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Unocal Dealにおける国益
In Unocal Bid, U.S. Struggles With China Policies (NY Times)で、Unocalの買収に関するブッシュ政権の動きについて記事がでていた。
With no deal yet agreed to, Treasury Secretary John W. Snow told the Senate Finance Committee on Thursday that the issue remained hypothetical. The White House has avoided substantive comment on the matter.

People inside and outside the administration who are involved in the matter said the White House would do its best to avoid taking a position for a while by referring a deal, if one is completed, to a body known as the Committee on Foreign Investments in the United States, which reviews sensitive acquisitions by companies from abroad on the basis of national security.
当事者間で合意に至っていないHypoにすぎないので、慎重にノーコメントで通しているということのようだ。

アメリカで、政府が一企業の株式取得についてどういう許認可を有しているのか知らないのだけど、Unocal社の場合も、IBMのケースなどと同様に、the Committee on Foreign Investmentsが買収の可否を判断するということらしい。

軍事的な機密が漏れる可能性があるという事例ならわかりやすいけど、本件で政府が守るべき国益と、買収を阻止することにどういう関係があるのだろうか。

国益なるものが原油のアメリカへの安定供給であるとして、買収によって影響があるものなのかどうか。買収によって外国籍の株主に渡ってしまうことがよくないとすれば、そもそも株主上場をすべきなのかどうか、さらにいえば株式会社として運営すべきなのかどうか。採掘権の仕組みと国家の関与の仕方を全く知らないので、考える手がかりもないのだけど、東証と大証が海外投資家に敵対的買収をかけられたらどうだろう。

何が言いたいかというと、
(1)エネルギーなどの公共性のある分野での海外投資家による買収規制は一見最もらしいけど、公共性があるからといって海外投資家による買収を規制する理由にはならない
(2)中国側は雇用の維持と米国への安定供給を約束しており、国益に反することは一見起こりそうにない
(3)単に外国人は国益に反して動く可能性がある(アメリカ人だってそうだ。)という理由はPoliticallyにCorrectじゃないので、口が裂けてもそんなことはいえない
(4)かといって、エネルギー政策の重要性からすると、考え方も文化も違う投資家にControlを握られるのは気持ち悪いね(でも、公式にはいえないね)
という感じでブッシュ政権が悩んでいるのがわかる(ような気がする)のです。

ということで、結論。ブッシュ政権はノーコメントのまま、(あらゆる圧力をかけ?)Unocalの経営陣が中国サイドからの申し入れを断るのを待っている。
by neon98 | 2005-06-26 11:22 | M&A
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