トヨタほどの企業でも・・・
Toyota Sexual Harassment Case Just Might Have Some Legs (WSJ LAW BLOG)経由で発見したトヨタのセクハラ訴訟に関するTrouble At Toyota (Business Week Online)を確認するとトヨタほどの企業でも初期対応を誤ることがあるものだと思わざるを得ない。

主張されているのは経営トップによるセクハラという特殊事案であり、Human Resourceの対応、No.2による対応、いずれもうまく機能しなかったようだ。早急に外部の第三者による調査にとりかかるべき事案であった旨の指摘がなされている。原告が日本人であることにいささかの甘えがあったのだろうか。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-16 00:32 | LEGAL(General)

優越的地位の濫用と企業トップの責任
少し古いニュースになりますが、2005年12月に三井住友銀行が不公正な取引方法(優越的地位の濫用)により金利スワップを購入させたとして違法行為の排除勧告(公正取引委員会リリースPDF)を受け、それを受諾(同行リリース)したことがありました。

それに基づき、金融庁が銀行法第26条第1項に基づく行政処分を行い、三井住友銀行が西川元頭取に対する役員報酬返還請求(Sankei)を行うということが報道されています。西川氏は関与は否定するものの、銀行からの要請には応じる方針のようです。

まず、一つ目の違和感なるものは優越的地位の濫用なるものがどこで認定されるのかという点です。これに該当するためには、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、一般指定14条1号から5号に定められている行為を正常な商慣習に照らして不当に行うことが必要とされており、これの認定は非常に微妙です。銀行は債務者に対する貸付期限の延長に応じる義務は何もないわけで現在の金利よりも高い金利であれば期限延長に応じると主張する場合と、金利スワップを売りつける場合でどれほどの違いがあるのでしょうか。

良いことかどうかはさておき、主要取引先からの要請で当該取引先の製品をたくさん購入している方々はたくさんいるわけで、どのラインを超えれば優越的地位の濫用とされるのか、非常に微妙な感じがします。マイクロソフトからライセンスを受けてWindowsをインストールしないと売れないPCを販売しているわけではないのですから、もう少し争う余地もあったのではないかと思うところです。銀行が応諾しているとはいえ、業種がら世論やら政治の影響を受けやすいこともあって応諾したと思えないこともなく、なんだか割り切れない感じが残ります。

まあ、その点は当事者がいいと言っているのでさておき、次は西川氏の責任という部分でしょうか。西川氏の対応はある意味で日本人的であり、ガチガチに法的に詰めるまでもなく、返してほしいなら返すという潔いもので気持ちがよいのですが、何か不祥事があればすぐに辞任や報酬の返還を求める発想というものはどうなのでしょうか。役員報酬は彼が頭取として激務をこなし、成果をあげてきた対価なのであって、(監視義務違反ととれる事情があればともかくとして)結果責任に近いかたちで返還をせまられる理由はないはずです。

返還を拒否するとマスコミやら世論の批判を浴びてやりにくいでしょうから、面倒だし、いいやという気分になるのはよく理解できるところですし、西川氏ほどの方であれば経済的に困られることもないでしょうから、私も同じ立場であれば返すと思うんですが、何かがあれば辞任せよ、報酬返せという全体主義的風潮はなんとかなりませんかね。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-13 06:37 | LEGAL(General)

SOX404の行方
商事法務さんのメルマガを拝見してると、日本では内部統制に関する取締役会決議が相次いでなされていますが、この時期に米国ではSOX404条に基づくSEC規則を見直そうという動きが明確に出ているのは面白いなあと思います。

SOX404条にいう財務報告に関する内部統制よりも会社法でいうところの内部統制は広いし、監査手法も違うのでコスト比較も単純にはできないところであります。ですから、私自身は米国でSOX見直しの動きがあるにも関わらず、日本で内部統制を導入するとは何事かとまで言うつもりはありません。

当初はSmall Businessに関してコストがかかりすぎ(例えば、この記事参照)、米国での新規IPOに影響を与えるので、SOX404条からの免除を認めようという方向で議論がなされていたのですが、その方向での修正に関してCOXは否定しており、むしろ全企業に平等に適用されるけれども、規制をビジネスの規模にあわせる(Scalable)かたちでSOX404条に基づくSEC規則を改正しようという方向で動いているようです(Business Law Prof Blog)。その他SOX一般に関する法規制などはSECのサイトを確認してください。

私の内部統制なるものに対する感想は、既に内部統制懐疑論(1)内部統制懐疑論(2)で書いてしまったところです。要するに、各企業が真剣に考えるならば機能するであろうし、単なる作文と扱われるのであれば本当につまらないことにお金をかけているなあと思うにとどまります。まあ、会社法レベルで要求されていることだけであれば、膨大なコストがかかるわけでもなし、目くじらをたてて反対するほどのこともないだろうと思っているところです。

誤解をおそれずに正直に書いてしまうと、どれだけ役員の方々が責任問題にSensitiveになって真面目に取り組まれるかによって効果のほどは違うだろうし、内部統制体制に関する決議により実体法の解釈に影響が少なければ単なる「作文」にとどまる可能性も高いように思えます。開示自体は悪いことではないし、さほどコストがかかるわけじゃないんですが、(特に会計監査人による)内部統制監査に関しては懐疑的な私でした。

体制の決議をして開示すること以外は従来からの善管注意義務で言われるところと変わりがないのであれば、何でもかんでも内部統制という用語で処理し、用語を一人歩きさせることは考えものだなあとも思います。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-13 04:12 | Securities

ようやく一区切り
留学の間は日本法の優先順位を低くしようと思いつつ、さすがに会社法は追わないわけにはいかないので、しばらく真面目に勉強を続けてきたんですが、ようやく商事法務掲載の法務省の方々による連載(特別解説含む)を読み終えることができました(但し、継続中の規則の解説を除く。)。いやあ、つらかった。

2年もの間にここまで新しい法令が変わるとも思わず、しかも出国直前に改正されたものはあまり真面目に勉強してなかったこともあって、帰国を前にしてひたすら過去記事を追いかけているところではあります。Corporate, Securitiesを中心に据えたとしてもここ2年前後の間に施行OR改正された法令(民法・民事訴訟法・債権・動産譲渡特例法・破産法・個人情報保護法)などに手をつけないわけにはいきませんで、まだまだやることはたくさんあるなあと思うところです。留学のマイナス効果なるものはある程度予想はしていたものの、これだけ法令の改正が相次ぐと本当にわけがわからなくなってしまいますね。

まあそんな感じで条文とにらめっこしていたので、あまり法律関係ネタのエントリをする余裕もなく、お気楽系Blogになっているわけでした。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-12 12:51 | 日常・海外生活

"Remember Who You Are" in Law School
Remember Who You Areという本はHarvard Business Schoolでの最後の授業での教授陣からの言葉を収録したものである。翻訳は読んだことがないのだが、ハーバードからの贈り物という題名で出版されているようだ。卒業後一年が経過したのだなあなどと感慨にひたっていたら、ロースクールでの最後の講義シーンである教授が述べたことを書いておこうという気になった。以下は私が感銘を受けた最終スピーチの概要である。
私が講義で話すのはこれで最後だ。君たちはこのエリート校と呼ばれるロースクールを卒業し、その多くは大規模ローファームに勤務することになるだろう。私もそうだった。

私の多くの友人たちは当初は借金を返済するまでの間だけ大規模ローファームにいるといい続けていた。君たちの多くはとりあえず給与の高い大手ローファームに勤務し、ローンを返済してから将来設計を考えようとしていることだろう。しかし、考えてみてほしい。君たちは金持ちをより金持ちにするためだけにロースクールを志したわけじゃないはずだし、パートナーに顎で使われうることを望んでいるわけじゃないだろう。君たちは誰かの指示に従って仕事をするためだけに高い学費と貴重な時間を費やしてきたわけではない。

大手ローファームにいる間、自分自身の頭で自分の将来を考えてみてほしい。君たちは何らかのかたちで社会に貢献することを望んでロースクールに入ったことと思うが、それが達成できているのかどうかと。私の多くの友人たちは、現状に不満を抱きつつも、とりあえずはといいつつ、大手ローファームで働き続ける。そして、彼らはずっとそこにいるだろう。現状を維持するという判断の多くは様々な言い訳に支えられている。常に自分の頭で考えることだ。

どんな場所に属しようと自分の頭で考える癖をなくすな。上司であるパートナーがOKと言ったとしてももう一度自分の頭で考えてみることだ。それが自分の良心に照らして正しいことなのかどうか、もう一度考えることだ。それがプロフェッショナルとしての仕事というものだ。君たちはエリート校といわれるロースクールを卒業し、エリートとしての行動を期待される。自分がどういう形で社会に貢献できるのか常に考えることだ。君たちの仕事はただ金儲けをすることではなく、ローンを返済することでもなく、何らかのかたちで社会に貢献することだ。
そう話した彼は、学生たちからのスタンディングオベーションの中を少し誇らしげにゆっくりと歩いていった。僕はこの言葉を聞くために留学してきたのかもしれないなあとそう思ったことを覚えている。
"The first piece of advice comes from my mother...'Kim!' she would say, every morning as I left the house, leaning her face down into mine and looking me straight in the eye. 'You go out there today and be a leader. Stick to your guns about what you know to be right and wrong, and don't let anyone else drag you around by the nose. Remember who you are!'" (Remember Who You Areより)
帰国してから何をしよう?自分の頭で考えるか。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-11 12:08 | Law School

祝・一周年
よく考えてみたらBlogをはじめてから一周年が経過していた。誰も読みに来ない私的な空間であったはずのものが、今では一日数百人の方々が訪問してくださるようになった。ついでに気分を変えるべくスキンを変更してみた。

当初は困惑で始まり、電話で苦情すら言えなかった日々だったけれど、現在ではアメリカ生活におけるある種のいい加減さに妙ないこごちの良さを感じるようになり、帰国を歓迎しない自分がいるのもたしかだ。それでも、なお、日本で与えられていた職責はこちらでは得られないものであり、自分のフィールドはここにはないこともはっきりと自覚をしたこともたしか。

予定通り、帰国したらBlogは閉じる予定。夏までのわずかの間ですが、しばしおつきあいをお願いします。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-09 06:57 | よしなしごと

中央青山監査法人:業務停止の処分?(追記有)
中央青山監査法人:全業務停止の処分へ 金融庁が検討(Mainichi Interactive)というニュースに驚愕する。インパクトの大きさを考えてありえないと思っているのだが・・・。(注:追記時点で記事見出しの「全」が削除されている。)

顧客に迷惑がかかるから大規模監査法人ほど手が出せないという現状も考えものだが、それ以前になぜ個人単位での懲戒処分というもので機能しないのか、ということを考える必要があるように思う。これ以上大手監査法人の数を減らすことがよいことだとはとても思えないだけにくれぐれも慎重に。

(追記)
Lat37NさんからのTBにより日経の記事を確認。一部業務停止との報道。
金融庁、中央青山の一部業務停止命令へ・カネボウ粉飾で(Nikkei Net)中央青山に業務停止命令へ カネボウ粉飾事件で、金融庁(Asahi.com)金融庁、中央青山監査法人に一部業務停止命令へ(Yomiuri Inline)も一部業務停止との報道。情報が混乱しているのか、新聞記者が業務停止範囲についてさほど重要視していないのか、わからないので正式な発表を待ちたいところだ。

一部業務停止でも相当の影響があることを予想される(一部の内容による)けれど、全部業務停止というのはありえない(あっちゃいけない)と個人的には考えている。新会社法が一部業務停止の場合に会計監査人としての資格を失わないようにしたこと、このタイミングでの決定が6月総会の会社(大部分の上場企業)にとって重要性を持ち、中央青山にとっても極めて重要な意味を持つこと(不可能ではないものの、このタイミングでの発表では6月総会での会社にとって今年の総会で会計監査人を変更するには実務的に間に合わない)や、全部業務停止=解散という認識を金融庁が持っていないはずがない。ということで毎日ニュースを見ると「全業務停止」が「業務停止」に変更されている。うーん。アンダーセンに続き、お前もか・・・と思うところだった。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-09 04:10 | LEGAL(General)

ニューヨークの正しい日曜日の過ごし方
5月7日日曜日快晴。まずは地下鉄A・Cに乗車し、ブルックリン側のHigh Stationへ。皆が向かう方向へついていけばそこはBrooklyn Bridgeの歩道。こんな快晴の日に歩いてわたるBrooklyn Bridgeはとても気持ちがいい。次はGeorge Washington Bridgeでも歩いて渡ろうか。
d0042715_23473063.jpg
20分ほどゆっくり歩いて橋を渡り、そのまま徒歩で中華街へ。Manhattanの地下鉄がベビーカー用に整備されておらず、階段ばかりということもあり、いつもひたすら歩いてしまう。
d0042715_23492749.jpg
ランチは正しくJoe's Shanghaiで小龍包。皆さんのアドバイスに従い、それ以外のものは注文しないことに。一つがそれなりの大きさですし、蟹肉入と豚肉入のものを一つずつ頼めば、大人2人と子供1人はほぼ満腹です。色んなことを言う人がいますが、この中華街のお店は結構おいしかったです。
d0042715_23495090.jpg
Joe's Shanghai Restaurant
9 Pell St., New York, NY 10013
212-233-8888

そのままLittle Italy、Nolitaを抜け、SOHOを探索し、Washington SQ近くのチェスのお店へ。欲しいチェス盤がったのですが、400ドルということで熟慮期間をおくことに(笑)。インテリアとしてもかなり美しいのですが、書斎でもある立派な住宅にすまないとなかなか利用価値がないというのが悲しいところです。そのあとは子供を遊ばせるためにWashington SQへ。
d0042715_23593064.jpg
ちゃんとトイレもプレイグラウンドも完備されていて、子供さん連れには最適なんですが、なぜか男子トイレの大きい方に個室の壁がない・・・。僕はその利用の必要がなかったのですが、思わずここは中国かとうなってしまいました。アメリカ人も"Would you do there?"なんてゲラゲラ笑ってました。

そして、Washington SQには・・・

彼がいました。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-09 00:08 | 日常・海外生活

ガンジー化現象ーTAX RETURN
本日IRSのホームページからTAX RETURN結果を確認できた。SSN、Filing Status, The amount of returnを入力するだけで申告結果が判明する。本人確認はこれらの入力で十分可能である。WEBで確認できる情報などたいしたことはないから、セキュリティをごちゃごちゃ言う必要はない。とにかく便利だ。

ということで、内容だが、申告した還付額よりも500ドル強減額されている・・・。計算間違いと指摘されているので会計士のミスか?と思って、よくよく読んでみると家族分のTAXIDがないという。いえいえ、既にIRSそのものから受領してございます。申告書と一緒に申請したはず。と思ってTAXIDの証明書を確認すると、うーん、住所が違う。なぜかうちの奥さんは依頼した会計士事務所に住んでいることになっている。

500ドル強なので無視するわけにもいかない。これだけあればピアノバー、もとい家族孝行ができるはずだ。でも、この手の間違いはなんだか慣れてしまって、全然腹がたたない。まあ、電話して粘ればなんとかなるだろ。500ドルを取り戻すインセンティブを持って、Negotiationの授業が受けられると思おう。今日も日本からの郵便が無事届いたことに感謝をささげる毎日である。人は僕をガンジーと呼ぶ。BARBRIの登録がHARVARD LAWになって、HARVARDの校舎で講義を受けることになっていたときは思わず、本当に行こうかと思った。おーい、ハーバード入れてくれ。

ひらがなが読めなかったうちの子どもが幾つかのひらがなを読めるようになったことがうれしいように、ケーブルテレビの接続をしにTime Warnerが予約時間内に来ることがうれしい。そんな気分である^^。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-05 13:31 | 日常・海外生活

テロ行為の対価
陪審は9/11のテロ行為に対する共謀罪に問われたMoussaoui被告に対して、死刑ではなく、終身刑を選択したようです。積極的に全員一致で終身刑を選択したのか、死刑についての全員一致が得られなかったのか(その場合死刑は選択できない)は明らかではありませんが、前者であることは想像できるような気がします。

Jury Decides Against Execution for Moussaoui (NY Times)

被告自身共謀行為を認めている(犯行当時移民法違反で刑務所にいたため、実行行為に参加していないことは明らか)ものの、反省の色を全く見せなかった彼に対し、死刑を選択しなかった理由というものが何なのか、陪審の声を聞いてみたい気がします。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-04 07:52 | 日常・海外生活

Day Without an Immigrant
2006年5月1日月曜日、米国に居住する約1100万人の不法移民(うち8割がヒスパニック)の合法化を求めて、移民達が仕事・学校・買い物のボイコットを行いました(Immigrants Take to U.S. Streets (New York Times))。ヒスパニック住民の多いLA、シカゴ、NYといった大都市を中心にボイコットが行われ、デモが開催された様子がNYTimesの写真でご覧になれます。移民達の権利を主張する人々が必ずしもボイコットに賛同したかというとそうでもなく、様々な理由で仕事が終わってから、もしくは学校が終わってからデモに参加することを呼びかけたり、雇用主と協議のうえ休暇をとってデモに参加することを呼びかけたりする人もいたようで、少なくともニューヨークではほとんどのお店は普通に営業していました(Queensなどのヒスパニック系の多い地域だともっと様子が違うのかもしれません。)。ただ、ヒスパニックの運動に理解を示して店を休業したところや、従業員なしで店を開店できないとの理由で休業した店も少ないはないようです。事実ニューヨークではスペイン語しか話せない人たちがたくさんいらっしゃって、彼らの安い労働力なしでは提供できないサービスがかなり存在します。バス、地下鉄、タクシーなどの交通機関もそうですし、ランチを買うときもそうですし、車を整備工場に持参してもそうですが、移民達による労働力がないと現在の米国経済が成立しないだろうというのも事実でしょう。その意味で、不法滞在だから全員送り返せというにはあまりにも影響力が大きいと思います。

移民受け入れというのは当然いいことばかりじゃありませんから、反対する人々もいます。実はアメリカの法律で英語が公用語と定めたものは存在しないらしく、スペイン語が公用語になってしまうことをおそれる人々というのも現実に存在します。インテリ層を除いたアメリカ国民は驚くほどアメリカ国外のことを知らない場合もあって、国連がアメリカに攻めてくるのを怖れる人なんかもいたりしますから、移民に対する嫌悪感を隠さない人たちもいます。もともとの話をすれば、ここにいる人たちはNative Americanを除き、皆「移民」のはずなんですが。

移民政策は警察行政、国家の治安、経済などと密接に関わるわけで、不法移民の取締りを批判するのはおかしいとは思うのですが、それは別として、アメリカ社会における移民への寛容さというのが変容しているのも事実かもしれません。例えば、September 11以降、Social Security Numberの発行要件やら、運転免許の取得要件やらが厳しくなり、駐在員や留学生の生活にすら影響を及ぼしています。留学生の受け入れというのは皆お金を落としてくれるわけだし、米国経済の活性化のためにすごく有用なはずなのに、SSNが取得できないために運転免許がとれない留学生のご家族の話など聞くと、つくづく馬鹿な意思決定をしているなあと思わざるを得ません。

移民受け入れという問題は実はあまり他人事ではなくて、現在の日本でも小規模製造業の労働者などは移民の安い労働力を受け入れることによって初めて成立している部分があります。日本という世界で稀にみる同質化社会は共通の「常識」という基盤を共有することによって無駄な交渉を不必要にしてきたことは事実ですが、現在の出生率を前提にして今のような移民政策を継続することが可能とは思えません。

今はこういうニュースを読み、デモを見ても、完全に他人事として理解しているだけなんですが、いつかは国としての意思決定を迫られる場面が出てくるわけで、そのときに自分がどう考えるのだろうかと考えさせられる出来事でした。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-03 03:17 | 日常・海外生活

Visited States in US
Lat37Nさんのところで拝見したVisited Stateを試してみた。
d0042715_1402773.gif
27 states (52%)というのは優秀な成績といってもいいだろう。空港の外に出ていない場所はさすがに除外してあるが、ドライブでちょっと通過したところは全て含めている。こんなものを見せられると赤く塗るためだけにドライブをしてみたい衝動にかられてしまう(笑)。西海岸は帰国前に訪問するとして、中央部分の空白地帯は攻めようがないものか。ニューオーリンズの復興状況次第か。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-02 01:47 | 日常・海外生活

Champions on Ice 2006
ちょっと高かったけど世界最高レベルのフィギュアスケートを見る機会なんかそうそうないだろうからContinental Arenaまでスケートショーを観に行ってきました。
d0042715_12493623.jpg

Ice Showなので難しい技の名前なんぞわからなくてもサーカスやコンサートに近いノリで結構楽しめます。荒川静香は残念ながら一部公演にしか登場しないということで見られませんでしたが、意外と面白かったです。
d0042715_12505395.jpg
フラフープ演技はIrina Grigorianがみせてくれます。
d0042715_12521496.jpg
Sasha cohenは小柄の体に秘められたエネルギーを十分に発揮した演技をみせてくれます。
d0042715_1254342.jpg
Evgeni Plushenkoは相変わらずすごい人気です。この手足の長いこと。
d0042715_1304472.jpg
それでもやはり一番人気はMichelle Kwanなんですね。世界選手権5度優勝・全米選手権9度優勝というからその根強い人気は当然なのかもしれません。ほかにTatiana Totmyanina&Maxim Marininのペア、Marina Anissina&Gwendal Peizeratのペア、かの有名なIrina Slutskayaが登場したのですが、残念ながらうまくカメラにおさまらず。シャッタースピードの遅さに限界を感じてしまいますね。
d0042715_12572568.jpg
最高レベルのフィギュアスケーターの中で一番のお気に入りは氷の上のサーカス芸を見せてくれたこの2人でした。Vladimir besedin & Oleksiy Polishchukというウクライナのコンビだそうです。
[PR]
# by neon98 | 2006-05-01 13:08 | 日常・海外生活

大阪のおっちゃん in Key West
今日は7マイルブリッジ以外の写真も皆さんに見てもらお、おもて、準備してみたんですけど、みはりますか?
d0042715_1564898.jpg
マイアミから走るとこんな感じで海の中を橋が続くんですわー。大阪湾と同じくらいきれいでっしゃろ。
d0042715_1582941.jpg
ここで一号線が終わると思うとなかなか感慨深いでんなー。始まりと終わりは結構好きなんですわ。端っこではしゃぐのは皆さん同じですなあ。
d0042715_1591284.jpg
道に迷っているうちに開館時間すぎて中には入られへんかったんですわー。しかし、この値段、結構高いでんなあ。ヘミングウェイさんももっと安うして皆さんにみてもらお、と思わはるんやないやろか。
d0042715_1593699.jpg
皆さん、最南端からキューバが見えると喜びますねん。ガイジンさんも端っこに行ってはしゃぐのは皆さん一緒やね。何でやろね。

フロリダキー諸島はええとこでっせ。ハワイみたいにピチピチギャルはおおないけど、なんか気持ちがやすらぎますわ。大阪は世界の中心やから1番は譲られへんけど、まあ7番目くらいに好きな場所にしてあげてもええかなあ。いや、2番から6番まではまだ決めてへんねんけど、後から好きな場所できたら困るやろ。せやから空き番号にしてますねん。
[PR]
# by neon98 | 2006-04-25 15:10 | 旅行記

懲りずに47thさんに敢えてこわごわ反論してみる・・・の巻
「貸した金返せよ。貸した金、はした金じゃねえぞ。」と私の頭の中にはウルフルズの借金大王が流れています。
結構「経済学の基礎的なロジック」が理解されていないような気がしたので、私のできる範囲で、なるべく丁寧に説明してみた次第です・・・でも、これは疲れます。
47thさんに怒られてしまいました^^。疲れさせてごめんなさい。でも、僕にはまだわかりません。
従って、デフォルト・リスクとの比較で「適正な」サービス対価(スプレッド)を決めることは、経済学的には全くナンセンスです。
私よりも知識のある方に自信満々でこう言われてしまったのですが、経済学なんてド素人なんで、こわごわ反論(というか質問?)してみることにします。

1.債務者の信用情報

ある債務者のデフォルトリスクとの比較で適正なサービス対価を決めないという議論はマーケットを分けない(=審査をしない)ことを前提にしていませんか?それともかなり強い情報の非対称性ないし情報収集コストの存在を仮定しているのでしょうか?
破産宣告をした直後のAさんと一部上場企業の課長であるBさんとに同じ金利で課すという議論ですか(闇金融の方だともうしばらく破産申立てが禁止されるAさんを好むでしょうが^^)?この2人の間ではマーケットが異なるのではないですか(それとも私の「同じ商品」という言い方がまずかったですか?金は金くらいの意味です。)?47さんの事例(病院の事例も含め)は全く審査をしないケースを想定されているように思われます。

消費者金融サービスを提供される会社さんがどのように審査をされているのかは、借りたことがないのでわかりません(机上の空論です。)。私がみた債務整理希望者の債権者リストからの想像ですが、一定の金額までほぼ無審査に近い状況で貸与(但し、貸出履歴に関するデータベースは共有しているのでその情報は審査している。)しているのだと思います。但し、それを超えると審査のレベルが変わります。

例えば、武富士さんさんであれば50万円以下の範囲で年利27.375%の「インターネット専用商品ー即答ローン」を提供されており、申込みは年収・勤務先・配偶者氏名などを記入するだけのようです(怖くて最終画面まで進んでませんのでわかりませんが)。これに対して、新社会人のための「フレッシュプラン」は店舗での申込みとして健康保険証の提出を求めており、審査手法が違います。これを違う商品だというのか同じ商品だというのかは言葉の遊びになってしまいますが、債務者の信用リスクにあわせて同じ商品(=無担保での貸付金)の金利(=価格)を変えているとは言わないのでしょうか。

債務整理をしないといけない方々は即答ローンでないと借りられない状況であり、皆さんが同じ価格帯の商品を購入するという想定だとすればそれも違うような気がします。貸し手はデータベースを通じてデータベースに参加している貸手業者からの貸付履歴が見られるので、貸付総計額のみをもってしても本当に危ない方々をお断りすることができます。

私のロジックに誤りがあるのか、仮定にずれがあるのか、前提事実に間違いがあるのか、なんだかわかりませんが、そういうわけで私は47さんのおっしゃることが理解できません。

2. 「年利のマジック」

一つは、消費者金融は融資期間において相当短かったり、額も少なかったりするものがあるということです。この場合、絶対額としては少額でも「年利」にするとびっくりするような数字になることがあります。
これはご指摘のとおりで、段階的上限金利の定めをすることによって対応することが可能です。このことは前提とした書き方をしたつもりでしたが、きちんとお伝えできていなかったようです。
もう一つは、消費者金融における利息の負担の重さは、元本額に対する金利負担によって定めるのではなく、借り手の稼ぎ出すキャッシュフローとの割合で定まるものであって、「投資」と同じ感覚で金利を比べることは何の意味もないということです。
投資に対する期待リターンの問題ではなく、より個人的な消費に対する選好の問題だからというご趣旨なんでしょうね。企業による投資の局面とは違い、消費に対する選好は主観的であっても合理的だということは理解できますからあまり異論はないです。それでも一定額以上の借り入れをした場合に債務者が現実的に返済することが可能な水準かどうかを考慮する材料としては使えるでしょう。

3. 「被害者」は誰か?

47thさんは色んな例をあげられていますが、多重債務者である場合はともかくとして、ほとんどの場合は現行の消費者金融会社さんが現行の利息で対応することが可能なように思われます(ちなみに私は上限金利を利息制限法側に寄せることはあまり想定していません。)。

アメリカの事例は一種の限界事例ですね。まさか47thさんにそのままのたうちまわって苦しんで死んでくれと申し上げるわけにはいかない^^ので、なんとか対策を考えたいところですが、あまり現実的ではないように思われます。海外旅行をされることを想定されている(学生であれば学生VISAとの関係が強制的に保険に入らされる)ようですので、海外旅行保険に入られるべきなのでしょうね。法制度が違うところへ移動され、お持ちの信用が役に立たないということであれば、備えが必要というのは、上限金利規制の有無に関わらず、いえることのような気がします。

無計画に借りつづける方々を除き、正当な資金需要はほぼ現行の金利水準でまかなえます。私は上限金利規制は必要だと主張しているだけで、それがどのラインなのかについては正直よくわかりません。たぶん20%-40%の間なのだろうと感覚的に思っているだけです。

理屈のうえでは金利上限規制により金融市場に対するアクセスを阻害された「被害者」が想像できます。浪費の限りを尽くしたあげく資金が借りられなくなった方に同情する人は少ないでしょうが、善良な市民が資金アクセスを奪われるという場面を想像するのはつらいものです。ただ、現状の金利でも相当額の融資の道は開かれています。医療保険や健康保険などの制度もあります。本当に善良な方が困っているのを助けるのは制度的なものばかりではなく、親族や友人も存在します。既に多くの借り入れをしているために上限金利の範囲では借りられない方々が多く存在するとすれば、それは少し寿命を延ばし、後日その延命よりも大きい損害を被るケースの方が多いでしょうから、短期的に融資をするよりも、これらの方々の生活設計を見直すか、国家の経済政策や福祉政策を見直すべきだと思います。いわゆるサラ金の仕事は困っている人を助ける人ではないのですから、いずれにせよ経済的メリットを見出せなければ貸せないわけで、金利上限規制よりも高い金利で貸す経済的メリットを見出すとすれば社会的損害の多い取立手法によらざるを得ないというだけの話です。

繰り返しますが、デフォルト率が高すぎる市場の存在を認めることは社会的にコストが高すぎます。年利が高くてもデフォルト率が低い取引(少額のもの、期間が短いもの)をどうするのかはある程度法令の定め方で対応できるでしょう(期間が短いローンをロールオーバーされたらどうするのか、など技術的に困難があるのは事実ですが)。利息制限法のそれはともかくとして、出資法の利息は大手消費者金融のそれを後追いするかたちで逓減してきたと言われており、現行法の範囲内で資金アクセスがあればさほど問題になる事例は少ないように思います。私の中では、返せないものは返せないと言い切ることの重要性の方が私の中ではよほどプライオリティが高いです。

政策評価の違いということであればある意味好みということでわかりあえない部分があってもいいのですが、1で書いた経済理論の部分が私にはどうにも理解できず、すっきりしないので敢えて反論をさせていただきました。同じ金を借りるのに信用力がない人の方が高い金利を要求されるのに、返済する金がない(確率が高い)という点で、他の市場とは異なるのではないかということが言いたいわけです。2と3は規制手法の選択とその妥当性の評価という部分ですので、まあ意見の差異は当然あるでしょうし、私も政策提言ができるほどデータを有しているわけではありません。

化学反応によりベターな選択が生じるというには私の学識が乏しすぎるとは思っています。何よりも単なる一弁護士が政策提言をするポジションにはないわけですし、私がBlogを書いたところで世の中は何も変わりません。ただ、放置するのも違和感がある部分でして、言いたいことがあれば言ったうえで恥をかくべき点があれば恥をかくというのも(社会には無用でも)私には有用な化学反応でしょう。

47thさんの本業を妨害するつもりはありませんので、もうエントリをする必要がなければどうぞ放置してください。また、47thさんとの間だけで議論をするのがいいとも思いませんので、他にもご意見があればお寄せください。
[PR]
# by neon98 | 2006-04-22 22:47 | LEGAL(General)

「市場」が成立することのメリットとデメリット
「自分の殻」を破って友人とメトロポリタンオペラを楽しんで帰ってきたら、47thさんから内角高めの直球が投げ込まれていました^^。ペーパーやらでお忙しい中で、neon98さんに反論してみる・・・の巻と正面から反論を頂いていますので、敬意を表してこちらからもビーンボール気味に正面から打ち返すことにします(化学反応はたぶん生まれないと思いますが、お許しください^^)。

1.間接金融「市場」はどこまで成立するのか?

年率29.2%という規制は出資法5条2項に存在します。
前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十九・二パーセント(二月二十九日を含む一年については年二十九・二八パーセントとし、一日当たりについては〇・〇八パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
借り手の保護という観点から上限金利規制が妥当なのかと考えると、一定範囲の市場がクローズされることにより融資が受けられなくなり、または闇金融に走るためにかえって借り手の保護にはならないのではないかというのが上限金利規制反対派の主要根拠と思われます。

実は前回の記事を読む際に早稲田大学消費者金融サービス研究所「上限金利規制が消費者金融市場と日本経済に与える影響」堂下浩「上限金利引き下げの影響に関する考察」は拝見させていただいたのですが、どうもしっくりときませんでした。何がしっくり来ないかというと、消費者金融市場における市場の見方という大前提になる部分が私にはしっくり来ないのです。例えば、前者の早稲田ペーパーでは、
金利は消費者金融市場における価格とみなすことができる。
としたうえで、議論を価格統制の問題点という方向性に持っていっています。信用力の乏しい顧客にはそれなりの金利をとることで金融市場が成立するのだから上限金利規制がなければ成立したであろう効用が規制により阻害されるということになるのでしょう。

私が根本的に違うなと感じる、敢えて言うならこの点を無視して議論するのはナンセンスだと思うのは、
装飾品市場を考えると価格が高いグッチやエルメスはリッチな人が買うが、消費者金融市場を考えると価格が高い高金利商品は貧しい人が買う
という点です。金銭に個性はありませんから金融商品として設定できる個性は限定されています。無担保かつ審査を厳格にせずに迅速に貸し出しをする市場においては、貸し手の調達金利を無視すれば、ほぼ借り手の信用力によって商品の価格(=金利)が決まります(マクロ的要因はこの議論では無視してよいでしょう。)。つまりはいい商品を高く売るのではなく、同じ商品を貧しい人に高く売るわけです。

一定の金利水準を想定しましょう。論者によっては20%であり、29.2%であり、40.004%であり、トイチ(年365%)である人もいるのかもしれません。本来はここが政策論で一番重要な箇所なんですが、上限金利水準としてどこが妥当なのかという議論は能力の限界ということでさておきます。期待デフォルト率に応じて価格(=金利)が変動するのは当然だし、そうあるべきなのですが、市場におけるデフォルト率がどんどん上昇した場合に成立する市場はもはや「賭博」に変わらなくなります。99%がデフォルトする金融市場は「宝くじ」です。「宝くじ」は集金と分配のみですから確率論で商売が成立しえますが、間接金融市場における「宝くじ」は全ての「くじ」が外れる可能性もあるわけで、ある一定の水準を越えると市場が存在しなくなるのが必然でしょう。そこまで行かなくても例えば50%がデフォルトする以上はほぼ必然的に多くの社会的害悪を発生させます。返済することが期待できない債務者から返済を期待できるようにするために必然的に発生する社会的害悪です。

年率40%のローン市場を考えてみましょう。この市場を閉鎖したときに発生する「被害者」って誰なんでしょう?この市場で上限金利規制がなければ融資を受けられ、かつ返済が可能であったであろう債務者?といわれると私の中では???が並んでしまいます。理論的には存在しえますし、現実にはごく少数「被害者」が存在するのかもしれませんが、この市場を成立させるための社会的損失との比較が必要でしょう。歴史的に高利貸しが公序良俗違反などとの関係で問題になってきたのは、高利金融市場が成立するためにはほぼ必然的に存在する社会的害悪があるからであり、先人の知恵なるものはそれなりに尊重すべきような気がします。

たぶん、私は「な」さんの以下の意見に近いんでしょうね。
>「最後の貸し手」が期待しているものが将来キャッシュフローであれば、その前の貸し手が期待しているものの本質も将来キャッシュフローでしかないんじゃないでしょうか?

将来CFというより、それを包括した「返済原資」という捉え方をすべきではないでしょうか?
一般に、多重債務者の借入先は、カードキャッシング→サラ金→街金ないしヤミ金という経緯を辿りますが、それぞれが対象としている返済原資には差があるのではないかと思います。

例えば、
カード、サラ金:個人資産、現状の個人将来CF、同業ないし下位貸付機関からの借り換え
ヤミ金:上記+親族友人からの強制借入れ+転職強制による個人CF増加分+その他各種強制違法行為からのCF

貸し手は下流になるほど脱法・違法能力にもとづく強制力を持ちます。それによるキャッシュ創出を上流の貸し手が見込んでいるのなら、借り換えの暗黙的推奨は合理的な行動かと。そして、下流の貸し手はあの手この手で借り手のケツの毛まで抜きつつ、ババ抜きによる勝ち抜けを目指す訳です。

貸し手は多重債務者(予備群)に対し、ゴーイング・コンサーンなぞハナから期待していない、というのはそういう意味です。
こういうビジネスモデルでないと成立しえない領域が必然的に発生するであろうという意味で、金利の上限を設定するのと家賃の上限を設定するとでは違うと考えています。そういうわけで、私は家賃市場に上限を設定するのはナンセンスだと思ってますが、消費者金融市場の金利を家賃と同視するのもまたナンセンスと考えています。有効需要があるのに供給がこたえないという議論に対しては、こたえない方がよい「需要」があるのではないかという答えになります。

2.闇金融が増える?

ある一定の市場をクローズした場合に、資金需要のある潜在的顧客層の一部は法的整理に向かうでしょうし、「闇金融」に向かうことでしょう。その意味で「闇金融」による被害者が増えるというのはそのとおりかもしれません。でも、それは「闇金融」の定義によりませんか?

私の議論は、ある一定の金利水準を越えると必然的に家族や職場に対する取立てなどの社会的害悪を生み出すというものです。商売として成立するためには合法化しようが、違法としようが必然的に社会的害悪は発生します。逆に(抽象論で)いうと社会的害悪が著しく増大する限界ポイントに上限金利を設定すべきです。

合法化すれば「闇金融」は定義上なくなります。それでも「闇金融」とかつて呼ばれていた業者たちは同様の方法で大手をふって貸付を行うでしょう。上限金利の設定により闇金融が増えたというのは、違法な領域が増えた以上、定義上当然のことだと思います。全て摘発するのが大変だというのはおっしゃるとおりですが、取立手法の違反を根拠に摘発する方が金利違反を根拠に摘発するよりも大変だともいえるわけです。闇金融が増えるという議論もなんだかあと思うのはそのあたりでして、闇金融と呼ばれる業態に対して戦える武器は少しでも多い方がマシだと思っているところです。

3. 立ち位置

立ち位置という問題は、まずはどこまでパターナリスティックになるのかということのような気がします。私の想定する経済的に不合理な最後の貸し手というは親族ないし親しい友人であり、カードローン⇒サラ金⇒街金・闇金融というルートをたどる際に借主およびその周囲の人々に発生する損害を防止する必要があることは言うまでもありません。また、目の前の資金繰りに必死になり、追い込みをされている方々に合理的な判断を求めるのは間違っているように思います。市場原理を貫徹するために所有権制度とEnforcementを与えるのも法の役割ですが、当事者の合理的な意思決定が期待できない場合に一定の後見的役割を担うのもまた法の役割ではあります。たぶんここまでは47thさんとの間であまり意見の違いはないのでしょう。

もう一つ立ち位置の問題があるとすれば、法の役割に対する期待という部分であり、たぶん47thさんと結論が違うのはこの点だろうと思うのです。47thさんからすると、一定の場合に合理的な判断ができない債務者が多く存在することにはあまり異論はないし、取立により社会的害悪が発生することもむろん異論がないところでしょうけれど、手段として上限金利の規制という法を制定したとしてもEnforcementにコストがかかりすぎて闇金融を生じさせるだけであり経済的には意味がないし、付随して有効需要にこたえられないから新たな被害者をうむおそれが大きいということになるのだろうと思います。

これに対して、私は取立手法の規制よりも上限金利の規制をする方が闇金融の取り締まりが容易であり、市場がクローズすることにより生じる「被害者」層は本来借りてはいけない層にすぎないのではないかと考えているわけです。私の立ち位置からすると、法の果たしうる役割に限界があり、規制をしない方がマシな場合もあることは認めつつも、多重債務の整理の現場でみたものの存在も認め、もう少し規制が果たしうる役割というものに挑戦してみたいような気がします。要するに工夫をすれば規制をしないよりもよりよい結果が得られるのではないかと思うというだけのことなんですが。

前回のエントリで少し反省したのは、法と経済という概念を対立的に書いたり、法学者と経済学者とを対立的に考えたりすることがよくなされているわけですが、規制目的・手段を考慮するのはまさに法と経済と双方からの分析が必要なところであり、こういう対立構造みたいな部分に意味がないのに、少し対立的に書いてしまった点でしょうか。

以上、ざっと乱暴に私の立ち位置を考えてみました。あまり化学反応がなくてすみません。ぼちぼちやるべきことをやらないと周囲の人に怒られるので今日はこの辺で^^。
[PR]
# by neon98 | 2006-04-22 06:35 | LEGAL(General)

上限利息規制は必要?
しばらく日常生活をほのぼのと書いてきて、ニューヨークの観光情報、レストラン情報やファッション情報を中心とするセレブなブログへの転向を目指していたんです(←大いなる勘違い)が、たまには真面目に考えてみるのも悪くなかろうということで、利息制限法を巡る規律について考えてみることにします。仮説という以前の「思いつき」レベルなので、百倍の反論がかえってくる可能性の方が高いですが、まあそれも楽しみだったりします^^。

昨日47thさんの「なぜ過剰取立は起きるのか?(イントロ)」というエントリに以下のようなコメントを残しました。
「返済原資の中心をなすのは、債務者個人が将来にわたって稼ぎ出すキャッシュフロー」という前提に疑問があるような気がします。キャッシュフローから返済原資をうみだすことができる層はほんのわずかであって、返済原資の多くは専ら借り換えによるのではないでしょうか。債務者の返済のインセンティブとなるのは職場や家族への連絡をされたくないという名誉欲であり、そのインセンティブを維持するためにはもともとあてにならないキャッシュフローを害してでも、現実に連絡をする事例を積み上げていくことは脅し効果として必要なのではないかという仮説も成り立ちうるでしょう。職業柄多くの債務整理事例にあたってきましたが、取立ての手口というのは概ね借り換えのすすめです(やり方はかなりやばそうなものまで色々ありますが)。
職業柄多くの債務整理事例にあたってきたというだけで、私の意見は消費者ローンの顧客層に関して強いバイアスがかかっている可能性は大きいので、その点は割り引かないといけませんが。
ちなみに私自身は債務者に早くあきらめさせるために一定の上限金利(固定か、どの程度の利率かはともかくとして)を法で強制すること自体は合理的と考えています。
ご丁寧に47thさんから以下のようなお返事を頂きまして、頭の体操代わりに考えてみようかなと思った次第ですが、長くなりそうなので自分のBlogに書いてTBさせてもらうことにしました。
返済原資として借換を期待しているということなんですが、「最後の貸し手」が供与する信用は、「最後の貸し手」が期待している返済原資が形を変えたものに過ぎません。「最後の貸し手」は、借り換えに期待できないはずですよね?その「最後の貸し手」が期待しているものが将来キャッシュフローであれば、その前の貸し手が期待しているものの本質も将来キャッシュフローでしかないんじゃないでしょうか?
あと、借り換えの問題は、借り手のリスクに応じた自己選別の過程と考えることも可能なはずで、少なくとも効率性の観点からは、その是非は簡単には決められないように思われます。そうしたことも考え合わせると、上限金利が規制される結果、本来は返済能力を持っている層に対する与信がなされなくなる可能性は現実的に大きいと思うのですが、その辺りについてはどう考えられているのかもうかがえると幸いです^^
「この辺りについてどう考えられているのか」と言われると正直に何も考えていない(^^)と申し上げざるを得ないんで、困っちゃうんですがこれまた思いつきレベルでエントリしときます。

続きを読む
[PR]
# by neon98 | 2006-04-21 04:20 | LEGAL(General)

チェルシー探訪
日曜のチェルシーにはアンティーク・マーケットが登場する。場所は25th(bet. Broadway & 6th)と25th(bet. 6th & 7th)にそれぞれ一つずつ。
d0042715_12134471.jpg
ガラクタがたくさんで見ているだけでも結構楽しめます。
d0042715_12142131.jpg
23rd Street & 7th Avenue
d0042715_12145028.jpg

チェルシーマーケットにも行ったのだけど、イースターで休みだった(写真も忘れた)。
[PR]
# by neon98 | 2006-04-19 12:15 | 日常・海外生活

Easter Parade in 5th Avenue
研修生活も残りわずか2ヶ月強になり、僕の中での強迫観念はどんどん強くなる。これが終わるとまたあの生活に逆戻りだ。今のうちに遊ばねば(笑)・・・。ということで、日曜日は5番街の49丁目から56丁目までの間で開催されたイースターのパレードを見に行ってきました。
d0042715_11525872.jpg
d0042715_11543863.jpg
タラリラリラ~タッタララ~。
d0042715_11552290.jpg
いえいえ、塩沢トキではございませんのよ・・・(古い・・・。彼女は今どうしているのだろう。)。
d0042715_12101475.jpg
お嬢さん、素敵な帽子ですね。

ハロウィーンもそうですが、真面目に(?)仮装を楽しんでいる方々を拝見して、こういう精神構造っていいなあと思います。ハロウィーンの時なんか、朝は真面目にスーツで出勤し、オフィスを出てパレードに向かう際には既にスーパーマンの姿をしている人やら、血だらけのドラキュラにトイレで仮装している人やらでしたから・・・^^。ちなみにこのパレードはこじんまりしていてよかったです。子連れでも危険ということはありません。来年参加される方は是非仮装してお出かけください。

この後は、Madison Squareへ向かい、すっかりお気に入りになったShake Shackでお気に入りのShack Burgerを食べたのですが、すごい混雑でした。ハンバーガーを食べるのに1時間も待ったのは人生で初めての経験かもしれません。それでもここのShack Burgerはあるべき肉の旨みがするし、フレンチフライもカリカリでうまいのです。この後はチェルシーに向かったのですが、続きはまた明日・・・。
[PR]
# by neon98 | 2006-04-17 11:58 | 日常・海外生活

Cherry Blossom in Newark
土曜日はCherry Blossom Festival 2006というのがNewarkの公園でやっているらしいと聞きつけ、行ってきました。Directionはこちらをご覧ください。
d0042715_11472236.jpg
ワシントンDCの桜というほどではありませんが、まあそこそこの量の桜を楽しむことができます。Festivalは4月23日日曜日まで。私が行ったときで満開で少し散りはじめでしたので、日曜日まではぎりぎり持つかと(天気次第ですが)。マンハッタンからNJ TransitかPathでも行けますし、たまには郊外に足を伸ばしてみるのもよろしいかと。

渡米以来、日本へ帰りたいと思ったことは全くなかったのですが、桜を見ると日本が懐かしく思われ、そういえば2年近く帰国していないのだなあと思いました。夏までしかニューヨークにいられませんので、「訪問予定先リスト」をこなしていくのに忙しくてホームシックにかかることはないんですが^^。
[PR]
# by neon98 | 2006-04-16 06:33 | 日常・海外生活

法律Blogよりも奥深いよしなしごとを目指して
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
検索
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
お気に入りBlog
最新のトラックバック
法律の英訳
from 明日は明日のホラを吹く-To..
今さらなんですが・・・
from はらほろとまひれ ~ 米国ロ..
英会話と留学
from 英語がしゃべれるようになる学習法
シンドラー社:労働組合と..
from 今出川通信
エリート法学部生は官僚よ..
from wrong, rogue a..
中央青山
from 1万人のための投資業
今頃危惧しても・・・制度..
from 法務の国のろじゃあ
PwCが日本で監査法人を..
from 法務の国のろじゃあ
[USA]こんだけ旅した..
from BBRの雑記帳
中央青山に一部業務停止命..
from 法務の国のろじゃあ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧