよ2004年8月の旅の記憶も終焉を迎える。国立公園巡りの最後はDenver方面へ向かい、Rocky Mountain National Parkである。Estes Parkという麓の村でホテルを押さえる。この時点で既に標高2,500メートルくらいである。観光客がわりと多く、わりとまともなレストランもある。それから早速頂上へ向けてドライブをする。午後からの雷雨もあがり、少しずつ晴れ間がみえてきた。
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この写真の時点でほぼ車でいける最高点。舗装道路では世界最高の標高3,714メートル地点近くである。デンバー市内からほとんど真っ直ぐ一気にあがってきたせいか、体が気圧についていっていない。頭痛と寒気、心臓がバクバクしている。標高の高いこんな地点を通るこの道、ガードレールも何もない。
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最高点近くでこのような写真をとり、すぐに退散。やはり3,000メートルを超える場合はもう少しゆっくりあがってこないといけないのかもしれない。ヒマラヤトレッキングでは全く平気だったので少しナメていたのかもしれない。歩いて登る場合とドライブで来る場合とでは全然違うことを実感。

d0042715_121327.jpgこの国立公園ではたくさんの鹿に出会った。リスもこんなに近くまでやってくる。熊さんには残念ながら(?)お会いすることができなかった。時間があれば高山植物園に立ち寄るのみいいかもしれない。我が家はそんな時間があれば食欲を充たしてしまう人員構成なのだが。旅のラストディナーはEstes Parkでメキシカンレストランへ。メキシカンをたいらげ、ぐっすり就寝。明日は帰宅予定日だ。

Day11の朝、僕はとても爽やかに目覚める。小鳥たちのさえずり。肌寒いけれど美しい朝。霧の中で輝く高山植物が美しい。僕は朝食を仕入れに車を動かし、マクドでモーニングセットを調達。部屋に戻り、家族を起こす。うーん、美しい朝だ。朝食をたいらげ、念のため、航空券を確認。デンバー空港でレンタカーを返却するのでやや早めに着かないといけない。フライトは何時だったかな・・・。


うん?タラリーン・・・(一瞬の緊張)

携帯電話で今日の日付を確認する。


タラリーン・・・(流れる汗)

飛行機は既に飛んでいる・・・(「お前は既に死んでいる」風にお願いします)

10日間の旅行を計画した僕は、9泊10日の旅行を10泊11日と思い込んでいたらしい。しかも悪いことに・・・


父と母が留学先を訪問することになっており、あと数時間で父母が留学先の空港についてしまう・・・タラリーン・・・(ヤバシ)

あせって飛び出し、高速道路を空港に向けて走りだしながら航空会社に電話する。オペレーターにつながらず、時間をロスする。こういうときは東京にかけた方が早いんだよなと思いながらも電話番号がわからない。携帯の電話番号は両親に伝えてある。空港までとりあえず行こうと決心する。

空港カウンターで交渉し、少しの追加料金で今日の便をゲットする。両親は既に空港に降り立っているようで伝言は頼めない。教えてある携帯電話には何もかかってこない(注:帰る日を間違えた間抜けな息子と、間違えた携帯番号をメモってきたお馬鹿な父の姿があった。)。着陸先の空港に電話してアナウンスをお願いするも連絡はない。

あせっても連絡手段はない。早く帰る手段もない。しょうがない。うまいランチでも食うか。僕たちはあせる気持ちを落ち着かせ、ゆったりとした気持ち(投げやりともいう)で中華料理を楽しむ。ごめんな。親父とお袋。できの悪い息子で悪いね。6時間ほど経過したのちにようやく留学先の空港へ到着。タクシーに飛び乗り、とりあえず自宅へ。ドアにはさまれたメモを発見。
空港に迎えに来ないのでタクシーでアパートまで来ました。○○INNに宿泊しています。連絡をください。父より。
偉いぞ。親父。さすがに住所は持参したか。親父。ごめんね。両親。早速ホテルへ行く。ようやく会えたぞ。両親。父は苦笑い。母は本気でキレテいた。
ごめんなさい。もうしません。

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# by neon98 | 2004-08-18 11:44 | 2004年8月国立公園巡り

Day 8-9 Mount Rushmore and Devil Tower: UFO来襲
Day 8はBad Lands National Parkへ。走行距離600マイルで今日もくたびれる。子連れの旅行としてこれは限界に近い。この国立公園に来たのは予定外であり、少し欲張りすぎたと大いに反省する。
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Day 9の朝からBad landsを一時間ほど見た程度で退散。面白い風景ではあるが、国立公園を散々見てまわった後だけに新鮮味に欠ける。午後からはMount Rushmoreへ。映画でよく拝見していた光景だけれども目の前でみると違うものだ。左からジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーン。14年間もかけて彫られたのだそうで、よくやるもんだと感心。
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夕暮れ近くなってようやくDevil Towerにたどりつく。高さ386Mの巨大な一枚岩。どうみても自然のものとは思えないこの形状なんだけど、自然のものなんだと。このデビルタワーは幾つもの民族との宗教的関係を有しているらしい。UFOの基地と言われたって信じそうなかたちだから宗教的意味くらい持たされても不思議じゃないだろう。スピルバーグの「未知との遭遇」はここが舞台となっている(らしい:みたことがないので^^)。
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ちなみにDevil Towerのふもとにいるプレーリードッグはとてもかわいい。アメリカ大陸の中ではメグ・ライアン(但し、イメチェンを図る前)に次ぐかわいさかもしれない。
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# by neon98 | 2004-08-16 02:02 | 2004年8月国立公園巡り

Day 5-7 Yellow Stone: Let it be
これだけ雑文を継続してもアクセス数が落ちてこない。実は読者の皆さんは僕の旅行記が読みたいのではないか、と思ったかどうかはともかくとして、まあ最後まで書いてしまおう。旅行のときの思い出とか文章にする機会なんてないもんね。

随分走ったもので、Montana, Idaho, Wyomingの州境にあるYellow Stone国立公園にたどりつく。アメリカで徐々に距離感を失いつつある僕たちであった。モンタナといえばモンタナの風に抱かれてだなあとか、リバー・ランズ・スルー・イットの舞台もここだなあ、フライ・フィッシングやりたいなあなんて考えながら車を走らせる。

間欠泉と動物たちで有名なこのイエローストーンは実は1988年に大きな山火事にあっていて、今でもその跡を残している。自然の復興のために苗木を植えようという議論があったらしいのだが、自然の回復力に任せようという方針でそうしたことはされていない。特に日本の山だと植林がほとんどであり、木材としての価値と成長の早さなどの観点からスギばかりが植えられている地域が多いが、花粉症の脅威もさることながら、水害の危険性なども指摘されているようである。しかも一度スギ林として成長してしまうと手入れせずに元の自然林の状態に戻すのは相当困難なようであるから、自然に直すという東洋医学的処理が一番正しいのかもしれない。
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俺だったらここに温泉掘るだろうなあ、なんて嫁さんと一緒にくだらないことを話しつづける。温泉玉子に温泉饅頭を売り、「地獄のナイアガラ」とか下らないネーミングをつけて観光地化し、鹿を調理して食べさせる。主に西海岸からの客を集め、冬は雪景色の中での温泉生活を楽しんでもらうのだ。流行らないだろうね。きっと。やっぱりこのままがいいんだ。
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まあ、そんな感じでイエローストーン行ってきました。この写真2枚は以前載せたエントリから引っ張ってきちゃいました。ちなみにイエローストーンは結構広いので、最低2泊3日は覚悟してください。
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# by neon98 | 2004-08-13 16:06 | 2004年8月国立公園巡り

Day 4 Bryce Canyon and Salt Lake City: トキメキ、失望とGo City!
d0042715_18465881.jpgDay 4は朝からBryce Canyonへ。ある意味でGrand Canyonよりも楽しみにしていた場所である。Grand Canyonとは石の種類や色合いが全く異なる。美しいのだが、僕はいささか延々と続く砂漠の風景に疲れてきつつあった。どこまで走ってもあまり代わり映えのしない風景だ。籠の中の車輪で走るしかないハムスターはきっとこんな気持ちなのだろうなあ。American Dreamへのトキメキ、一目惚れは長くは続かない。僕にはゴールドラッシュで西へ向かう気概はないようだ。街へ行こう。そう思った。街へいけば何かがあるに違いない。Salt Lake Cityへ向かう。

わが子は車の後ろで退屈に苦しんでいる。砂漠の中で暴走している両親は自らを無視しつづけている。泣き疲れて寝るしかないようだ。親は親で持参した子供用の音楽を聴くのに飽き果てている。一日8時間くらい同じCDをかけろと要求されつづけているのだから当然だ。わが子が発狂寸前に泣き始めた頃にようやく街が見えてきた。モルモン教徒の街、Salt Lake City。ホテルを探しつつ、街中をドライブしているとなんとなく街の様子がわかってくる。結論からいうと僕たちはこの街をとても気に入った。僕のお気に入りのChicagoのダウンタウンも美しいのだが、それとは違う次元で美しい。ちなみにNew Yorkの街はお世辞にも美しいとはいえない。一部綺麗な建物や綺麗な通りはあるし、夜景はきれいだが、街が綺麗というのとはちがう。

d0042715_18481284.jpg違う次元での美しさを創りあげているのは、寺院を中心に作られた街ゆえの生活感のなさかもしれない。寺院の周囲に大学らしきもの、宮殿、ホテルが集まり、路面電車と馬車が行き交う。人通りも多すぎず、歩道の広さも散歩に心地よい。車のマナーが不思議なほどよい。早速ホテルを探してチェックインし、すぐに寺院を見学しにいく。美しすぎる。敬虔な仏教徒ということにして説教は遠慮したが、礼拝時の演奏も見学させてもらう。相互作用がうまくはたらいている限りにおいて、宗教と街の美しさと人のマナーは関係しているのかもしれないなと思った。

d0042715_18485633.jpgホテルのコンシェルジュにおいしいItalianを紹介してもらう。300 SouthとWest Templeの交差点にあるChristopher’s Macaroni Grill。ビールはHeaven’s Aleというものを薦められた。とても美味しかったので名前をメモして帰ったが、その後どこでも発見することができないままでいる。New York以外で唯一まともなItalianを出す店だった。アルデンテのパスタが出てくるだけでもたいしたものだ。僕たちは国立公園巡りの後半戦に備えてじっくり英気を養うことができたのだった。

〔次は伝説のイエローストーン編〕
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# by neon98 | 2004-08-12 18:52 | 2004年8月国立公園巡り

Day 2-3 Grand Canyon:「トキメキ」
Ritzっていいなあ、一つ一つの細かいところまでこだわった内装とサービスが日本人にはたまらない。VegasだからRitzも安いという理由で初日にRitzだけどこれから当然ホテルのランクは下がっていく。アメリカの良さはあちこちにMotelが林立していて、よほどの都市部でない限り予約なしで飛び込んでまず問題がないこと。本日の目的地はGrand Canyon。夏なので一応Holiday Innを予約しておいた。あとはひたすら走るのみ。ホテルの敷地内をぶらぶらしたりしたせいか、Startが遅れる。Grand Canyonに到着した頃には午後4時頃。

d0042715_1030993.jpg20数年ぶりのGrand Canyon訪問に僕はあまり期待していなかった。初めて訪問する妻子が感動すればいいだろうし、「一度は見ておけ。Grand Canyon。」(by neon98)と言われる場所をまさか外すわけにはいかないのでいったのだが、受けた感動は「想定外」だった。壮大な光景をいざ自分で車を走らせ、圧倒的な光景を見ていると諦めに似た感動をおぼえてくる。無限のパノラマが欲しいくらいだ。とてもうまく写真では表現できないこの光景。ちょっとは写真をのせておこう。d0042715_1031558.jpg
ヨーロッパの階級社会を追い出され、あるいは飛び出てきた人達の目の前にある広大な土地。アメリカ人の声の大きさと自己主張の強さがわかったような気がする。この広さじゃ、多少の声の大きさとパフォーマンスじゃ消えてしまう。テキーラ、ビール、ピストルをぶら下げてピックアップトラックに乗って、俺っち一番と思いながら大声で走り続けないと金塊を手にすることはできないのだ。一番になった奴には文句なしの栄誉が与えられる、アメリカ社会で全力疾走する彼らの真髄をみたような気がして、僕はAmerican Dreamにしばし「トキメキ」を感じていた。広大な土地にロマンを感じるようになるとピックアップトラックに乗りたい気持ちがよくわかる。こんな土地シビックでは走れない。もっとワイルドさが必要だ。
d0042715_10321352.jpgDay 3はGrand Canyonを出てZionへ。American Dreamには肉だろ、なんて意味不明なことを思いながらハンバーガーとメキシカンを食べる僕に妻子の視線は冷たかった。そう、子供の食うものがほとんどないのだ。今回の旅は炊飯器を持ち合わせていない。国立公園のド真ん中で娘が確実に食するであろう日本の食物を発見することはほぼ不可能である。マカロニチーズはまずすぎる。ミニハンバーガーはどこがミニやねんというデカさで一口しか食べなかった。訪れるところのいずれにもコメのメニューがない。もちろんうどんなど食えるはずもない。American Dreamに沿った食事を継続すると気分はいいが、子供がやせ細ってしまう。こういう時にはChineseの助けを借りようということで、コメも野菜も食べられるChineseバイキングへ。助かった。ありがとう、Chinese。Chineseならアメリカ全土どこでもある。このとき以来旅行のときにはChineseレストランを重宝するようになった。

これだけ広かったら「一所懸命」なんて言葉生まれないだろうなあ。10センチの土地の境界画定訴訟なんか必要ないよなあ。なんか日本人が「コマカイ」性格になるのはしょうがないよなあ。こんなドデカイ土地の中で育ったアメリカ人がトコトン細部にこだわったような製品作るの無理だよなあ。

都市部と地方とで政権の支持基盤が違うのがよくわかる。こんな地方で育っているとワイルドな匂いのしない大統領候補ケリーなんて支持するつもりにならないだろう。このあたりのドライブなどパリ・ダカールラリーに出場したようなものだ。諦めに似た感動を感じながらAmerican Dreamに少しの間だけトキメキを感じていた。

〔魅惑のSalt Lake City編へ続く〕
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# by neon98 | 2004-08-10 10:28 | 2004年8月国立公園巡り

Day 1 Las Vegas: 「自分の殻」
今日の気分はやや文学的だ。Marvin GayeのWhat's going on?のバックに流れるセクシーな吐息のせいか、地下鉄の駅にある洒落た広告をみて久しぶりに口にしたジョニ黒のせいかはわからないが、とにかく何かが無性に書きたくなった。夜一人の空間で、意味がわからないが耳に心地のいい音楽と、ウイスキーグラスに注がれたScotchと氷の奏でるハーモニーを聞いていると、自分に陶酔した文章を書いてしまうのも致し方のないことだ。

2004年8月のある日、Las Vegasの空港に降り立つところから僕の記憶ははじまる。砂漠の中のオアシスに欲望とエンターテインメントの街が突然あらわれる。空港の中からいきなりスロットマシーンが並ぶ。子供を抱いてスロットマシーンを眺めていると警備員が飛んできて、未成年者禁止ゾーンだから子供をつれて入るなという。通路のど真ん中にカジノを設置しておいて近寄るなもないだろうとぶつぶつと日本語で文句を言いながらスロットマシーンから離れる。近寄ったからといって、2歳にもならないわが子に何ができるというのだ。ヨダレだらだら攻撃をスロットマシーンに仕掛け、税収のもととなる機械を破壊することをたくらんでいるとでも思うのだろうか。おっと、自己陶酔の気分がヨダレだらだら攻撃を想像することによって失われてきた。元に戻そう。

Las Vegasはスペイン語で「草原」を意味するらしい。砂漠の中でのオアシスとしてLAまでの中継点として発展してきたLas Vegasらしいネーミングだ。ギャンブルが一時禁止された時代でも地下賭博が盛んだったらしいこの街はギャンブルの合法化によって経済を成立させ、NJのアトランティックシティというライバルが登場した後はエンターテインメントにも力を入れている。ネバダ州の税収の43%がギャンブル税により稼ぎ出されているという。シカゴマフィアとの関係なんかも興味深い。

d0042715_740130.jpg空港でレンタカーを借り、西海岸的Free Wayでの暴走車両の間を抜け、Vegasの中心街に繰り出す。街中に巨大なスフィンクスやらピエロやら城やら林立するのはこの街くらいだ。派手さに定評のある日本のラブホテルが勝負を挑んでも到底かなうまい。ホテルでは儲からなくてもいいからホテルが安いと言われるLas Vegasは携帯電話の販売と通話料金みたいな経営形態になるのだろうか。ギャンブルやエンターテインメントとの抱き合わせにできる保証などどこにもないだろうに。

d0042715_7274291.jpg超ラブホテル的喧騒のVegas中心部を脱出し、少し離れた箇所にあるRitz Carltonへ。Casinoの中をぶらぶらしてから、ホテルの敷地内を散歩し、子供とアイスクリームを食べる。噴水の側でジャズの生演奏がはじまった。夕暮れにそまりつつある空を眺め、演奏を聴きながら、Samuel Adamsを飲む。ビールはいつでもどこでも店にある限りSamuel Adamsだ。やがて食事が運ばれてくる。西海岸が近いと空の色が違うような気がする。Vegasでの一日が過ぎていく。

That's it? Nothing else?と聞く人にYes, that' itと笑顔で答える。サーカスなんかのエンターテインメントは見なかった。結局カジノもしなかった。何しにVegasまで?という人も多いけど、単に興味がないのだ。僕には日本では全くエンターテインメントに興味のなかった人がニューヨークに来て脅迫観念にとりつかれたようにミュージカルに通う姿の方が不思議だ。せっかいの機会だから新たに体験してみるのもいいだろう。僕もミュージカルくらいそのうち一度はいくだろう。でも、家族でVegasの不思議なホテルの大群をみてひととおりはしゃいで、食事と音楽を楽しんで快適なホテルで綺麗な星空をみてくつろいだらそれ以上何が必要なんだろう。

僕の中にある「自分の殻」。意外と固く、狭い「自分の殻」。村上龍が友人だったら、「ヨーロッパ社会におけるギャンブルは貴族と金持ちのみに許された高貴な遊びだ。持たざるものはひがんで見ていればいい。俺は金と酒とギャンブルと女が似合うから君とは違うけどね。」と言うに違いない。でも、僕は本当にひがんでいない。USOPENとか存在も知らなかったし、大リーグも面倒でチケットとらずにいたらシーズンが終わってしまったし、NBA、アイスホッケー、コンサート、オペラ、ミュージカルいずれも誘われたらいくけど別にいいやという感じで今のところどこにも行っていない。まあ嫌っているわけじゃないから中には行くものもあるだろうけどすごく興味があるわけではない。

僕の中にある「自分の殻」。そんなに自分を定義づけなくてもいいのに存在する「自分の殻」。旅行の予定を埋めていく作業が嫌いな「自分の殻」。団体ツアーには参加できない「自分の殻」。単にギャンブルしなかっただけで自己の心理分析をしてしまう「自分の殻」。時々破るけど基本は守る「自分の殻」・・・

Drink responsibly. Keep Walking. Johnnie Walker

(怒涛のGrand Canyon編へ続く)
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# by neon98 | 2004-08-09 18:47 | 2004年8月国立公園巡り

法律Blogよりも奥深いよしなしごとを目指して
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