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LAW JOURNAL
ロースクールのLaw Journalメンバーと話す機会を得た。一流ロースクールはほぼ独自のロージャーナルを持ち、いずれも学生により運営されている。一流ローファームのアソシエイトの多くは在学中にロージャーナルの編集に携わっており、就職に相当有利だそうである。教授になったり、LAW CLERKになる際にも重視される経歴である。

彼らは一年生終了時にメンバーに選抜されるために論文を書き、選抜試験をくぐりぬけ、応募論文を審査し、Citationなどをチェックして著者とともに論文をしあげる。ご存知のとおり、アメリカのCitationルールは日本と比較してはるかに複雑かつ厳格であり、引用ミスは学者のみならず、実務家にとっても恥とされるうえ、場合によっては盗作との非難を受けかねない。とはいえ、Citationのチェックは面白い作業でも何でもない。なぜ、彼はメンバーになったのだろうか。
「キャリアのためだよ。知ってると思うけど、ここは非常な学歴社会だ。ローレビューの編集長になり、Law Clerkに採用してもらえば、非常に優秀な層の人脈も築けるし、今後の弁護士としてのキャリアにとってこのうえない名誉になる。正直、毎晩遅くまでこんなことやってられないけど、見たこともない分野の論文をたくさん読む機会に恵まれるし、就職にも有利だ。十分やる価値はある。」
論文を応募する教授陣にとっても一流ロージャーナルに論文を発表することは必要不可欠の作業だから、Applicantも必死だ。でも、何も専門知識のないロースクール生がどうやって選ぶのかというと、やはり基本的には教授のネームバリューとトピックだそうだ。時々実績のない学者の論文をとりあげることもあるが、学生が評価することの難しさもあって、そのような機会はあまり多くはないとのこと。

自由競争社会といいながら、実はキャリアの多くはロースクール選択時に、1L終了時に、そしてロージャーナル応募時に決まっていってしまう。良くも悪くもすさまじい競争社会に彼は生きている。
by neon98 | 2005-06-30 03:17 | Law School
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