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シリーズ 日本のCorporate Governanceを考える(1)―序文
ライブドアの事件発生以降、アクセス数が異様に増加しているのですが、匿名で細々と書いていくのが目的なのでこれ以上アクセスを増やすことにはあまり意味を感じていません。毎日少しだけとても有意義なコメントやトラックバックを頂いて教えていただく、頭の中で整理されずにモヤモヤとしているものを記事にしてしまうことにより整理をして記録化する、下らない日常ネタも時々混ぜていくという現在の運用に満足しているので、ライブドアの件からは戦線離脱いたします。

しばらくは「シリーズ 日本のCorporate Governanceを考える」なんてNHKの特番みたいな大袈裟なネーミングで絵空事を論じていこうと思います。米国法を学ぶ際に良い点は素直に見習おうという気持ちと、過度の欧米信仰に対する反感との中で揺れ動きながら日本の仕組みについて考えていると、ある意味ナショナリズムに近い感情が生じてきます。多くのインテリの方は表面に出しませんが、アメリカ型システムは世界で一番だと95%のアメリカ人は思っている(数値は推定です^^)わけで、そういう意識を垣間見るときはすごい自信を素直に評価しつつ、「馬鹿やろう。日本人の凄さを知らない癖に。」と思いながらにっこり笑って素直にアメリカを誉めておくことにしています。

とはいえ、まだまだアメリカを含め諸外国から学んでいかないといけないことが多いことは素直に認めざるを得ないわけで、これからも外国制度研究は政策論としても実務家の課題としても重要であることには違いないわけです。ということで、浅はかなナショナリズムと冷静な議論とを整理しつつ、お勉強していこうと思っています。

「実は俺たちすごいんです。」と言えるかどうかわかりませんが、ビジネススクールの友人から聞いたトヨタとその取引先の関係って実は世界的にすごく面白い事例じゃないかと思うのです。トヨタは部品納入先に対して力をつけることを要求し、ホンダなど他のメーカーにも納入することを逆に推薦したりしているわけです。トヨタは有力な部品メーカーの一定の株式を保有し、長期的な関係継続に対してある程度のコミットメントをすることにより、取引先がトヨタとの関係に投資を継続できる環境を維持しながらも、それなりの要求を出し続け、取引先は常にトヨタからのプレッシャーにさらされながら経営改善に努力をし続けなければならないという面白い仕組みになっています。

大袈裟なタイトルをたちあげたわりに実は何を書こうか決めていないという典型的な企画倒れの危険がある企画ですが、ライブドア事件で疲れてきた心を癒す絵空事としてお付き合いください。ということで、次回は基本のShareholder Primacy Norm(「株主中心主義」とでも訳しましょうか)あたりの話からいきましょうかね。過激なことは申し上げるつもりはありませんし、ありきたりの議論にとどまると思いますので、期待せずにおまちください。ああ、アップしてしまったけど、3回目くらいまでしかネタがない…。
by neon98 | 2006-01-28 01:46 | Corporate Governance
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